ボルボ、オペル、フォードの見どころ【パリサロン2012】

2012.10.06 自動車ニュース 新井 一樹

【パリサロン2012】ボルボ、オペル、フォードの見どころ

ニューモデルがめじろ押しのパリモーターショー2012。「S60/V60」のヒットで波に乗るボルボは、「V40」の派生車種である「V40クロスカントリー」と「V40 R-DESIGN」をお披露目した。合わせてオペルとフォードの見どころも紹介する。

■「ボルボV40」に二つのバリエーションが登場

2012年のジュネーブショーで注目のCセグメントモデル「V40」を発表したボルボ。その派生車種である「V40クロスカントリー」は、「スバル・インプレッサXV」などと同じように、標準型をベースにSUV風に仕立てたもの。欧州で急速に高まっているSUV人気に応えるモデルである。大径タイヤの採用などによって車高を40mm高め、アンダーガード風の装飾を加えた前後バンパーやサイドステップを加えることでSUVらしい力強さを演出している。駆動方式はFFのほかに、上級グレード用として4WDも設定される。

一方、「V40 R-DESIGN」は、V40のスポーティーなイメージを強めたモデル。専用のグリルやエアロバンパーなどをセットにした、いわばパッケージオプション装着車であり、254psを誇るV40のトップグレード「T5」から、CO2排出量94g/kmの低燃費グレードにいたるまで、欧州ではすべてのグレードでR-DESIGN仕様を選ぶことができる。ボルボは今後、V40購入者のうち10%がこの仕様を選択すると予想している。

■オペルの主役はコンパクトカーの「アダム」

2006年の撤退以降、日本市場から遠ざかってしまっているオペルは、「アダム」という名のコンパクトカーを発表した。「MINI」や「フィアット500」をライバルに見据えたサブBセグメントのブランニューモデルで、ボディーサイズは全長3.7×全幅1.7m、ホイールベースが2311mm。フィアット500よりはひと回り大きく、MINIに比べると若干幅が広い。

そのたたずまいは、男っぽいフィアット500といった感じ。デザインを含め商品力は高そうなので、「フィアット500ではちょっとかわいらしすぎる」と感じていた人たちにウケるかもしれない。ただその雰囲気は、写真で見る以上にフィアット500に似ている。もう少し独自のスタイルを模索した方がよかったのではないだろうか? 厳しい経営状況を反映したものなのか、ややなりふり構わぬ印象を受けたのは事実だ。

■1リッター直3エンジンを搭載する新型「フォード・モンデオ」

ターンテーブルなど大がかりな仕掛けが一切ない質素な展示となったフォード。パリモーターショーの目玉は、第4世代へと生まれ変わった新型「モンデオ」である。

フォードは現在、セグメントごとに最良の一台を造り、それを世界に水平展開する「One Ford」という戦略を遂行している。それにともない、新型モンデオも2012年のデトロイトショーで発表された北米専用車「フュージョン」と兄弟モデルになった。これらは中身はもちろんのこと、スタイリングも基本的には同じ。ただしセダンのみのフュージョンに対し、モンデオには欧州市場の趣向に合わせてワゴンと5ドアハッチバックを追加している。

技術面での見どころは、1リッター直列3気筒ターボエンジンの採用だ。ヨーロッパ車にとってエンジンのダウンサイジングはもはや避けて通れない道だが、Dセグメント車に1リッターという小さなエンジンを搭載してくるとは驚きだ。現時点では、詳細なスペックは明らかにされていない。果たして十分なドライバビリティーを持つのか、燃費面でも大きな効果を発揮するのか、とても興味深い。

このほかフォードは、Bセグメントハッチバック「フィエスタ」のマイナーチェンジモデルや、商用車ベースの多目的車「トルネオ コネクト」の新型をお披露目した。

(文と写真=新井一樹)

「ボルボV40クロスカントリー」
「ボルボV40クロスカントリー」 拡大
「ボルボV40クロスカントリー」
「ボルボV40クロスカントリー」 拡大
「ボルボV40 R-DESIGN」
「ボルボV40 R-DESIGN」 拡大
「オペル・アダム」
「オペル・アダム」 拡大
「フォード・モンデオ」のセダン仕様。
「フォード・モンデオ」のセダン仕様。 拡大
「フォード・フィエスタ」
「フォード・フィエスタ」 拡大
「フォード・トルネオ コネクト」
「フォード・トルネオ コネクト」 拡大

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