第734回:「ディフェンダー&ブレックファスト」に参加してランドローバーの本質を再確認する
2022.12.10 エディターから一言 拡大 |
ジャガー・ランドローバー・ジャパンが岩手・八幡平のクルマアソビベンチャーフィールド安比を舞台に、ランドローバー車オーナー限定の特別イベント「ディフェンダー&ブレックファスト/オフロードエクスペリエンス」を開催した。ランドローバー自慢のオフロード走行も楽しめたそのイベントの模様をリポートする。
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ランドローバーだからこその体験
オフロードでの走破性や機能性を突き詰めて生み出された英国のランドローバー。その誕生は1948年にさかのぼる。以降、70年以上の歴史を紡ぎ、現在は始祖である「ランドローバー・シリーズI」の系譜を受け継ぐランドローバー各車と、1970年に登場したラグジュアリーモデル「レンジローバー」の系譜となるレンジローバー各車という2つのファミリーを擁している。
道なき道を行き、未開の地で活躍してきたランドローバーは、ルーツがそうであるようにやはり大自然が似合う。いかに洗練されたデザインをまとい、高級車顔負けの快適な装備を充実させようとも、人の命を守りながら自然に立ち向かうことのできるタフな出自は隠せない。
つくり手もそれは分かっていて、グローバルでは「ランドローバー アドベンチャートラベル」と題したユーザーエクスペリエンスを展開。「新しく生まれ変わった非日常への旅」をコンセプトに、冬季スウェーデンの凍(い)てつく大地や、灼熱(しゃくねつ)のナミビアやボツワナに広がるサハラ砂漠、赤い岩が行く手を阻むアメリカ・ユタ州のモアブなどを舞台にしたユーザー参加型のツアーを行っている。
ランドローバーのパフォーマンスを駆使し訪れることができる場所とその風景は、Google Earthで簡単に希望する場所の画像が見られるようになった現代においても、人々の興味を引きつけてやまない。
目的はオーナー同士の親睦
そこまで本格的な“冒険”は望まずとも、愛車が有するポテンシャルの片りんを味わいたいと考える向きは少なくないはずだ。ジャガー・ランドローバー・ジャパンが企画する「ディフェンダーデイ」や「ディフェンダー&ブレックファスト/オフロード エクスペリエンス」と呼ばれるイベントは、そうしたニーズに対応したものといえるだろう。前者は例年長野・白馬で、後者は全国各地で開催されている。今回は2022年11月12日、岩手・八幡平を舞台に開催されたディフェンダー&ブレックファスト/オフロード エクスペリエンスの模様を紹介しよう。
ディフェンダー&ブレックファストは、「ディフェンダー」オーナー同士の交流を深めることを目的に開催される参加・体験型のイベントだ。自分と同じディフェンダーオーナーが、日ごろどのように愛車と接しているのかを知ることはもちろん、ディフェンダーを所有することによってもたらされる楽しさや世界観を共有することができる。
オーナーだからこその“あるあるネタ”が話題となり、場合によっては自分が気づいていない耳寄り情報を知るチャンスかもしれない。そうしたオーナーたちの親睦も目的のひとつである。
親睦を深める……と聞けば、どんな人が参加しているのかどことなく不安に思う方もいらっしゃるだろうが、過去いくつかのオーナーズクラブイベントに参加したことのある身からすれば、そうした心配は杞憂(きゆう)。たとえ最初はぎこちなくても、同じクルマを愛する者同士、いつの間にか距離感が縮まっているというものである。
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愛車でオフロードコースを走行
会場となった岩手・八幡平のクルマアソビアドベンチャーフィールド安比は、東京ドーム約3個分もの広大な敷地を誇るアウトドア施設で、東北自動車道の松尾八幡平ICからクルマで20分程度の距離に位置している。1980年代に一世を風靡(ふうび)した安比高原スキー場の近くと紹介すれば、スキーブームを経験した元ヤングには分かりやすいかもしれない。さらにそこでウサギをモチーフとした「APPI」のステッカーが貼られたクロカンモデルを想起した方は、かなりのベテランとお見受けする。
イベント自体への参加は無料。参加の条件はランドローバー車のオーナーであることのみで、参加者にはディフェンダーをモチーフとしたイラスト入りのリサイクルプラスチック製タンブラーと、オリジナルステッカーがプレゼントされる。コーヒー片手に他のディフェンダーオーナーとクルマ談議に花を咲かせるもよし、会場のアクティビティーやサウナを楽しむもよしと、どのように過ごすかは参加者の自由だ。
とはいえせっかくのシチュエーションである。もしも雄大な八幡平の景色とランドローバーのポテンシャルを味わいたいのなら、愛車でオフロードコースを走行する「オフロードエクスペリエンス」が用意されている。
オフロードエクスペリエンスは、林道や山岳路、ガレ場といった大自然のなかを行くおよそ60分のアクティビティー。参加費は2000円だ。プロのインストラクターが先導してくれるので、オフロードは初めてという方でも安心して参加することができる。プログラムはコンボイになっての走行が基本で、ドライビングに関するアドバイスやルート上の注意事項がその都度無線によってアナウンスされる。今回は午前・午後合わせて4回のセッションが、いずれも7台限定で用意されていた。
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知ればますます愛車が誇らしくなる
オフロードコースには安比高原の林道やガレ場に加え、水深はさほどでもないが川渡りもあるという。愛車でランドローバー自慢の渡河性能を試したり、クルマ1台分の幅しかない切り立った崖沿いに走ったりすることなどは、私を含め多くの人にとって非日常の出来事だろう。そうしたスリルをインストラクターの指導のもと、安全に味わえるのであれば、これはランドローバーオーナー冥利(みょうり)に尽きるに違いない。
さらに、そのオフロードコースの走行はカメラマンによって撮影されており、イベント終了後に画像データがプレゼントされるというおまけもつく。愛車の走行シーンが写真に収められることなど、そうそうあることではないだろう。こちらもまた、オーナー冥利に尽きるというものである。
オフロードの専門家に言わせれば恐らくはライトなコース設定なのだろうが、ビギナーには十分な冒険である。車両の左側が崖となる狭い道では「ヒャー」と声が出て、湖に向かう岩がゴロゴロと顔をのぞかせる道なき道では大きな岩に干渉しないようにと息をのみ、川渡りでは「ウオー」と気合を入れる。1人で乗ったキャビンを映すドライブレコーダーがなかったので、幸いにもぶざまな姿を世間にさらすことはないが、同乗者がいたらきっと心の声がダダもれのドライバーを見て不安になっていただろう。
ランドローバー自慢の4WD関連の電子デバイスは、走行中の車体直下映像を映し出す「クリアサイトグラウンドビュー」を使用した。湖に向かうガレ場で走行中の心理的不安を解消するためだ。せっかくの「電子制御アクティブデフ」や悪路用超低速クルーズコントロールの「オールテレインプログレスコントロール」といった伝家の宝刀は最後まで出番がなかったが、逆に言えば今回は標準設定だけでガレ場を走り、川を渡れたのである。どれだけ基礎性能が高いのかと、オーナーはきっと今まで以上に愛車を誇らしく思ったことだろう。
ランドローバーはタフで上質なクルマづくりだけでなく、走行体験やその走行がもたらす世界観もブランドの価値のひとつだという。卓越したオフロードパフォーマンスと、洗練されたハンドリングや乗り味を知れば、その言葉に同意したくなる。『学問なき経験は、経験なき学問に勝る』というのは英国のことわざだが、クルマに関しては特にリアルワールドでの体験こそがものを言いそうである。
(文=櫻井健一/写真=ジャガー・ランドローバー・ジャパン/編集=櫻井健一)
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櫻井 健一
webCG編集。漫画『サーキットの狼』が巻き起こしたスーパーカーブームをリアルタイムで体験。『湾岸ミッドナイト』で愛車のカスタマイズにのめり込み、『頭文字D』で走りに目覚める。当時愛読していたチューニングカー雑誌の編集者を志すが、なぜか輸入車専門誌の編集者を経て、2018年よりwebCG編集部に在籍。
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