新型「マツダ・プレマシー」がデビュー
2010.07.01 自動車ニュース「マツダ・プレマシー」フルモデルチェンジ 〜NAGAREデザインを採用
マツダは2010年7月1日、コンパクトミニバン「プレマシー」をフルモデルチェンジ。同日発売した。
■イメージ一新、中身は正常進化
1999年、5ナンバーサイズのコンパクトミニバンとして登場した「プレマシー」が、3ナンバーにサイズを拡大して2代目に進化したのが2005年のこと。それから5年を経て、プレマシーが再びフルモデルチェンジ。3代目となって登場した。
新型プレマシーは、先代とほぼ同等の扱いやすいサイズを維持しながら、近年マツダが積極的に提案する「NAGARE(流れ)」造形を内外装に採用することでイメージを一新したのが特徴。基本設計やパッケージングなどは旧型をベースに正常進化を図り、また、アイドリングストップ機構の「i-stop」の採用などによって商品価値の向上を目指している。
ラインナップは、「20CS」(179万9000円)、「20E」(192万円)、「20S」(209万9000円)のFF3車タイプで、全グレードに2リッター直噴エンジンと5段ATが搭載される。「20E」「20S」には4WD車(4AT)も用意され、8月上旬に発売となる予定だ。
■NAGAREデザインを採用
新型プレマシーのボディサイズは、全長4585×全幅1750×全高1615mmで、これは従来型に比して全長で20mm、全幅で5mmの拡大にとどまった。全高と2750mmのホイールベースに変化はなく、最小回転半径5.3mという扱いやすさはこれまでどおりだ。
一方、新型のエクステリアには先代の面影はない。フロントマスクに、マツダのアイデンティティである“5ポイントグリル”を採用しスポーティさをアピールするとともに、水の流れをイメージした「NAGARE(流れ)」デザインを、フロントマスクやサイドの彫刻的なライン、リアコンビネーションからテールゲートにつながるラインなどに組み込むことで、“Seductive Smartness(誘惑する才気)”を表現したという。
先代同様、新型プレマシーもリアドアは両側ともスライドドアを採用する。標準は手動となるが、メーカーオプションとして両側電動スライドのほかに、助手席側電動スライドが選べるようになった。スライドドアの前端にタッチセンサーが追加され、挟み込み防止性能の向上が図られている。
■「6+One」パッケージを継承
NAGAREデザインは、エクステリアだけでなくインテリアにも採用されている。たとえばインストゥルメントパネルは、「コクピットからセンターパネル、助手席側ダッシュボードへと、水の波紋のようにデザインの流れが広がっていく造形」(広報資料より)とされた。一体感が強調されたインストゥルメントパネルには、従来型よりも上質な雰囲気が漂う。
ミニバンだけに、シートアレンジも大いに気になるところだ。新型プレマシーは先代同様、3列7人乗りのみの設定で、セカンドシートは左右独立タイプを採用。最大50度のリクライニングと270mmの前後スライドが可能だ。中央部には、収納可能な“カラクリ7thシート”が用意され、不要の場合には座面の下に隠された“カラクリ収納ボックス”、あるいはセンターウォークスルー機能を利用することができる。この“6+One”パッケージも先代から受け継ぐコンセプトだ。新型ではこのカラクリ7thシートを含め、全席に3点式シートベルトを採用。セカンドシートに3脚のチャイルドシートを装着することも可能である。
サードシートは左右独立可倒式で、荷物の量にあわせてラゲッジスペースを拡大することができる。
■i-stopで約7%燃費が向上
パワートレインは、2リッター直噴の“DIGI”エンジン(150ps/6200rpm、19.0kgm/4500rpm)と5段ATの組み合わせ。基本的には先代から受け継ぐものだ。「20E」と「20S」のFF車には、「アクセラ」や「ビアンテ」に搭載されるアイドリングストップシステム「i-stop」を採用し、10・15モード燃費は16.0km/リッターを達成している。i-stopを搭載しない「20CS」や、旧型で同等のパワートレインを積むモデルの燃費が15.0km/リッターであることから、約7%の燃費向上を果たしたことになる。
ちなみに、20Eと20Sでも、電動スライドドア装着すると10・15モード燃費は15.0km/リッターに留まる。しかし、重量がかさむために平成22年度燃費基準+25%を達成し、エコカー減税(75%)の対象になる。一方、電動スライドドアをオプション装着しない20Eと20Sは平成22年度燃費基準+20%、i-stopが設定されない20CSは電動スライドドアの選択にかかわらず平成22年度燃費基準+15%となり、ともにエコカー減税率は50%である。
先代モデルでは軽快な走行性能が高く評価されていたが、新型ではその基本設計を受け継ぎながら「ダイナミックな性能全体の“統一感”を実感できる、リニアなドライビングフィールを追求」(広報資料より)したという。そのために、ボディの剛性アップをはじめ、ステアリングシャフトのジョイントの改良やダンパーのチューニングの見直しなどが図られたとのこと。
このように、新型プレマシーは、従来評価が高かった優れたパッケージングや軽快な走りをさらに進化させるとともに、新鮮なデザインと燃費性能の向上によって、さらなるシェア拡大を狙う。i-stopの搭載などによって、時代の“流れ”がプレマシーに向くかどうか? その人気の行方に注目したい。
(文=生方聡/写真=峰昌宏)
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