スバル・レガシィアウトバック3.6R(4WD/5AT)【ブリーフテスト】
スバル・レガシィアウトバック3.6R(4WD/5AT) 2009.08.28 試乗記 ……392万1750円総合評価……★★★★
「ツーリングワゴン」「B4」と同時に全面改良を受けたクロスオーバーモデル「アウトバック」。プラットフォームが一新された新型の実力は? 国産唯一の水平対向6気筒エンジンを搭載する3.6リッターモデルを試した。
アメリカにジェラシー
レガシィというと、真っ先に思い浮かぶのは「ツーリングワゴン」だけれど、それはあくまで日本での話であって、日本の倍以上を販売する北米では「アウトバック」が圧倒的な人気を誇る。日本と北米を合わせても、アウトバックの販売台数が半数以上を占めるという。ちなみに、北米市場にツーリングワゴンはない。
好き嫌いはともかく、今度のレガシィで一番サマになっているのはアウトバックだと私は思うのだが、これはスバルの狙い通りなのだろう。“クロスオーバー”のパイオニアとして、アメリカでは根強い人気を誇るアウトバックを、これまで以上に押し出しが強く、存在感の高いモデルにしたい……。そんなデザイナーの意図が伝わってくるスタイリングだ。
それだけに、海の向こうのお得意様にはウケは良さそうだし、走りやパッケージングも余裕十分なのだが、一方、日本で使うには、やはりサイズはもう少しコンパクトなほうがいいし、エンジンもここまで贅沢である必要はない。これをゆとりと見るか、過剰と取るかは人それぞれだと思うが、アウトバックを含め、アメリカ色を強めたレガシィに戸惑いを覚えるのは、おそらく私だけではないだろう。クルマの出来がいいだけに、アメリカにレガシィを奪われた“嫉妬心”が、そんな思いにさせるのかもしれないが。