アウディA6アバントTFSIクワトロ200kW(4WD/7AT)

フォーマルでエレガント 2026.10.05 試乗記 河村 康彦 今も昔もアウディの中核を担うアッパーモデル「A6」。その最新世代の「アバント」に試乗した。堂々とした優雅なボディーに最新のハイブリッドシステムを搭載したステーションワゴンは、いかなる走りを見せてくれるのか。その実力をリポートする。
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朝令暮改のネーミングルール

アウディの上級モデルとして1968年に初代が登場した「100」を前身として、1994年の誕生以来、このブランドの中核をなすモデルとして知られてきた歴代のA6。最新の6代目は2025年の発表でブランド内でのポジションは……と分かりやすく解説していきたいのだが、これが一筋縄ではいかない。その前年の2024年に、同じA6を名乗りつつ骨格やデザインがまったく異なる電気自動車(BEV)が、同じ2ボディー構成で誕生しているからだ。

これだけでも分かりにくいのに、さらにややこしさを倍加させているのが、やはり2つのボディーで構成される新しい「A5」が1年と違わないタイミングでローンチされ、なおかつボディー骨格などの構造的には、このA5のほうが“BEVではないA6”と強い血縁関係を持っているという事実だ。

かくも難解極まりない事態に陥っているのは、2010年に定められたネーミングルール、すなわち「既存の偶数名称の基幹モデルとは一線を画す、既成概念にとらわれない新しいキャラクターのモデルに奇数名称を付与する」という決まりごとが、2023年に突如変更されたため。シンプルに「BEVは偶数でエンジン車は奇数」となったのだが、これも2025年には改定されてしまった。2021年発表の「2033年を期限に内燃エンジンの生産は段階的に廃止する」という(前のめりに過ぎた!)計画の撤回を受けての、再度のネーミングルール変更だった。

かくして今日では、改定前のルールなら「A7」と呼称されるはずだったモデルが“BEVではないA6”となり、最新のルールでは先祖がえりして「A4」となるはずだったモデルが(名称の変更が間に合わなかったのか?)、A5と名乗っているのだ。

ということで、ここに取り上げるのは日本では2026年6月に発売された“BEVではないA6”の、アウディがかねて「アバント」と呼称するステーションワゴンである。

2025年4月に世界初公開された、現行型「アウディA6」。ラインナップの中核をなすアッパーミドルモデルで、従来どおりセダンと「アバント」(ステーションワゴン)がラインナップされる。
2025年4月に世界初公開された、現行型「アウディA6」。ラインナップの中核をなすアッパーミドルモデルで、従来どおりセダンと「アバント」(ステーションワゴン)がラインナップされる。拡大
11.9インチの液晶メーター「バーチャルコックピット」と14.5インチの「MMIタッチディスプレイ」で構成されるインターフェイスは、最新のアウディではおなじみのもの。試乗車はオプションの「S lineパッケージ」装着車で、上下がフラットな異形ステアリングホイールを装着していた。
11.9インチの液晶メーター「バーチャルコックピット」と14.5インチの「MMIタッチディスプレイ」で構成されるインターフェイスは、最新のアウディではおなじみのもの。試乗車はオプションの「S lineパッケージ」装着車で、上下がフラットな異形ステアリングホイールを装着していた。拡大
これも「S lineパッケージ」に含まれるレザーと合皮のスポーツシート。新型「A6」では前席に電動調整機構とシートヒーターが標準で装備され、オプションでベンチレーション機能やマッサージ機能も用意される。
これも「S lineパッケージ」に含まれるレザーと合皮のスポーツシート。新型「A6」では前席に電動調整機構とシートヒーターが標準で装備され、オプションでベンチレーション機能やマッサージ機能も用意される。拡大
本来なら「A7」に改名しなければならなかった、アウディの“BEVではない”アッパーミドルモデルだが、再度のネーミングルール変更により、かつてのとおり「A6」と名乗れるようになった
本来なら「A7」に改名しなければならなかった、アウディの“BEVではない”アッパーミドルモデルだが、再度のネーミングルール変更により、かつてのとおり「A6」と名乗れるようになった拡大