第381回:一足お先に新型ベンツEクラスをチェック!
つくづく“安全はカネで買える”の法則
2009.01.14
小沢コージの勢いまかせ!
第381回:一足お先に新型ベンツEクラスをチェック!つくづく“安全はカネで買える”の法則
安全てんこ盛りの新型Eクラス
さて、新年リポートは連続して去年のやり残しです(笑)。貯まってた面白ネタから“貯金を突き崩す”ように報告いたしましょう!
というのもね。年末に俺はドイツのライプツィヒまで行ってたのだ。そこで行われたのがメルセデス・ベンツ主催の「Tec Day Real Life Safety」。ようするに世界トップレベルというメルセデスの最新安全技術お披露目会なのだが、実は真の目的は新型Eクラスの紹介だったのだ。つまり「今度のEクラスはこんなに安全なクルマになりますよ!」という内容なのである。
ちょっとデトロイトショーのワールドプレミアに間に合わなかったけど、いち早く近づいた人間として、細かく安全装備を紹介します(笑)。
新型Eクラスにはとにかく沢山の最新ハイテク安全デバイスが搭載されるそうで、その一つが進化した「プリセーフブレーキ」。これは前を走るクルマを3つのレーダーで捉え、衝突前にあらかじめ自動でブレーキをかけるモノだ。すでに2006年モデルから実用化がなされていたが、今回2009年モデルでさらに進化し、衝突の約0.6秒前を予測してフルブレーキをかけ、衝撃を大幅に低減してくれるようになった。
また「ナイトビューアシスト」は文字通り赤外線カメラで夜間の視界を確保してくれるもので、「アクティブボンネット」は今流行の歩行者保護システム。歩行者が衝突する直前にボンネットがハネ上がり、衝撃を低減してくれるもの。他メーカーもやっているが、ベンツ流が違うのは、スプリング等を使った機械式を採用しているため繰り返し使える点だ。
そのほか、走行中に斜め後ろのクルマを判断して警告してくれる「ブラインドスポットアシスト」やら、日本車ではお馴染みのステアリング制御システムの「レーンキーピングアシスト」まである。
この道路、何キロ制限?
いろいろあるなかでも俺がユニークだと思ったのは「スピードリミットアシスト」。コイツは走行中に道路の速度制限標示を読み、モニターに投影してくれるもの。ようするに常に「この道が何km/h制限か?」なんて把握してる人はけっこう少ないでしょうが、それを助けてくれる。
それから「インテリジェントライトシステム」も、都会生活者にはやや関係は薄いながらもなかなかスゴい。コイツは単純にハイとローでしか切り替えられない従来のライトを進化させたもので、前を走るクルマを自動的に確認し、ギリギリ迷惑にならない範囲でビームの照射角を変化させて路面を照らしてくれる機能を持つ。これは本当に追従性が素晴らしかったし、郊外では役に立つと思った。
さらに、正確な名前は忘れたけど「眠気防止システム」も興味深い。コイツはステアリング操作を初めとする70個以上の運転系パラメータを読み、「ドライバーが眠そうだな」と判断したら、音と警告で知らせるというシロモノ。ステアリングを急激に切り始めたり、眠いドライバーがやりそうな行為で、状況を読み取るのだという。
付加機能ではない、基本骨格の安全性能も当然強化されている。新型Eクラスは、ベンツシリーズで初めてAピラーからBピラー、Cピラーに加えてルーフメンバーにまですべて高価で強度の高いボロン合金を使い、ボディ剛性を高めているのだ。当然のように、ニーエアバッグを含む9エアバッグなども標準で備えている。
そう、実はEクラスがスゴいのはこの手のハイテク&基本安全装置をほぼすべて標準で備えるところ。もちろんそのぶん高いわけだが、まさに“安全はカネで買える”ものであり、安全と教育にお金がかかるのは現実なのだ。世の中、お金持ちはいろんな意味で有利だね。
やはり時流の、イカついデザイン
とはいえ、実は最後に印象に残ったモノと言えば、やはり新型Eクラスのデザイン。すべて見ることはできなかったが、一部実験車両で垣間見たところ、ハッキリ言って一昨年出たCクラスの“イカつい路線”の踏襲だ。
実はメルセデスは一昨年の新型Cクラスに始まり、マイチェンのSLクラス、そしてコンパクトSUVのGLKと続けて無骨系のデザインを採用してきている。それは2000年前後に採用したフェミニン路線に対する確実な反動なようで、やはり「ベンツは力強く、無骨でないと!」というユーザーの希望に応えたよう。
たしかに新型Eクラスは、全体的に角張り、リアフェンダーにちょっとした“サーフィンライン”のようなマッチョなテイストが加えられ、優しいひょうたん型ヘッドライトの代わりに四角い4つ目ライトを採用している。力強く、男らしい。でも、“美しい”のは旧型かな? ま、好みは人それぞれだけど、つくづく流行は移り変わるモノ。面白いよね。
(文と写真=小沢コージ)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
-
第454回:ヤマダ電機にIKEAも顔負けのクルマ屋? ノルかソルかの新商法「ガリバーWOW!TOWN」 2012.8.27 中古車買い取りのガリバーが新ビジネス「WOW!TOWN」を開始。これは“クルマ選びのテーマパーク”だ!
-
第453回:今後のメルセデスはますますデザインに走る!? 「CLSシューティングブレーク」発表会&新型「Aクラス」欧州試乗! 2012.7.27 小沢コージが、最新のメルセデス・ベンツである「CLSシューティングブレーク」と新型「Aクラス」をチェック! その見どころは?
-
第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ 2012.6.22 自動車開発のカギを握る、テストドライブ。それが限られた道路環境で行われている日本の現状に、小沢コージが物申す!?
-
第451回:日本も学べる(?)中国自動車事情 新婚さん、“すてきなカーライフに”いらっしゃ〜い!? 2012.6.11 自動車熱が高まる中国には「新婚夫婦を対象にした自動車メディア」があるのだとか……? 現地で話を聞いてきた、小沢コージのリポート。
-
NEW
BYDシーライオン6(FF)
2026.3.6JAIA輸入車試乗会2026“中国の新興ブランド”BYDにあこがれは抱かずとも、高コスパの評判が気になる人は多いだろう。では、日本に初導入されたプラグインハイブリッド車のデキは? 初めて触れたwebCGスタッフがリポートする。 -
NEW
実に3年半ぶりのカムバック 「ホンダCR-V」はなぜ日本で復活を果たしたのか?
2026.3.6デイリーコラム5代目の販売終了から3年半のブランクを経て、日本での販売が開始された6代目「ホンダCR-V」。世界的なホンダの基幹車種は、なぜこのタイミングで日本復活を果たしたのか? CR-Vを再販に至らしめたユーザーの声と、複雑なメーカーの事情をリポートする。 -
NEW
「ジープ・アベンジャー4xeハイブリッド」発表会の会場から
2026.3.5画像・写真ジープブランドのコンパクトSUV「アベンジャー」に、4WDのハイブリッドバージョン「アベンジャー4xeハイブリッド」が追加された。その発表会(2026年3月5日開催)の場に展示された同モデルの外装・内装を写真で紹介する。 -
NEW
スバル・トレイルシーカーET-HS プロトタイプ(4WD)【試乗記】
2026.3.5試乗記スバルから本格的な電気自動車の第2弾となる「トレイルシーカー」が登場。前後のモーターから繰り出すシステム最高出力はドーンと380PS。ただし、それをひけらかすような設定にはしていないのがスバルらしいところだ。スノードライブの印象をお届けする。 -
NEW
ホンダ・インサイト
2026.3.5画像・写真4代目はまさかの電気自動車(BEV)! ハイブリッドからBEVへ、4ドアセダンからSUVへと変身して、「ホンダ・インサイト」が復活を遂げた。ドアトリム/ダッシュボードヒーターにアロマディフューザーと、新たな快適装備を満載したその姿を、写真で紹介する。 -
BYDシーライオン7 AWD(4WD)
2026.3.5JAIA輸入車試乗会2026堂々たるスタイルにライバルの上をいくパワーと一充電走行距離、そしてざっくり2割はお得なプライスを武器とする電気自動車「BYDシーライオン7」。日本市場への上陸から1年がたち、少しずつ存在感が増してきた電動クーペSUVの走りやいかに。





























