ジャガーFタイプR75 P575クーペ(前編)

2023.11.12 思考するドライバー 山野哲也の“目” 山野 哲也 レーシングドライバー山野哲也が「ジャガーFタイプ」に試乗。ご承知のとおり、ジャガーの内燃機関モデルは間もなくオーダーストップを迎える。5リッターV8スーパーチャージドエンジンの最後の雄たけびが箱根の山中に鳴り響いた。
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V8にV4エンジンが乗っかってくる

「はち切れそうですね!」とレーシングドライバーの山野哲也。はち切れそう……!? 意外なフレーズに困惑するwebCGスタッフには頓着せず、「特にフルスロットルにするとスゴい。6500rpmを超えてリミッターまで一気に駆け上がる。吸い込んだ空気をそのまま燃焼させているような……。三尺玉? の花火を打ち上げたような音とパワーの炸裂(さくれつ)!!」と少々興奮気味に言葉を続ける。

いつもは冷静なニッポンのジムカーナマイスターの感情を高ぶらせたのは、ジャガー最後の内燃機関スポーツと目される「FタイプR75 P575クーペ」。アルミモノコックボディーに、その名のとおり575PSの最高出力を誇る5リッターV8スーパーチャージドエンジンを搭載したモデルだ。8段ATを介して4輪を駆動。1790万円のプライスタグを付ける。

山野:大排気量にもかかわらず、回して楽しいエンジンですね。ギアが変わる瞬間、その度にパワーがほとばしる。

webCG:そのさまが「はち切れそう」と。排気音の演出もずいぶん派手です。

山野:このクラスになると、普通は中間回転域のアウトプットを太くするのですが、このクルマはパワーの出方が特徴的です。

webCG:700N・mの最大トルクの発生回転数は3500rpm、ピークパワーは6500rpm。なるほど、パワーの伸びを堪能できそう。スーパーチャージャーの過給具合はいかがですか? ターボと比較すると、低回転域から満遍なく押し上げる印象が強いデバイスですが。

 
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