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【スペック】全長×全幅×全高=3714×1683×1414mm/ホイールベース=2467mm/車重=1230kg/駆動方式=FF/1.6リッター直4DOHC 16バルブターボ(175ps/5500rpm、24.5kgm/1600-5000rpm)(欧州仕様車)

MINIクーパーS コンバーチブル(FF/6MT)【海外試乗記】

桜の季節が待ち遠しい 2009.02.13 試乗記 島下 泰久 MINIクーパーS コンバーチブル(FF/6MT)

「MINI」のハッチバック、クラブマンに続き、コンバーチブルも新世代モデルに移行した。人気のオープンモデルの屋根を開け、雪の降るオーストリアで試乗した。
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雪でも、オープン!

現在日本では、まだ先代モデルのままで販売されている「MINIコンバーチブル」が、いよいよ新型へと移行する。キャッチコピーは「ALWAYS OPEN」。その心は、せっかくのコンバーチブルなのだから、毎日オープンで乗ろうということだ……といったわけで、なんとその国際試乗会はオーストリア東部のヴィラッハにて、雪の降る中で行われたのだった。

外観で目をひくのは、先代では後席の背後に固定されていたロールバーが、横転などの危険を感知すると瞬時に伸びる、格納式へと変更されたこと。おかげで普段はほとんど目立たなくなり、オープン時のリアビューはこれまでより随分とスッキリした。
そのほかの部分は、まさしく現行MINIそのもので、特に目新しい部分はない。念のため書き足しておけば、ルーフは当然ソフトトップのままである。

小雪の中、それでもワンタッチでルーフを開けて運転席へ乗り込む。角度の立てられたAピラーがもたらす開放的な視界は従来と変わらず、ちょっと上を見上げれば、天空から雪の粒が舞い落ちてくるのが視界に入る。一方、格納式ロールバーの採用で期待した後方視界は、相変わらず今ひとつ。トップの折り畳みかたを変えない限り、これは仕方ないのだろう。まあしかし、このクルマの場合、大事なのはまずルックス。後方が見えにくいぶんは、いつも以上に気をつけて走ればいいというだけのことだ。

視線をメーターパネルに移すと、面白いものを発見した。眼前の回転計の隣に置かれているのは、その名も「ALWAYS OPEN METER」。ルーフを開けた時間をカウントするだけがその役割だが、いかにもMINIコンバーチブルらしい遊び心を感じさせるアイテムだ。ちなみに、これはオプションである。


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クリックすると「ALWAYS OPEN METER」が見られます。
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面白みがあるエンジンではないが……

試乗車として用意されていたのはクーパーSの6段MT仕様で、足元には17インチのウィンタータイヤ。試乗コースの路面は良くてウェット、大体が積雪した状態だったから走りの印象は限定的なものになるが、ネガティブな要因として思い出されるものは、なにもなかったと言っていい。

1.6リッター直噴ターボエンジンはごく低回転域のトルクが細めだが、いったん動き出してしまえば、あとはなにも不満はない。その後の徹頭徹尾フラットな特性は面白みこそ無いものの、雪の中、相当慎重に走らなければならない場面でも、こういう特性だとほとんど神経を使う必要がないのも事実。高めのギアに入れておけば、まるでATのように使えて、ステアリング操作に集中していられる。

シャシーに関しては、ステアリングフィールの良さに唸らされた。路面状況が刻々と変化し、前輪のスリップも頻発する中、掌にはその状況がありありと伝わってきて、リラックスしてステアリングを握っていられるのだ。電動パワーステアリングもここまで来たか……とあらためて感心してしまった。

格段に増した快適性

コーナリング云々は、そんな状況だったので語る言葉を持たないが、走らせていて感じるレスポンスと乗り心地、あるいは騒音や振動などのバランスの良さという意味では、オープン状態のほうがまとまりが良かったように思う。ソフトトップなので仕方ないが、閉めるとなんとなく空気がざわつく感じがあるのだ。とはいえ、それはあくまで比較してみればという話。いずれにせよ、特に乗り心地の面では、リアの突き上げが気になる現行モデルに比べて、格段に快適性を増しているのは事実だ。

走りっぷりにはいささかの不満もなく、乗り心地も上々。容量が従来より5リッター増したラゲッジスペースはクローズ時で170リッター、オープン時でも125リッターの容量を確保しており、つまりオープンにしていても2人分のバッグぐらいは軽く飲み込む。ヒーターは強力だしシートヒーターもある。先代と同じく、太腿あたりは冷えるので特に女性はなんらかの対策をした方がいいと思うが、今回は結局、雪の時折強く降るなか、本当にほとんどオープンのままで走り切ってしまった。そんなわけで実際に試してはいないのだが、ソフトトップは30km/h以下なら走行中でも閉じることが可能だということも付記しておこう。

なるほどたしかに1年を通して楽しめそうな、この新型MINIコンバーチブル。雪ではなく、桜の花びらが舞う頃には日本にやってくるということだ。

(文=島下泰久/写真=BMWジャパン) 

島下 泰久

島下 泰久

モータージャーナリスト。乗って、書いて、最近ではしゃべる機会も激増中。『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)、『クルマの未来で日本はどう戦うのか?』(星海社)など著書多数。YouTubeチャンネル『RIDE NOW』主宰。所有(する不動)車は「ホンダ・ビート」「スバル・サンバー」など。

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