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第444回:遂に初潜入「オートエキスポ2012」 知られざる自動車大国、インド!!(前編)

2012.01.18 小沢コージの勢いまかせ!

第444回:遂に初潜入「オートエキスポ2012」知られざる自動車大国、インド!!(前編)

「!」だらけのデリーショー

「百聞は一見に如かず」とはよく言ったものよ。ウワサにゃ聞いてたけど、久々に大ショックを受けてしまいましたぜ。俺にとっても人生初インド、首都のニューデリーで開催されたモーターショー「AUTO EXPO(オートエキスポ)2012」!!

今回で11回目だとかで、1986年からやってるって事実にも驚いたけど、なにより内容よね。展示方法からして他国とは全然違うのよ。会場になったPragati Maidanはニューデリーの中心部にあって展示面積約11万5000平方メートル。広さそのものは東京ビッグサイトの半分ほどだが、建物はだいたいメーカーごとに分かれていて、自動車メーカーだけで18棟、パーツメーカーは7棟もある。2〜3社でひとつにまとまってるところも中にはあるが……住宅展示場じゃあるまいし、見て回るのがやたらめんどくさい。数字を確認したわけじゃないけれど、会場の敷地面積は、昨年東京モーターショーの会場になった「東京ビッグサイト」よりはるかに広いんじゃないかしら!?

それから、インドで展開されてるブランドがこれほど多いとは思わなかった。海外の最大勢力たる日本メーカーは、スズキの合弁会社マルチスズキを筆頭に、トヨタ、ホンダ、日産、三菱の5社。なんか寂しいな? と思ったら、マツダもスバルもダイハツもまだ来てない。日産にしたってクルマを売り始めたのは2007年からで、現地生産のスタートが1年半前。さらにデリーショーへの出展自体は今回がお初だそうだから、俺と同じじゃんか(笑)。
日産の常務執行役員、中村史郎さんも「インドは初めてじゃないけど、デリーショーを見るのは僕も初めて。これからがんばりますよ」とのことだ。

そのほか、ドイツ勢がメルセデス・ベンツにBMW、フォルクスワーゲン、アウディの4社。北米がGM、フォードの2社で、フランスはルノーとプジョー&シトロエン、イタリアはフィアット。韓国はヒュンダイのみで、あとは事実上のドイツ系のチェコメーカー シュコダと、地元ビッグディーラーが入れてるフェラーリなど、一部セレクトされた高級ブランドのみ。国際化が進みつつあるとはいえ、まだまだこれからなのだ。

「AUTO EXPO(オートエキスポ)2012」、通称デリーショーの会場入り口にて。
「AUTO EXPO(オートエキスポ)2012」、通称デリーショーの会場入り口にて。 拡大
AUTO EXPOの展示会場は、戸建のパビリオンの集合体。まるで万国博覧会のたたずまいである。
AUTO EXPOの展示会場は、戸建のパビリオンの集合体。まるで万国博覧会のたたずまいである。 拡大
現地の乗用車シェアNo.1を誇る、スズキの合弁会社マルチスズキ。中西眞三社長自ら、コンセプトカー「XAα」を披露した。
現地の乗用車シェアNo.1を誇る、スズキの合弁会社マルチスズキ。中西眞三社長自ら、コンセプトカー「XAα」を披露した。 拡大
ドイツ勢の姿も。写真は、BMWのコンセプトモデル。
ドイツ勢の姿も。写真は、BMWのコンセプトモデル。 拡大

地元ブランドは個性派ぞろい

それよりインド車には驚いたわ。代表的なのは、世界的に有名なタタのほか、商用車に強いマヒンドラ&マヒンドラ、さらにヒンドゥスタンなど。バイクメーカーでは、最近ホンダの別離で話題になったヒーローや、三輪最大手のバジャジなんかもある。
でね、ヒーローは2010年にホンダと別れたばかりだけあって、実車もホンダっぽいけど、タタもマヒンドラもヒンドゥスタンも、超個性的で他のどれにも似ていない。

例えば10万ルピー(20万円弱)カー「ナノ」で有名な財閥系のタタ。「ナノ」は最近、火災事故などが多発して販売が落ちてるらしいが、街なかじゃ1998年に発売された初のインド国産車、コンパクトハッチ「インディカ」とそのセダン版の「インディゴ」が結構出回ってて、私も空港からタクシーで乗りました。

正直、クオリティーはイマイチで鉄板もペナペナではあるけど、ちゃんと走るのよね。サイズ的にもグローバル展開できるBセグメントカーということもあって、昔の日本の軽自動車よりかなりマシ。というか、コイツは一部イギリスなんかに輸出されてたりするから安全性もソコソコあるんでしょう。

それより驚いたのが、素性はよくわかんないけど、「SUMO」ってSUVと、今回“STORME”ってサブネームが新たに付いた「サファリSTORME」ってSUVで、なにこの名前? って地元インド人に聞いたら「SUMO」は本当に日本の相撲から取ったもので、理由は「ボディーが大きいから」。「サファリ」は昔からあって、じゃぁ「日産サファリ」は……? 「そんなの知らない」とか。ドメスティックは、何でもアリだよね(笑)。

価格の安さで知られた「タタ・ナノ」には、CNGも使える新バージョンが登場。
価格の安さで知られた「タタ・ナノ」には、CNGも使える新バージョンが登場。 拡大
こちらはマヒンドラ&マヒンドラのグループ会社マヒンドラ・レバ社の電気自動車。
こちらはマヒンドラ&マヒンドラのグループ会社マヒンドラ・レバ社の電気自動車。 拡大
「SUMO」。名前の由来は、ホントに日本の相撲から。
「SUMO」。名前の由来は、ホントに日本の相撲から。 拡大
「サファリSTORME」。
「サファリSTORME」。 拡大

「オールド」と「ニュー」の不思議な混在

一方、タタの「ナノ」にはエコなCNGで走れるバイフューエル版のコンセプトが新たに加わったし、クリーンディーゼルコンセプト「ピクセル」も登場。「インディゴ」には新たにスタイリッシュなボディーをまとった「インディゴ・モンザ」が追加され、そのハイブリッドコンセプトまで登場してるのは驚いた。どこまでちゃんとしてるのかはわからないが、今やタタの傘下にはジャガーがいるし、どのメーカーがどこをバックアップしてるかわからない。

あとはなんといっても、“続10万ルピーカー”「バジャジRE60」だよね。オート三輪じゃ最大手の同社が作ったもので、正確な価格は発表されてないが、スペック的にみてあのタタの対抗馬なのは間違いなし。いや、タタよりシンプルで安そうだ。なんせ4人乗りでありながら、ボディーは全長2752×全幅1312×全高1650mmと、全高以外はナノより小さく、車重は樹脂を多用したおかげで400kg台に抑えられている。エンジンも排気量がわずか200ccで、出力は20psだ。

残念ながら実車に触れることはできなかったが、作りはシンプルこの上なく、衝突安全性こそ期待できないが、ある意味“そぎ落とされた美”を感じた。“現代のシトロエン2CV”と呼びたいくらいだ。

実際、シンプルなだけに燃費性能はすごく良く、トップスピードが75km/hに抑えられたことと相まって(というかそれしか出ない?)、リッター35km。CO2排出量は60g/kmに抑えられ、このままヨーロッパに持っていったら、燃費に限ってはバカウケ間違いなし。面白いよね。

同時にすごいと思うのは、そういうインドのニューファッションを見ながら、オールドファッションも見られるということ。例えば、1940年代に創業されたインド最古のメーカー ヒンドゥスタンを忘れちゃいけない。シェアは今では0.4%ぐらいしかないそうだが、一部三菱車のライセンス生産を行っているのと、当時から始められた「モーリス・オックスフォード」ベースの「アンバサダー」の生産は驚くことに今も続けられている。
事実、今回も街角でタマに見かけ、タクシー運転手に聞いたら「軍関係者が乗ってるよ」とのこと。この「オールド」と「ニュー」の融合は他の国ではなかなかないところでしょう。(後編につづく)

(文と写真=小沢コージ)

タタの展示会場。英国ブランドのジャガーやランドローバーの垂れ幕も並べられた。
タタの展示会場。英国ブランドのジャガーやランドローバーの垂れ幕も並べられた。 拡大
跳ね上げ式ドアが特徴の「タタ・ピクセル」。
跳ね上げ式ドアが特徴の「タタ・ピクセル」。 拡大
「バジャジRE60」
「バジャジRE60」 拡大
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