メルセデス・ベンツEQS450 4MATIC SUV(前編)
2023.08.20 思考するドライバー 山野哲也の“目” レーシングドライバー山野哲也が「メルセデス・ベンツEQS SUV」に試乗。クルマを降りるや真っ先に挙げたのはステアリング操作に対する反応についてだった。「これは面白い」とは果たして何を指しているのだろうか。これは勇気が必要だったでしょう
自動車の電動化、それも搭載したバッテリーからの給電だけで走る電気自動車(BEV)に最も熱心なメーカーのひとつがメルセデス・ベンツだ。2019年に後輪駆動車用のプラットフォーム「MRA」を用いたピュア電動SUV「EQC」をリリースしたのを皮切りに、「EQV」(日本未導入)や「EQA」さらに「EQB」とメルセデスEQブランドのラインナップを拡充。最近ではBEV専用の「EVA2」プラットフォームを新たに開発して、電動サルーンたる「EQS」と「EQE」、それらのSUV版であるEQS SUVと「EQE SUV」を市場に投入している。
今回、レーシングドライバーの山野哲也が乗るのは「EQS450 4MATIC SUV」。3列シート・7人乗りのSUVで、前後に「eATS」と呼ばれる電動パワートレインを備えた4WDモデルだ。eATSとは、モーターとトランスミッション、クーリングシステム、制御系などを一体化したもの。動力系をユニット化することで、多様なクルマへの搭載を容易にしている。EQS450 4MATIC SUVは容量107.8kWhのリチウムイオン電池を積み、593kmの一充電走行距離をうたう(WLTCモード)。
「これはめっちゃ勇気が必要だったでしょう」と山野が最初に注目したのが、左フロントフェンダーに設けられたウオッシャー液補充用のトレイ。パネルから引き出されるさまは、あたかも洗濯機の洗剤投入口のよう。
100年を超える歴史のなかで内外ともすっかり成熟した自動車だが、現在、新たな変革期を迎えている。SUVボディーながら「Cd値=0.26」という空力性能を誇るEQS SUVは、ユーザーがボンネットを開けることを想定していない。ウオッシャー液の補充方法は、クルマの電動化においてこれまでの常識を破ることもいとわない、メルセデスの気概を示した一例といえる。
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