豊田自動織機が国内認証における不正の調査結果を発表 自動車用エンジンでも違反が発覚

2024.01.29 自動車ニュース webCG 編集部
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豊田自動織機は2024年1月29日、2023年に発表した現行機種のフォークリフト、建設機械用エンジンの排出ガス性能に関する国内認証での法規違反について、特別調査委員会による調査の結果を発表した。

産業車両用エンジンでも新たな不正が

豊田自動織機は2023年3月17日に、自社製品の国内認証に関して法規違反が行われていたことを発表。対象機種の出荷を停止し、フォークリフトのリコール対応などを進めてきた。また、外部有識者からなる特別調査委員会による調査も実施。2024年1月29日に、その結果を再発防止の取り組みとともに国土交通省をはじめとした監督官庁に報告した。

今回の調査により、フォークリフトや建設機械用の旧型も含めた産業車両用エンジンに加え、一部の自動車用エンジンにおいても法規違反が発覚したという。

具体的には、産業車両用エンジンでは、現在出荷を停止している現行のフォークリフト用エンジン3機種および建設機械用エンジン1機種に加え、新たにフォークリフト用エンジン6機種(うち5機種は旧型)および建設機械用エンジン1機種(旧型)において違反行為が判明。また出荷停止中の建設機械用エンジン1機種については、排出ガス規制値の超過も判明した。

違反行為の内容は、認証取得時の排出ガスの劣化耐久試験で、実測値と異なるデータを使用したり、試験中に部品を交換したりしたほか、工場での量産品の抜き取り検査を規定と異なる頻度で行い、またその際、量産品と異なる制御ソフトの使用も行われたという。

認証においてこれらの違反行為が行われた期間は、2007年から2020年。違反が判明した産業車両用エンジンの出荷台数は、累計23万3000台となっている。

トヨタ車や日野車の出力試験で不正なデータを提出

一方、自動車用エンジンについては、申請手続きの際に不正なデータを提出していたことが判明した。

豊田自動織機では、一部トヨタ車、日野車の型式指定の申請手続きに関して、出力試験を担当している。その試験の際に、燃料噴射量を調整し、出力カーブ、トルクカーブを見栄えのよいデータにするといった行為が行われていた。

不正が判明したのはいずれもディーゼルエンジン搭載車で、「1GD」を搭載した「トヨタ・ハイエース/グランエース/ランドクルーザープラド/ダイナ」および「日野デュトロ」(認証年:2017年~2021年)、「2GD」を搭載した「トヨタ・ハイラックス」(認証年:2020年)、「F33A」を搭載した「トヨタ・ランドクルーザー」で、合計の国内販売台数は2022年度で8万4000台となっている。なお、いずれの車種も今回の調査における抜き取り検査で、出荷基準値を満たしていることは確認しているという。

これらの違反行為について、豊田自動織機は「経営としての法規順守に関する危機管理意識の不足」「自立した行動様式の弱さ」「産業車両用エンジンの軽視」「事業部制の弊害をカバーするための経営陣の取り組み不足」「不合理な開発スケジュール設定、管理者層の機能不全」「出力試験の委託元であるトヨタ自動車とのコミュニケーション不足」「コンプライアンス意識の欠如」「法規を順守しつつ、開発生産を進めるために必要な組織・体制の不備」を原因として挙げている。

また再発防止に向けては、産業車両用エンジン事業の抜本的な立て直しが必要であると認識し、認証、量産プロセスの総点検を行うという。また新たに不正が発覚した自動車用エンジン事業についても、トヨタ自動車との役割分担、コミュニケーションを再構築し、再発防止に取り組んでいくとしている。

(webCG)

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