第62回:電動アシスト自転車はメタボに有効? YAMAHA PAS 08モデル試乗会
2008.03.04 エディターから一言第62回:電動アシスト自転車はメタボに有効? YAMAHA PAS 08モデル試乗会
すでに15年の歴史あり
電動アシスト自転車を世界で初めてリリースしたのはヤマハ。それは1993年のこと。すでに初代登場から15年も経過している。
ジマンじゃないがリポーターは、デビューしたばかりの初代PASに乗ったことがある。仲のいい友達のお母さんが買い物用に買ったもので、当時中学生だったリポーターはその加速に大はしゃぎ! すぐ、力強く反応するその動きがまるでドッカンターボみたいだったからだ。
2008年2月19日、神宮外苑周辺でPASの試乗会が開かれた。今回の試乗車は、もちろん発売されたばかりの2008年モデル。アシストの切り換えを自動で行う「オートエコモードプラス」の制御がよりきめ細かくなったほか、バッテリー性能の向上が図られた。従来モデルよりパワフルになり、もっと遠くまで行けるようになったのだ。あわせてバッテリー寿命も15%ほど向上(約2年は初期性能を維持)したという。
「ドッカンターボ楽しみだなぁ♪ニヒヒ……」とサドルにまたがる。モーターの電源をON。PASには3段のギアが付いている。まずは1速にしてペダルに力を込めた。
24km/hまででございます
08モデルも、記憶の中の電動アシスト自転車と同じだった。体が後ろへ「ぐっ!」と置いてかれる。自分の体よりも自転車が先に出るような感じだ。1速でアシストをONにしておくとかなり強力にアシストが利く。お母さんの買い物袋があまりにも重いときや、心臓破りの登り坂以外では2速または3速発進でも充分。
しばらく走っていると……
「アレレ、なんだこの抵抗感は?」
アシストをONにして漕ぎ始めると、ラクにそこそこ速いペースを維持できる。快適だ。だが、一定の速度に達するとペダルに抵抗を感じるようになる。その後はいくら踏み込んでもスピードは上がらない。
「法的な問題がありまして。アシストするのは24km/hまででございます」とは、ヤマハのスタッフの方の弁。道路交通法に電動アシスト自転車の定義があり24km/h以上でアシストする場合はナンバーを取付けなければならないのだ。つまり原付扱い。いうまでもなく、あまりにスピードが出過ぎては危ないからだ。これは、他社の電動アシスト自転車でも同様。
ちなみに、かつてはケイリンPASというモデルもあった。競輪先導車用としてなんと60km/hまでアシストされる。市販モデルのPASは、人力対モーター補助力は1:1未満。だが、ケイリンPASでは1:2と、倍以上の補助力を発揮したのだった。必要とされるペダル踏力の1/3の力でかなり力強い走行が可能なのだ。もちろん、公道では走れない。
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実は有酸素運動に有効
08モデルの説明を聞いていると、説明員の口からびっくりするような言葉が発せられた。
「電動アシスト自転車は、普通の自転車より有酸素運動に有効なんです」
脂肪を燃焼させる有酸素運動とは「ある程度の時間継続して行う軽めの運動」。普通の自転車よりも負荷の少ない電動アシスト自転車の方が気楽に長く乗れる。かえって有酸素運動に効果的なのだという。耳よりな情報!!
現在、販売の主流は「ママチャリ」型のリチウムイオンバッテリーを搭載したモデル。10万円弱。ほかにも小径ホイールのスタイリッシュなものや、業務向けのモデルなど用途に応じて幅広くラインナップされる。ガソリン価格は高いし、駐車違反の取り締まりが強化されたこともあって電動アシスト自転車への注目は年々高まっている。市場は10年間でほぼ10倍になった。
ヤマハのPASシリーズに関しては「他社にあるような折りたたみ式やマウンテンバイク型のモデルもあればなぁ」と思った。それはともかく、メタボ対策のために密かに自転車通勤を考えていたリポーターにとっては、有酸素運動に有効な点、力強い加速、手ごろな価格、さらには小径ホイールのカッコいいモデルまであるので「これ、いいかも」と、ちょっと心揺れる試乗会なのだった。
(NAVI山田侑右/写真=田沼 哲)

山田 侑右
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