メルセデス・ベンツB170 (FF/CVT)【試乗記】
狙い目モデル 2008.02.21 試乗記 メルセデス・ベンツB170 (FF/CVT)……307万3000円
「Aクラス」の兄貴分として、ひとまわり大きいボディで登場したコンパクトワゴン「Bクラス」。使い勝手のよいベンツのエントリーモデルに試乗した。
よくできた兄貴
「Aクラス」をベースに、ホイールベースやリアのオーバーハングを伸ばし、流行のミニバン風スタイルを手に入れたのが「Bクラス」だ。当然、駆動方式は横置きのFFで、斜めに置かれたエンジンが万一の事故(正面衝突)の際に二重構造のフロア下に滑り込むという「サンドイッチコンセプト」もそのまま受け継がれている。
そのサンドイッチコンセプトとコンパクトなパワートレインのおかげで、4270mmの全長に対してホイールベースは2780mmと長く、おかげでキャビン、とくに後席のスペースは余裕たっぷり。さらに、荷室も広く、いざというときにはリアシートを倒してスペースアップを図ることができるなど、ワゴン並みの機能性も備えている。用途に応じて荷室のフロアボードの高さが2段階に変えられるのはAクラス譲りで、後席を倒したときフロアボードを上の位置にすれば、フロアがフルフラットになるのも便利である。
そんな特徴を持つBクラスの日本でのラインナップは、1.7リッター直列4気筒を積む「B170」と2リッター(正確には2034ccで2リッターをわずかに上回る)の「B200」。そして、そのターボ版の「B200ターボ」の3タイプ。このうち、今回試乗したのがエントリーモデルのB170で、ほぼ300万円という価格や、B200やB200ターボに比べて自動車税が安く上がるという点では、狙い目のモデルといえる。
よく走る1.7リッター
いざ試乗ということで運転席のドアを開けると、見かけによらずフロアが高いことに気づく。側面衝突時にも有利といわれる二重構造のフロアだが、乗り降りが少し面倒なのが玉にキズだ。運転席に収まってしまえば、ドイツ車らしいシンプルなインパネが心を落ち着かせてくれる。
さっそく走り出すと、最高出力116ps/5500rpm、最大トルク15.8kgm/3500〜4000rpmと控えめなスペックを掲げる1.7リッターが、意外に活発なことに驚く。
それは“オートトロニック”と呼ばれるCVTの効果もあるのだろう、トルクに余裕こそないものの、アクセルペダルを踏む右足の動きに即座に反応し、必要十分な加速を引き出すパワートレインはとても効率的。加速時にエンジンの回転上昇が先行するといったCVT臭さもうまく抑え込まれていた。
乗り心地もメルセデスの名に恥じない快適さと落ち着きを誇り、高速巡航時のフラット感も十分。ステアリングが軽いのと、背が高いぶん、ロール方向の揺れが気になるが、ふだんの足として使うには十分及第点が与えられる。
Aクラスとともに、メルセデスのエントリーモデルとして安心してオススメできるBクラス。スリーポインテッドスターとカジュアルに付き合うにはお手頃なモデルといえるが、メルセデスの魅力はまだまだ奥が深いことはお忘れなく!
(文=生方聡/写真=峰昌宏)

生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
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