第31回:8月29日「軍隊屋で息抜き」
2007.07.01 「ユーラシア電送日記」再録第31回:8月29日「軍隊屋で息抜き」
『10年10万キロストーリー4』刊行記念!
ようやく宿も落ち着き、サンプトペテルブルクの街を散策。ネット環境も悪くないなと思いつつ仕事をしていると、今度は違うトラブルが。
仕事の合間に
今朝は、朝食後に斜め向かいの「SASラジソンホテル」のビジネスセンターで送稿。カメラマンの田丸さんが、写真のデータ量を軽くするのを忘れているのにこちらも気付かず、2時間で6カットしか送れなかった。すこしも進まない“進行状況”のバーグラフを見詰めながらジッとしているのにも忍耐力が要る。他の客がいる時はいいが、職員の若い女性3人と広くない部屋で何もしないでいるのは、けっこうツラい。
いったんそこを出て、昨晩、看板だけ見付けたサープラスショップを覗く。ロシア3軍(空軍・陸軍・海軍)からの放出品を売っていた。狭い店内になぜか現役軍人の姿もあり、賑わっている。大きな軍隊を抱えている国の放出品屋だから、陳列されている商品からはリアリティのオーラが感じられる。現役の放出品もいいが、軍服や帽子、エンブレム、徽章や勲章のアンティークなどソ連時代のものがカッコいい。
時間があったらエルミタージュ美術館に行ってみたかったが、残りの写真を送らなければならないし、原稿も書いておきたい。田丸さんとアレクセイとは2時間前に別れ、午後8時にホテルで集合するまで自由時間とする。
今度は停電
先にホテルに戻り、原稿の続きを書いていたら、いきなり停電。ニューヨークに続いて、サンクトペテルブルクもかと窓の外を見ると、他の建物では煌々と電気が点いている。停電なんて、何十年ぶりの体験。さっきまでのラジソンホテルで、iBookのバッテリーを使い果たしてしまい、原稿を書くことができない。サンクトペテルブルクって街は、ホントに毎日いろいろと苦しませてくれる。
しょうがないから外で仕事をすることに。店の内外装とシステムを、スターバックスコーヒーをまんまコピーしたような、「リパブリック・オブ・コーヒー」にでも行って続けるかと、バックパックに必要なものを詰め込んで飛び出す。原稿を書くのに都合のいいテーブルと椅子は空いているのだが、コンセントがどこにもみつからない。
そこはあきらめ、次に昨日行った「Cafe Max」という大きなインターネットカフェに向かう。真ん中が普通のテーブル席になっていて、覗いたら柱の下にコンセントがある席が空いている。コーヒーを買って戻ってきたら、その席が金持ち不良少女グループ(?)に占拠されてしまった。仕方なく、ノートに手書き。
ホテルのオバちゃんが「停電は7時にハラショーよ」とジェスチャーで伝えてくれたので、7時にホテルに戻る。7時15分に電気は復活した。
カッコイイレストラン発見
一昨日から眼を付けていた、ファサードがカッコいいカフェ&レストラン「プロパガンダ」に行ってみる。内装も、赤と黒を基調としたロシア・アヴァンギャルド調でまとめてあり、とてもカッコいい。このままロンドンやニューヨーク、東京に持ってきても評判になるだろう。しかし予約がなく、あっさり断られる。そういえば、ラジソンホテルで写真を送稿中、明らかにドイツ人と思える客が、このレストランの予約を取って欲しいとコンシェルジェに頼んでいたっけ。
踵を返し、ヒューゴ・ボスとラジソンホテルの間の大通りを行き、五差路を右に入ったところの中華料理店「Bamboo Paladice」で夕食をとる。一昨日の、ホテルの一階にあるの中華料理屋よりレベルが高く、かつ安かった。
(文=金子浩久/写真=田丸瑞穂/2003年8月初出)

-
最終回:「エピローグ」(後編) 2007.7.29 トヨタ「カルディナ」でユーラシア横断を終えたジャーナリストの金子浩久。東京で旅行を振り返る。 海外での日本人職員の対応や、ロシアの現状について考える。
-
第41回:「エピローグ」(前編) 2007.7.28 トヨタ「カルディナ」で、ユーラシア横断を終えたジャーナリストの金子浩久。ようやく東京に戻り、長かった旅行を振り返る。前編では、参加メンバーのその後の様子を報告。
-
第39回:9月11日「ユーロトンネル」(前編) 2007.7.22 ウラジオストクからロカ岬まで。「トヨタ・カルディナ」で、ついにユーラシア横断を果たした金子浩久。カメラマンと別れ、友人の待つロンドンまでパリ経由で向かう。「ユーラシア電送日記」のエピローグをおくります。
-
第38回:9月4日「ロカ岬」 2007.7.21 2003年7月31日に富山県を出発した、「カルディナ」と自動車ジャーナリスト金子浩久の一行は、ついにポルトガルに到着。最終目的地の、ユーラシア大陸最西端「ロカ岬」へたどり着くが、カルディナのゴールはまだ先だった!?
-
NEW
OEM車で自社製品らしさを出すために、多田さんだったら何をする?
2026.8.25あの多田哲哉のクルマQ&A他メーカーが開発したクルマを、自社製品として別の名前でユーザーに供給するOEM車。エンジニアの工夫次第で、オリジナルとは異なる独自の個性を出すことはできるのか? 元トヨタの車両開発者、多田哲哉さんに聞いた。 -
NEW
BMW 120オリジナル(FF/7AT)【試乗記】
2026.8.25試乗記BMWの主要モデルに新グレードの「オリジナル」が設定された。位置づけとしては新たなエントリーグレードということになるが、BMWらしさを損なうことなく装備を厳選し、価格を抑えたのがポイントだという。「1シリーズ」の「120オリジナル」の仕上がりをリポートする。 -
NEW
トライアンフ・スラクストン400(6MT)【レビュー】
2026.8.25試乗記カフェレーサーの本場である、イギリスのトライアンフがリリースした「スラクストン400」。車名のとおり、カジュアルに楽しめる400ccクラスのマシンではあるのだが、その実物からは、エントリーモデルとは思えない本物の香りが漂っていた。 -
NEW
スズキeスカイ プロトタイプ(FWD)【試乗記】
2026.8.24試乗記スズキが満を持して世に問う、軽規格の新型電気自動車「eスカイ」。軽乗用車の本質である、生活の足としてのちょうどよい性能を追求したという一台は、どのようなクルマに仕上がっているのか? 2026年秋の正式発表を前に、プロトタイプモデルに試乗した。 -
デビュー4年でどう変わる? 最新型「トヨタ・クラウン クロスオーバー」の詳細を予測する
2026.8.24デイリーコラム2022年7月のデビューから4年がたち、仕様変更が予告された「トヨタ・クラウン クロスオーバー」。では、どこがどう変わるのか? 最新型の発売を前に、さまざまな角度からポイントを予測してみよう。 -
トヨタRAV4アドベンチャー(前編)
2026.8.23思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が新型「トヨタRAV4」に試乗。ご存じのとおり今やトヨタの屋台骨を支えるSUVであり、先代モデルではグローバルでの年間販売台数が100万台に到達。世界で最も多く販売されるトヨタ車の6代目だ。箱根のワインディングロードでの印象を聞いた。