ホンダが本物のフォーミュラカーを使用したドライビングシミュレーター筐体「SIM-01」を発表
2025.11.11 自動車ニュース 拡大 |
ホンダのモータースポーツ活動を統括するホンダ・レーシング(HRC)は2025年11月11日、フォーミュラマシンを用いて製作したドライビングシミュレーター筐体(きょうたい)「ホンダeMS SIM-01」を発表し、同日、販売を開始した。
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ホンダのレーサーたちが実際に乗ったマシンを使用
ホンダeMS SIM-01は、あまたのレーシングドライバーを輩出してきたホンダ・レーシング・スクール鈴鹿(HRS)の教習用フォーミュラマシンを用いて製作された、シミュレーター筐体である。20年にわたって使用され、代替わりによって廃棄される予定だった教習車両をアップサイクルしたものだ。
製品としては、上述のフォーミュラマシンのモノコックを用いた胴体部分と、フロントウイングユニット、取り外し可能なタイヤユニット、乗降時のステップも兼ねたサイドポンツーンユニット、モニターを支えるVESAマウント、サウンド/バイブレーションユニット、ハンドルコントローラー「ファナテックDDプロ」で構成される。
開発に際しては試作機を製作し、「東京オートサロン」や「エンジョイホンダ」などのイベントでハンドルを握った来場者の意見をフィードバック。もちろんスーパーフォーミュラやSUPER GTなどで活躍するレーシングドライバーにも意見を求め、リアルな操作感と臨場感のあるドライビング体験を提供できるよう、各部を煮詰めたという。
企画・開発を主導した、ホンダ・レーシング事業企画推進部 eMS開発責任者の岡 義友氏は、同機の魅力について「一番こだわったのは音とサウンド」と説明。6.2chサラウンドのサウンドシステムと低音域を担当するサブウーファーにより、エンジンやギアのうなり、ロードノイズ、風切り音などをリアルに再現しており、ソフトウエアの発する音をもとに振動を起こす専用のバイブレーションユニットとの組み合わせで、ほかの筐体では味わえない臨場感を実現したという。
また、今日活躍しているレーシングドライバーが、スクール時代に実際に搭乗したフォーミュラカーを用いている点も特徴で、岡氏は「あこがれの選手が実際に乗っていた、本物の車体に乗り込める」という情緒的価値も、SIM-01の大きな魅力として挙げた。
発表会には岡氏のほかに、レーシングドライバーでスーパーフォーミュラおよびSUPER GT GT500クラスで活躍する小出 峻選手も参加。SIM-01で鈴鹿サーキットを走行するデモンストレーションを披露するとともに、「縁石を踏んだときに振動を発生する筐体はあったが、ストレートでの車体の底突きなども再現した筐体は、自分が体験したものではこれが初めて」「アルミモノコックの筐体とは違うリアルな音と振動は、カーボンモノコックのSIM-01ならでは」と、その印象を述べた。
ホンダeMS SIM-01の販売数は10台のみで、価格は1000万円(税別)。ZENKAIRACINGのECサイトを通じて購入できるという。また観賞用のスタンド付き75インチモニターや、観覧者もコックピットの振動を体験できる「振動ステージ」などとのセットで、レンタルも可能となっている。
HRCでは実際のフォーミュラカーを用いたSIM-01のプロジェクトについて、F1エンジンのオークション出展などと同じくメモラビリア事業の一環であると説明。岡氏はSIM-01の販売やeモータースポーツの取り組みを通して「ホンダとHRCのレーシングスピリットを未来にアーカイブする」「これ一発でおしまいにするような格好悪いことはしない。今後の展開にもぜひ期待してほしい」と述べた。
【製品概要】
- ベース車両:童夢 SDH-F04
- 設置サイズ:全長×全幅×全高=3000×1700×1000mm
- 重量:200kg
- システム:6.2chサラウンドシステム/1500W振動子/サイドポンツーン内蔵サブウーファー/コンソール接続対応/PC接続対応
- 消費電力:800W
(webCG)
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