【F1 2023】第14戦オランダGP続報:フェルスタッペン、母国で最多連勝記録タイとなる9連勝を達成

2023.08.28 自動車ニュース bg
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F1第14戦オランダGPを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真)。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
F1第14戦オランダGPを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真)。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

2023年8月27日、オランダのザントフールト・サーキットで行われたF1世界選手権第14戦オランダGP。突然の雨も赤旗中断もなんのその、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが母国で無敵の快進撃を披露した。

母国オランダで3年連続のポール・トゥ・ウィンを飾ったフェルスタッペン(写真)。予選ではマクラーレンのランド・ノリスに0.537秒もの大差をつけ圧巻のポールポジション。一周4.2kmと短いコースでこのタイム差なのだからいかに速かったかがうかがえるアタックだった。レースでは序盤と終盤の雨にも、セーフティーカーにも赤旗にも動じず、セバスチャン・ベッテルの記録に肩を並べる9連勝を達成した。今季のリードラップは628周を数え、あと111周でベッテルの記録に届くことになる。チームメイトでドライバーズチャンピオンシップ2位のセルジオ・ペレスが4位に終わったことで、フェルスタッペンのリードは138点に拡大した。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
母国オランダで3年連続のポール・トゥ・ウィンを飾ったフェルスタッペン(写真)。予選ではマクラーレンのランド・ノリスに0.537秒もの大差をつけ圧巻のポールポジション。一周4.2kmと短いコースでこのタイム差なのだからいかに速かったかがうかがえるアタックだった。レースでは序盤と終盤の雨にも、セーフティーカーにも赤旗にも動じず、セバスチャン・ベッテルの記録に肩を並べる9連勝を達成した。今季のリードラップは628周を数え、あと111周でベッテルの記録に届くことになる。チームメイトでドライバーズチャンピオンシップ2位のセルジオ・ペレスが4位に終わったことで、フェルスタッペンのリードは138点に拡大した。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大
第9戦カナダGP以来となる久々の表彰台2位を獲得したフェルナンド・アロンソ(写真)。マクラーレンらライバルの台頭に影が薄くなり始めていたアストンマーティンだったが、オランダGPではマシンアップデートが奏功し、予選ではアロンソが5位。レースは雨がらみの難しいコンディションとなったが、ベテランらしいシュアな走りでポディウム圏内に駒を進め、今年7回目の表彰台で締めくくった。なおアストンマーティンにとっての初レースは、今から64年前の1959年、ここザントフールトで行われたオランダGPだった。(Photo=Aston Martin)
第9戦カナダGP以来となる久々の表彰台2位を獲得したフェルナンド・アロンソ(写真)。マクラーレンらライバルの台頭に影が薄くなり始めていたアストンマーティンだったが、オランダGPではマシンアップデートが奏功し、予選ではアロンソが5位。レースは雨がらみの難しいコンディションとなったが、ベテランらしいシュアな走りでポディウム圏内に駒を進め、今年7回目の表彰台で締めくくった。なおアストンマーティンにとっての初レースは、今から64年前の1959年、ここザントフールトで行われたオランダGPだった。(Photo=Aston Martin)拡大

レッドブル以外は激戦状態

3週間のサマーブレイクが終わり、いよいよ2023年シーズンは残り10戦の後半戦に突入した。前半12戦のすべてで優勝したレッドブルは史上最多となる連勝記録を更新中。さらに前戦ベルギーGPで破竹の8連勝を飾ったマックス・フェルスタッペンは、母国オランダの熱狂的なファンの前で、2013年にセバスチャン・ベッテルが成し遂げた9連勝というレコードに挑む。

前半戦だけで314点ものポイントを稼いだフェルスタッペンは、チャンピオンシップ2位でチームメイトのセルジオ・ペレスに丸々5勝分の125点もの差をつけており、3年連続となるチャンピオンに向けて独走中。もはやタイトルの行方よりも、「レッドブルとフェルスタッペンの連勝記録がどこまで伸びるか」に注目せざるを得なくなっている。

とはいえ、レッドブル以外は激戦状態だ。149点でドライバーズランキング3位のフェルナンド・アロンソと4位ルイス・ハミルトンの差はたったの1点。5位のシャルル・ルクレールと6位ジョージ・ラッセルは99点の同点で、7位カルロス・サインツJr.も92点と僅差でこの2人に迫っていた。

そしてコンストラクターズチャンピオンシップでも、503点で孤高の首位につけるレッドブルより下は別世界が広がっている。247点で頭ひとつ抜け出したのは、シーズン中にマシンコンセプトをガラリと変える決断を下した2位メルセデス。一方で開幕から表彰台の常連だったアストンマーティンは開発競争でつまずいて失速、196点で3位に転落し、191点で4位のフェラーリに追われている。そして第11戦イギリスGPで持ち込んだアップデートで劇的なカムバックを果たした103点のマクラーレンが5位に躍進している。

速すぎるレッドブル&フェルスタッペンを前に、その後続のマシンがひとつ下のカテゴリーである「F2に見える」と言ったのはメルセデスのトト・ウォルフ代表。ライバルをしてそこまで言わしめる一強独走だが、フェルスタッペンが不動の主演俳優なら、その他の助演陣は局面ごとに目まぐるしく変わる展開でもある。おもしろみを欠くと嘆くのは、まだ早いというものだろう。

今季アルピーヌに加入したピエール・ガスリー(写真)は、移籍後初の表彰台となる3位でゴール。予選では12番手と振るわなかったものの、レースではスタート直後の雨にいち早く対応し上位に浮上。さらに4位を走っていたレース終盤には、ライバルのペレスにピットレーンのスピード違反による5秒加算ペナルティーが科されたことで、2021年アゼルバイジャンGP以来となる久々のポディウムが転がり込んだ。エステバン・オコンも10位入賞を果たし、ここのところ最大のライバルであるマクラーレンにやられっぱなしだったアルピーヌはこのレースで16点を獲得したものの、ランキング5位のマクラーレンとの間にはまだ38点もの開きがある。(Photo=Alpine F1)
 
今季アルピーヌに加入したピエール・ガスリー(写真)は、移籍後初の表彰台となる3位でゴール。予選では12番手と振るわなかったものの、レースではスタート直後の雨にいち早く対応し上位に浮上。さらに4位を走っていたレース終盤には、ライバルのペレスにピットレーンのスピード違反による5秒加算ペナルティーが科されたことで、2021年アゼルバイジャンGP以来となる久々のポディウムが転がり込んだ。エステバン・オコンも10位入賞を果たし、ここのところ最大のライバルであるマクラーレンにやられっぱなしだったアルピーヌはこのレースで16点を獲得したものの、ランキング5位のマクラーレンとの間にはまだ38点もの開きがある。(Photo=Alpine F1)
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フェルスタッペン、母国で3年連続ポール

ドライで行われた金曜日のプラクティスでは、アルファタウリでF1復帰3戦目を迎えたダニエル・リカルドがクラッシュし左手を骨折。レッドブルのリザーブドライバーだったリアム・ローソンが急きょGPデビューを飾ることとなった。

土曜日には天気が崩れるも、予選開始時にウエットだった路面は天候回復とともに徐々に乾き始め、トップ10グリッドを決めるQ3は各車ドライタイヤを履いて出走。ウィリアムズのローガン・サージェント、フェラーリのシャルル・ルクレールがそれぞれクラッシュし、12分間のセッションは2度も赤旗中断となる慌ただしい展開に。残り4分、各車続々とタイムアップを果たすなかで最速で駆け抜けたのはフェルスタッペンだった。後続に0.537秒もの大差をつけ、母国で3年連続、今シーズン8回目、通算28回目のポールポジションを奪った。

フェルスタッペンと最前列をシェアしたのは、好調が続くマクラーレンのランド・ノリス。メルセデスのジョージ・ラッセルが3位、ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンが大健闘の末、キャリアベストタイとなる4位を獲得した。

さらにアップデートを施してきたアストンマーティンのフェルナンド・アロンソ5位、フェラーリのカルロス・サインツJr.6位と、トップ6に6チームのマシンが並ぶ混戦模様。レッドブルのセルジオ・ペレスはチームメイトに1.3秒も離されて7位、マクラーレンのオスカー・ピアストリは8位につけ、ルクレール9位、サージェントはクラッシュしたものの自身最高10位からレースに臨むこととなった。

フェラーリのカルロス・サインツJr.(写真)は5位でフィニッシュ。スクーデリアにとってオランダGPはいいところがなく終わった。ドライの金曜日、雨がらみの土曜日ともパッとせず、予選ではサインツJr.がなんとか6位に食い込むも、シャルル・ルクレールはバランスの悪いマシンに四苦八苦の末クラッシュし9位。シーズン前半までは少なくとも予選での一発の速さは期待できたフェラーリだったが、オランダGPではトップスピードは速いもののコーナーで遅く、タイムに結びつかなかった。レースではサインツJr.が面目躍如の5位となるも、ルクレールはフロアにダメージを負ったマシンで走行を続けたのちリタイア。次は地元イタリアGPだが、活躍を期待できるような状況ではなさそうである。(Photo=Ferrari)
フェラーリのカルロス・サインツJr.(写真)は5位でフィニッシュ。スクーデリアにとってオランダGPはいいところがなく終わった。ドライの金曜日、雨がらみの土曜日ともパッとせず、予選ではサインツJr.がなんとか6位に食い込むも、シャルル・ルクレールはバランスの悪いマシンに四苦八苦の末クラッシュし9位。シーズン前半までは少なくとも予選での一発の速さは期待できたフェラーリだったが、オランダGPではトップスピードは速いもののコーナーで遅く、タイムに結びつかなかった。レースではサインツJr.が面目躍如の5位となるも、ルクレールはフロアにダメージを負ったマシンで走行を続けたのちリタイア。次は地元イタリアGPだが、活躍を期待できるような状況ではなさそうである。(Photo=Ferrari)拡大

スタート直後に雨の混乱、レッドブルが早々に1-2

72周のレースは、突然の雨により混乱のうちにスタートした。オープニングラップの終盤になって急に雨脚が強まったことでペレスやアルピーヌのピエール・ガスリーらがすかさずピットへ。トップのフェルスタッペンも2周目を終えインターミディエイトタイヤに履き替えたが、ラッセル、ノリス、アルボン、ハミルトンらはドライのソフトタイヤのまま走行を続行。この初動の違いがリザルトに大きな影響を及ぼすことになった。

順位が目まぐるしく変わるなか、早々にインターを装着したペレスが首位に立ち、アルファ・ロメオのジョウ・グアンユーが2位、ガスリー3位、そしてフェルスタッペンは4位というオーダー。フェルスタッペンは程なくして2位までポジションを上げると、早々にレッドブル1-2が出来上がった。一方でインターに履き替えるのが遅かったノリスやメルセデス勢は後退を余儀なくされ、明暗が分かれた。

雨はすぐにやみ、10周を過ぎる頃には再びソフトタイヤにスイッチするドライバーが現れだした。2位だったフェルスタッペンは12周目、先頭のペレスより1周先んじてソフトに変更したことで首位に返り咲き、2位ペレス、3位アロンソ、4位ガスリーという並びとなった。

16周目、サージェントのウィリアムズがスピン、ウォールにしたたかにヒットしたことでセーフティーカーが出動。22周目、フェルスタッペンを先頭にペレス、アロンソ、ガスリー、サインツJr.の順位でにレースが再開。その後フェルスタッペンはファステストラップを連発しながら、どんどんリードを広げていくのだった。

ウィリアムズをたんなる“直線がすこぶる速いマシン”とするのは間違いかもしれない。オランダGPではしっかりとコーナーでも速く、初日からアレクサンダー・アルボン(写真)が常にトップ10内に食い込み、予選では値千金の4位を獲得。さらには新人ローガン・サージェントも初のQ3進出で10位となり、チームとしては2017年のイタリアGP以来となる、2台そろってQ3に進む活躍を見せた。レースでは、アルボンがスタート直後の雨にも動じずに44周をソフトタイヤで走り、結果8位入賞。サージェントは予選に続きレースでもクラッシュの憂き目に遭った。ウィリアムズは今季これまで15点を獲得しており、コンストラクターズランキング7位につけている。(Photo=Williams)
ウィリアムズをたんなる“直線がすこぶる速いマシン”とするのは間違いかもしれない。オランダGPではしっかりとコーナーでも速く、初日からアレクサンダー・アルボン(写真)が常にトップ10内に食い込み、予選では値千金の4位を獲得。さらには新人ローガン・サージェントも初のQ3進出で10位となり、チームとしては2017年のイタリアGP以来となる、2台そろってQ3に進む活躍を見せた。レースでは、アルボンがスタート直後の雨にも動じずに44周をソフトタイヤで走り、結果8位入賞。サージェントは予選に続きレースでもクラッシュの憂き目に遭った。ウィリアムズは今季これまで15点を獲得しており、コンストラクターズランキング7位につけている。(Photo=Williams)拡大
2回目のプラクティス、アルファタウリのダニエル・リカルドが、クラッシュで止まっていたマクラーレンのオスカー・ピアストリを避けようとしてウォールに突っ込み左手を骨折。急きょレッドブルのリザーブドライバーだったリアム・ローソン(写真)がF1デビューを果たすことになった。今年は日本のスーパーフォーミュラで戦うローソンは21歳のニュージーランド人ドライバーで、レッドブルの育成プログラムのメンバー。土曜日からのぶっつけ本番、しかも予選は雨がらみと決して理想的な状況ではなかったが、マシンを壊さない程度のスピンで済み最後尾20位、ケビン・マグヌッセンがピットレーンスタートとなったことで19番グリッド。レースでも難しいコンディションながら13位完走となった。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
2回目のプラクティス、アルファタウリのダニエル・リカルドが、クラッシュで止まっていたマクラーレンのオスカー・ピアストリを避けようとしてウォールに突っ込み左手を骨折。急きょレッドブルのリザーブドライバーだったリアム・ローソン(写真)がF1デビューを果たすことになった。今年は日本のスーパーフォーミュラで戦うローソンは21歳のニュージーランド人ドライバーで、レッドブルの育成プログラムのメンバー。土曜日からのぶっつけ本番、しかも予選は雨がらみと決して理想的な状況ではなかったが、マシンを壊さない程度のスピンで済み最後尾20位、ケビン・マグヌッセンがピットレーンスタートとなったことで19番グリッド。レースでも難しいコンディションながら13位完走となった。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大
アルファタウリの角田裕毅(写真前)は15位だった。2回目のプラクティスでは5位に入るなど順調な立ち上がりとなったものの、ウェット路面で争われた予選では0.163秒差でQ3進出ならず14位。その後にルイス・ハミルトンの進路を妨害したとして3グリッド降格のペナルティーが科されてしまい17番グリッドに落ちてしまった。レースでは、スタート直後の雨の混乱に乗じて8位までポジションアップ。その後もポイント圏内に居座り続け、マクラーレンのランド・ノリス(同2番目)を真後ろに従えてのディフェンシブな走行を続けるなど健闘していたのだが、ソフトタイヤでのロングランが響いてずるずると後退、終盤に雨が降るとインターミディエイトタイヤにも手を焼いた。メルセデスのラッセルとの接触による5秒加算ペナルティーにより13位から16位に降格したものの、前でゴールしたハースのケビン・マグヌッセンがセーフティーカー中の違反で16位に降格したことで繰り上がり15位完走。チームとは事前にソフトタイヤで長く走ることを決めていたというが、ポイント獲得も十分あり得ただけに惜しい結果となってしまった。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
アルファタウリの角田裕毅(写真前)は15位だった。2回目のプラクティスでは5位に入るなど順調な立ち上がりとなったものの、ウェット路面で争われた予選では0.163秒差でQ3進出ならず14位。その後にルイス・ハミルトンの進路を妨害したとして3グリッド降格のペナルティーが科されてしまい17番グリッドに落ちてしまった。レースでは、スタート直後の雨の混乱に乗じて8位までポジションアップ。その後もポイント圏内に居座り続け、マクラーレンのランド・ノリス(同2番目)を真後ろに従えてのディフェンシブな走行を続けるなど健闘していたのだが、ソフトタイヤでのロングランが響いてずるずると後退、終盤に雨が降るとインターミディエイトタイヤにも手を焼いた。メルセデスのラッセルとの接触による5秒加算ペナルティーにより13位から16位に降格したものの、前でゴールしたハースのケビン・マグヌッセンがセーフティーカー中の違反で16位に降格したことで繰り上がり15位完走。チームとは事前にソフトタイヤで長く走ることを決めていたというが、ポイント獲得も十分あり得ただけに惜しい結果となってしまった。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

レース終盤の大雨で中断、フェルスタッペンが記録タイの9連勝達成

レースの折り返しを過ぎると、2度目のタイヤ交換に動くドライバーが出始める。46周目には2位ペレスが再びソフトタイヤを装着。49周目にはアロンソがピットに入るも、タイヤ交換に手間取りタイムロス。50周目には首位フェルスタッペンがソフトに履き直したことで、順位は1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位サインツJr.、4位アロンソとなった。サインツJr.に先行を許したアロンソだったが、瞬く間に同郷の後輩を抜き返し3位奪還。この日のアストンマーティンとアロンソには、シーズン序盤の勢いが戻っていた。

しばし小康状態を保っていた空模様が、レース終盤になってバケツをひっくり返したような大雨に転じた。61周目にペレス、続いてフェルスタッペンらが続々とインターミディエイトタイヤにチェンジ。ペレスはターン1を曲がりきれずコースオフし、アロンソが2位に上がった。

あまりにも激しい雨脚に、フェルスタッペンはフルウエットタイヤに履き替えたのだが、ジョウのアルファ・ロメオがコースオフ、バリアにヒットしたことで赤旗が出されると、レースはおよそ45分間中断した。

1位フェルスタッペン、2位アロンソ、3位ペレス、4位ガスリー、5位サインツJr.、6位ハミルトンといった隊列で、全車インターミディエイトタイヤを装着し、セーフティーカー先導で再開。残り6周となった時点で本格的なレースが始まると、千載一遇のチャンス到来とばかりにアロンソがフェルスタッペンに襲い掛かるも、一分の隙もないフェルスタッペンには歯が立たなかった。

オランダ人フェルスタッペンによる3年連続となるオランダGP制覇、しかも記録に並ぶ9連勝という快挙まで付いてきたのだから地元ファンが歓喜しないわけはない。ポールからの優勝はこれで12戦連続となり、こちらはミハエル・シューマッハーのレコードに肩を並べたことになる。

2位となったアロンソにとっては、第9戦カナダGP以来となる久々の表彰台。このレースでハミルトンが6位に終わったことで、ランキング3位のアロンソのハミルトンに対するリードは12点に広がった。

3位でチェッカードフラッグを受けたのはペレスだったが、ピットレーンのスピード違反により5秒加算のペナルティーが科され4位に転落。代わってガスリーが3位に繰り上がり、2021年アゼルバイジャンGP以来となるポディウムに立った。

各陣営とも雨に翻弄(ほんろう)されながらも、アストンマーティンは勢いを取り戻し、マクラーレンにやられっぱなしだったアルピーヌは表彰台でやり返した。相変わらずフェルスタッペンの独走は続いているが、2023年のF1がつまらないということは、決してないのである。

次の第15戦イタリアGP決勝は、9月3日に行われる。

(文=bg) 

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