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BMW i5プロトタイプ【海外試乗記】

やっぱりエモーショナル 2023.05.12 アウトビルトジャパン AUTO BILD 編集部 BMWは現在、新世代の「5シリーズ」の開発に取り組んでいる。ディーゼルやガソリンエンジンに加え「i5」、つまり純粋な電気自動車(BEV)も登場する予定だ。われわれは、そのプロトタイプをテストした。

※この記事は「AUTO BILD JAPAN Web」より転載したものです。

エンジン車とBEVをラインナップ

この新しいBMWで最も重要なことは、われわれが体験したことではなく、「感じたこと」だ。われわれは車両の前で膝をつき、車体を覆っているフィルムを指で触ってみた。そして、自然と歓喜の拍手が湧き起こった。今度の5シリーズには、「7シリーズ」のような巨大なダブルキドニーグリルが装着されることはなさそうだ。それは正直、純粋な喜びだ。

南仏のミラマ。ここはBMWのテストセンターで、すべてのプロトタイプに仕上げの作業を施している。そして新型5シリーズについても、多くのファインチューニングを行ったという。このラグジュアリークラスの第8世代は2023年秋に発売される予定で、当初はディーゼルおよびガソリンエンジンを搭載したノッチバックサルーンと、純電気自動車が販売される。そして2024年春には、ツーリング エステートがこれに続く予定だ。そのBEVバージョンも、である。

BMWは、1つのシリーズでICEとBEVの両方を製造している。「4シリーズ(i4)」、そして最近では「7シリーズ(i7)」でそうだった。今回は「520d」と「530i」に加え、i5がラインナップに加わる。そして、その開発は最終段階にかかっている。

われわれは今回、南仏ミラマにあるBMWテストセンターで新型「5シリーズ」をテストした。
われわれは今回、南仏ミラマにあるBMWテストセンターで新型「5シリーズ」をテストした。拡大
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常に使いたくなるアシスト機能

新型5シリーズには、現行型7シリーズなどに採用されている曲面かつXXLサイズのディスプレイが与えられ、1-aグラフィック、タッチ用の右側部分、そして「クイックセレクト」と呼ばれる新しい構造(必要に応じてナビゲーション地図を表示)が、常に最大の要素として残り、左側にはラジオ、電話、車両情報をスクロールダウンするためのタイルが配置されている。

もちろん、iDriveのボイスコントロールも素晴らしい機能だ。新型では幸いにも、センターコンソールにそのコントローラーが残されており、われわれは3つの方法での操作が可能となっている。

さあ、高速道路でのドライブだ。助手席には自動運転の統合責任者であるダニエラ・カーン氏が乗っていて、私が運転アシスタントをどう思うかを知りたがっている。まずはi5を110km/hで走らせ、ステアリングホイールの「モーターウェイ アシスタント プラス(Motorway Assistant Plus)」のスイッチを入れる。そして私は、ハンドルから手を放した。

車線を維持したままサイドミラーをじっと見ていると、車両は自動的に追い越しをかける。つまり、私がサイドミラーで左を見ると、i5はウインカーを点滅して追い越し車線へと移り、前走車を抜きにかかるのだ。そして右のサイドミラーを見ると、ウインカーを点滅して、走行車線へと戻る。130km/hまでなら自律走行が可能だ。運転後、エンジニアが「今のアシストについてどう思うか」と聞いてきたので、私は「このシステムをオフにすることはないだろう」と答えた。

新型「BMW 5シリーズ」では、130km/hまでの追い越しを自ら行う「モーターウェイ アシスタント」を選択することができる。
新型「BMW 5シリーズ」では、130km/hまでの追い越しを自ら行う「モーターウェイ アシスタント」を選択することができる。拡大
「モーターウェイ アシスタント プラス」作動中のメーター画面。運転支援システムによる車線変更の様子が表示されている。
「モーターウェイ アシスタント プラス」作動中のメーター画面。運転支援システムによる車線変更の様子が表示されている。拡大

俊敏かつ快適なコーナリング

しかし、われわれはまだBMWで自問自答している。e-carにどうやってエモーションをもたらすのだろう? という疑問が湧いてくるのだ。そこで、最高出力340PSの「eDrive40」と、リアアクスルにモーターを搭載したモデルが登場するわけだが、これは完全に適切といえるもので、心地よいパンチと上質な快適性を実現している。「M60 xDrive」は同598PSで4WD。車体は4.94mと先代よりも長く、重量は推定2.3tだ。運転したなら、あなたはこう思うだろう。「一体どうやって、これだけの質量なのに1クラス小さく感じられるスポーツカーをつくるのだろう」と。

閉鎖されたテストコースでは、「M4」が先頭を走り、ペースを握る。コースのデコボコは、i5のサスペンションがしなやかに受け止めてくれる。140km/hで小さな橋を渡り、波打ちながら左カーブを曲がると、M4は後足を上げるが、i5ははね返されてはまた戻って、まるで「何かあったのか?」とでも言うように、自信たっぷりで路面に張り付いたままだ。まさに、俊敏なコーナリングをするプレデターと、快適なグライダーという組み合わせで、BMWはこのドライビングのバランスをうまくとっている。

それは、おなじみの「CLAR」プラットフォームで巧みに実現されている。剛性を高め、すべての制御システムを巧みに組み合わせた結果にほかならない。BEVやプラグインハイブリッドのガソリンエンジン車では、必ずリアにエアスプリングが装備されるが、i5には、ロールスタビライゼーション機能付きのスポーツサスペンションが備わり、先代よりもさらにダイレクトな可変ラック&ピニオンステアリング、さらにステアリングとサスペンションの精度を完璧にするトリックが施されている。そしてバッテリーハウジングは車軸に接続され、ボディーの剛性に寄与している。

かように低重心で俊敏なシャシーにより、新型5シリーズは1クラス小さく感じられ、キビキビとステアリングを切ることができる。

5シリーズのプロジェクトマネージャー、アンドレアス・ホルツィンガー氏は「i5は電気で走り、しかも運転が楽しいということを実証したのです!」と語った。

そう、最後に肝心な価格の話だ。この5シリーズの価格はいくらになるのだろう? 直接のライバルである「メルセデス・ベンツEQE」は、6万6402ユーロ(約960万円)からとなっている。この値づけの方向性に、BMWとi5も付き合うことになるだろう。一方、4気筒ディーゼルの現行型520dは、5万6800ユーロ(約820万円)から。新型5シリーズの販売も、2023年秋にこの価格帯でスタートするはずだ。

(Text=Andreas May/Photos=AUTO BILD)

記事提供:AUTO BILD JAPAN Web(アウトビルトジャパン)

リアコンビランプはLED式。最新の「7シリーズ」と同様、シャープなデザインになっている。
リアコンビランプはLED式。最新の「7シリーズ」と同様、シャープなデザインになっている。拡大
AUTO BILD 編集部

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