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トヨタ・プリウス(FF/CVT)【海外試乗記】

何もかも変わった! 2023.02.10 アウトビルトジャパン AUTO BILD 編集部 経済的でスポーティー!? 醜いアヒルの子からハンサムなスポーツカーへと進化した、5代目の「トヨタ・プリウス」。プロトタイプに試乗した『AUTO BILD』スタッフの率直な感想と評価は?

※この記事は「AUTO BILD JAPAN Web」より転載したものです。

世界初の量産ハイブリッド車としてデビュー

プリウスはトヨタの持続力の象徴だ。1997年に、CO2排出量や燃費に配慮して電気駆動を追加した、フルハイブリッド車として発売された最初のクルマだ。

プリウスが本格的に普及し始めたのは、2002年のモデルチェンジからである。アメリカでは、いきなりクリーンなクルマとしてもてはやされた。特にハリウッドはクリーンカーに飛びついた。そのため、セレブリティーにアピールするだけでなく、そこで撮影された映画のゲストとしても歓迎されたのだった。

しかし、プリウスには時間の経過とともに問題が出てきた。ハイブリッド発想はBEVの新たな展開により、エコカーとしての魅力を失ってしまったのと同時に、クルマ自体にも慣れが必要なプリウスには、運転する楽しみが全くなかったのだ。

新型「トヨタ・プリウス」と筆者。量産ハイブリッド車の代名詞的存在であるプリウスは、フルモデルチェンジでハンサムなスポーツカーへと生まれ変わった。
新型「トヨタ・プリウス」と筆者。量産ハイブリッド車の代名詞的存在であるプリウスは、フルモデルチェンジでハンサムなスポーツカーへと生まれ変わった。拡大
トヨタ プリウス の中古車

将来はプラグインハイブリッドだけに

2023年の新型プリウスで、そのすべてが変わることになる。トヨタもフルハイブリッドに別れを告げ、システム出力を223PSとし、ドイツではプラグインハイブリッド専用車としてプリウスを発表する予定だ。

つまり、151PSの4気筒ガソリンエンジンに加えて、163PSの電動モーターが推進力を発揮するのだ。この2基のモーターを組み合わせることで、プリウスは静止状態から100km/hまで6.8秒で到達することができるのだ。エンジンに負荷がかかるとガソリンエンジンの音色がやや荒くなるが、これは自信のあるパフォーマンスだ。

しかしパワーが2倍になっても、プリウスは本当のスポーツカーにはならない。また、プロトタイプよりもステアリングの応答性がよくなったとはいえ、本格的なスポーツカーとは言いがたい。ステアリングは先代に比べて非常にダイレクトで、サスペンションも非常に快適なのだが、高速コーナーではアクセルから足を離さなければならない。

ステアリングのフィールは先代に比べてダイレクト。それでも、本格的なスポーツカーのような感触とは言いがたい。
ステアリングのフィールは先代に比べてダイレクト。それでも、本格的なスポーツカーのような感触とは言いがたい。拡大

太陽エネルギーで8.7km走れる

これも、リアシート下に搭載した容量13.6kWhのバッテリーによるものだ。メーカーによれば、バッテリーの75%のエネルギーで、プリウスをEVモードで69km走行させることができるという。

3.5kWで充電できるため、満充電までの待ち時間は4時間だ。トヨタは、プリウスにソーラールーフをオプションで用意している。このルーフを装着した場合、最適な太陽光の下で、さらに8.7kmの距離を電動モードで走行することができる。年間1250kmの完全フリー走行が可能だ。

天候に左右されるエネルギー供給が十分でない場合、対応する回生ステージは、ローリングや制動時にエネルギーを顕著にバッテリーに戻すことができる。全体として、トヨタは100km走行あたりわずか2リッターの燃料しか消費しないと約束する(リッターあたり50km)。最初のドライブでは3.8リッターだったが、これは今のところ全く問題ない。近いうちに行われる予定の、生産モデルの最初のテストではどうなるか。興味津々だ。

今回の試乗車はプロトタイプであったため、バンパーの下方などにはカムフラージュ柄が残されていた。
今回の試乗車はプロトタイプであったため、バンパーの下方などにはカムフラージュ柄が残されていた。拡大

上質になったインテリア

最終的にインテリアが大丈夫なのかどうかは、ドライバーの判断に委ねられる。実際、新型プリウスの内装の素材は、先代モデルよりもはるかに上質なものになっている。しかし、なぜプジョーのようにステアリングホイールのリム越しに中央のディスプレイを見なければならないのか、理解しがたい。

そのほか、センターコンソールのTFT画面だけでなく、ボタンやスイッチ類もすてきな直感的な操作性がうれしい。当然のことながら、コンパクトモデルであるプリウスのスペースは限られている。特にリアシートは、身長が180cmを超える人にとっては窮屈に感じるだろう。

結論

トヨタ・プリウスは、5代目で大きく変貌を遂げた。これは、デザインに限らず、ステアリング、運転挙動、ダイナミクスに関してもだ。しかし、PHEVとして欧州市場で普及するかどうかは、まだわからない。

(Text=Holger Preiss/Photos=Toyota)

記事提供:AUTO BILD JAPAN Web(アウトビルトジャパン)

【写真左上】ステアリングホイール越しの景色は、慣れるまで少し時間がかかる。/【同右上】オプションのソーラールーフは、気象条件次第では8.7kmのEV走行が可能なエネルギーを供給する。/【同左下】ラゲッジルームの容量はシートを立てた状態で284リッター。/【同右下】後席は、身長180cm以上の乗員には窮屈な印象だ。
【写真左上】ステアリングホイール越しの景色は、慣れるまで少し時間がかかる。/【同右上】オプションのソーラールーフは、気象条件次第では8.7kmのEV走行が可能なエネルギーを供給する。/【同左下】ラゲッジルームの容量はシートを立てた状態で284リッター。/【同右下】後席は、身長180cm以上の乗員には窮屈な印象だ。拡大
AUTO BILD 編集部

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