フォルクスワーゲン・ゴルフTDIアクティブ アドバンス(前編)

2025.07.31 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 モデルライフ半ばの仕様変更で、その完成度を一段と高めたとされる最新世代の「フォルクスワーゲン・ゴルフ」。では、トヨタ在籍時も含め、同モデルを長年見つめてきた多田哲哉さんは、その仕上がりをどう評価する?
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いまでも世界標準

この2025年の年明け早々に日本上陸した最新のフォルクスワーゲン・ゴルフは、2022年上陸の8代目に、約3年半分のアップデートを実施した「ゴルフ8.5」とでも呼ぶべきクルマだ。特に目立つ変更点としては“いきすぎたタッチ化と階層化”が指摘されていたインターフェイスの是正と、LEDが仕込まれた「VW」エンブレムやセンターグリルである。

エンブレムを中心に明るく輝くゴルフの最新フロントフェイスを見た多田さんは「おお、こいつはスゴい。自分のクルマがこれだけ光ったら、単純にうれしいですよね。電気自動車の時代になると、グリルもかつての“空気を取り入れる”という概念すら不要になって、デザイナーとしても悩んでいるんでしょう」。

「これとは対照的にトヨタのエンブレムには、すごく厳しいルールがあるんです。私も『86』のときにエンブレムを赤くしようとしたら『絶対にダメだ!』としかられました。ハイブリッドでエンブレムに青いシャドーを入れただけでも、最初は社内的に『失敗だった』とされたくらいですから……」

そう笑いながら走りだした多田さんは、試乗から戻ると「この連載では『ポロ』や『パサート』に乗りましたが、どのフォルクスワーゲンも、そのクラス、その時代の世界標準のようなクルマです。ゴルフなどはその象徴ともいえるでしょう」と語り出した。

「“クルマとは何か”ということを知りたい、勉強したい人が乗るには、ゴルフというのはいまだに正しいチョイスだと思います」

「新しいゴルフが出るたびに、トヨタでも大量に購入していました。そのうちの何台かはバラバラにして社内に展示されて、そこで各分野のエンジニアが自由に観察するのです。ただ、それを観察しても、何か飛び抜けて特徴があったり、ある部品が高価だったり、あるいはどこかが圧倒的に優秀というわけではないんですね。そのかわりに、全方位でそつがなく、レベルが高いんです」

 
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