第132回:軽EVのデザインを考える(前編) ―「スズキeスカイ」にみる“大衆車メーカー”スズキのスゴみ―

2026.10.14 カーデザイン曼荼羅 渕野 健太郎清水 草一
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いよいよ登場したスズキ初の軽乗用EV「eスカイ」。WLTCモードで97Wh/kmという優れた電費性能と、212万円からという攻めた価格設定で、世間をザワつかせているが……。
いよいよ登場したスズキ初の軽乗用EV「eスカイ」。WLTCモードで97Wh/kmという優れた電費性能と、212万円からという攻めた価格設定で、世間をザワつかせているが……。拡大

希代の凡作か? 実はすべてが計算のうちか? スズキ初の軽乗用電気自動車(EV)「eスカイ」の造形を、カーデザインの識者と考察。つかみどころのないイメージの背景にある、“大衆車メーカー”スズキの慧眼(けいがん)に思いをはせた。

デザイン的には、既出の「日産サクラ」や「BYDラッコ」などとは違い、特段とがったところはなし。一見しただけでEVと見抜くのは、難しいほどだ。
デザイン的には、既出の「日産サクラ」や「BYDラッコ」などとは違い、特段とがったところはなし。一見しただけでEVと見抜くのは、難しいほどだ。拡大
2023年のジャパンモビリティショーで発表されたコンセプトモデル「eWX」。
2023年のジャパンモビリティショーで発表されたコンセプトモデル「eWX」。拡大
同じく、2025年のジャパンモビリティショーで発表された「ビジョンeスカイ」。
同じく、2025年のジャパンモビリティショーで発表された「ビジョンeスカイ」。拡大
スズキいわく、特徴的な“弓なり”のショルダーラインは、1955年登場の「スズライト」をモチーフにしているという。
スズキいわく、特徴的な“弓なり”のショルダーラインは、1955年登場の「スズライト」をモチーフにしているという。拡大

物議をかもすスズキeスカイのデザイン

webCGほった(以下、ほった):今回は、いま話題になってる軽EVのデザインに関してお話しいたしましょ。まずは……例の問題作から。

渕野健太郎(以下、渕野):スズキのeスカイですね。みなさんどうですか? 特にスズキをすごく応援しているほったさんとしては。

ほった:いやぁ。スズキ応援団の旗持ちを自負しているワタシですが、このデザインに関してだけは、ちょっと……。なんというか、あまりに普通の軽自動車すぎません? コンセプトモデルの「ビジョンeスカイ」のときから、「これはどうなんだろう?」って気はしていたんですが。

清水草一(以下、清水):え? コンセプトカーはぜんぜんヤバいと思わなかったけど。いい感じにベーシックで。

ほった:清水さんの評価はそうなんですね。eスカイ誕生までの経緯を見ると、2023年のジャパンモビリティショーで「eWX」っていうコンセプトが出て、それが発展的に解消されて2025年にビジョン eスカイになって、それがeスカイになったって流れですよね。ワタシとしてはeWXのデザインに期待していたのもあって、ビジョン~の段階で「あれ、お天気が怪しくなってきたぞ」ってなってました。

渕野:そのコンセプトカーの段階からそうなんですけど、eスカイのデザインの特徴はショルダーなんですよ。ショルダーラインが弓なりになってるんですよね。ヘッドランプからサイドウィンドウの肩を通って、リアコンビランプまで、まっすぐじゃなくて“弓なり”なラインを描いている。そこがこのクルマのアイデンティティーでしょう。下まわりは割とスクエアで土台みたいな形にしつつ、上はちょっと遊びを入れてる。そうやって、下まわりと上まわりでボディーをサンドイッチするような構成なんですけど。ほったさんが疑問なのはどこですか? 顔ですか?