MINIクーパーS ロードスター(FF/6MT)【海外試乗記】
シャレのきいたオープン 2012.02.16 試乗記 MINIクーパーS ロードスター(FF/6MT)間もなく日本に上陸する「MINI」シリーズ初の2シーターオープン「MINIロードスター」。MINIにおいてロードスターとはいったいどんな存在なのか。ポルトガルはリスボンで試乗した。
イギリス的発想
「3ドアハッチバック」に「コンバーチブル」、「クラブマン」に「クロスオーバー」……と、見ているこちらが心配になるほど拡大するバリエーションにあって、第5のミニとなる「クーペ」は今までのそれとは一線を画する特殊なクルマだ。
実用性を削(そ)ぎ落として2シーター化された上に50mmもチョップされた全高。その低重心化に加えて、はっきりと固められたアシを与え、持ち前のゴーカートフィールをより先鋭化させるという手法は、運動性能向上の定石と言えなくもない。
が、そのたたずまいは相当に個性的だ。ピラーを13度寝かせてしつらえたキャビンにちょこんと載るルーフは、さながらクルマに帽子でもかぶせたようなデザインで、ボディーとの統一感をあえて嫌っているようにも見える。そのとってつけたかのようなフォルムに、ブリティッシュクラシックの姿を重ねるのは古くからのクルマ好きだけだろうか。
そう、ミニクーペが往年のライトウエイトスポーツのオマージュであれば、必要なのはロードスターだ。第6のミニとなるそのクルマは、僕にとってはまずそういうものに映る。順序こそ逆転したものの、ミニの体でそれをやるというしゃれも含めて、この2台にミニの精神的故郷であるイギリスをもっとも強く感じるというのは、裏返せば彼らの術中にまんまとハマっているのかもしれない。