第332回:コージのミニバン未来予想図
ヴォクシー対策は「禁断の4列シート」でキマリ!?
2007.08.15
小沢コージの勢いまかせ!
第332回:コージのミニバン未来予想図ヴォクシー対策は「禁断の4列シート」でキマリ!?
かなり思い切ってる!
うーん、怖い。怖すぎるぜトヨタ!
先日、試乗会でヴォクシー&ノアに乗った俺だけど乗るなりプチっと衝撃を受けてしまいました。
タカくくってたのよね。写真で見る限り、懐かしい「シーマン」もビックリのニラミ顔はともかく、基本的なスタイルには箱型5ナンバーミニバンの限界を感じるし、エンジンもBMWがいち早く先鞭をつけたバルブマチックなるハイテクをいち早く導入してるものの、燃費はともかく数字を見る限り群を抜いてパワフルということもない。
このジャンルは、いまやヴォクシー&ノアのひとり勝ち。“元祖”ホンダ・ステップワゴンは片側スライドドアにこだわったりスタイルを不良系にイメチェンしてるうちに勝手に置いてかれ、日産セレナも大きめのボディサイズでがんばってるけど決定打は見出せない状態。
心情的にはホンダの創業者利益を尊重したいとこだけど、今となっては当初の文房具的シンプルさは影も形もなく、後追いのヴォクシー&ノアが売れるのもわからなんでもない。
そうでなくても安心のトヨタブランド。「この手は黙っても売れるだろうし、2代目もきっと無難な正常進化なんだろうなぁ〜」と思って走り出して、驚き!
思い切ってるじゃん! かなり!
予想以上
まずはステアリングフィールだよね。この手のワンボックスは大抵軽いだけが売りで、タッチの良さとか運転の楽しさは無いもんだけどノア&ヴォクシーは違う。
手ごたえは予想以上にソリッドかつ上質。小径のステアリングホイールと相まって、走りではダントツの現行ステップワゴンに迫ってます。「越えたか?」っていうとそれほど走り込めてないのでわかんないけど。
エンジンも想像以上。特にバルブマチック付き158psエンジンは、トップエンドのパワーもさることながら全域でトルクフルかつレスポンスがよい。明らかにバルブマチックの効果が出てて、エンジンだけでも楽しめるミニバンになっているのだ。
使い勝手も分かりやすく魅力的。フロアが下がったとか、室内が広くなったとかは毎日ミニバンに乗ってる人に聞いたり、並べて比べないとわからないけど、例の3列目の「ワンタッチ跳ね上げ格納シート」や2列目両サイドのまわる「チャイルドケアモード」は分かりやすくて便利。
まだまだミニバン界も飛び道具隠しててたのよねぇ〜って感じ。
出るか!? 禁断の4列シート
実際受注状況は発売後1ヵ月で3万7000台っつうビックリモンの数字。つくづく今の日本市場がミニバン中心だって痛感すると同時に、ヴォクシーのスタイル、走り、使い勝手が高く評価されてるのがよくわかる。ま、あのスタイルは個人的には驚かせモンだと思うけどね。早晩飽きるのでは?
一方、兄弟車のノアだけど、写真や資料で見た時点では「ヤングなヴォクシー、オヤジなノア」って振り分けだと思ってたけどそんなことはない。外で見るとノアはシンプルながらも結構メリハリあるデザインでなかなかよろしい。個人的にはコッチの方がいいかな? と思ったくらい。
ってなわけでますます文句の付けようの無くなったノア&ヴォクシー。まさしくトヨタ一流の手法で、足りないと思われてた要素をブラックホールのようにどんどん身に付けていってるのがわかります。ライバルが新しい魅力を備えても備えても、次の世代ではそれをすっかり自分のものにしちゃうんだからかなわない。その昔、漫画『コブラ』に、見た兵器の性能をどんどん吸収していく“最終兵器”の話があったけどまさにそんな感じ。つくづく怖いですわ、トヨタさん。
でもねぇ。それでもめげないどころか全く新しいアイデアを思いつくのがホンダのいいとこ。だから俺は思ったな。負けず嫌いの会社だけに、もしや次期型ステップワゴンで前回導入を諦めたってウワサの「禁断の4列シートボディ」をもってくるのでは!? と。5ナンバーボディで成立させるのはかなり厳しいと思うけど、より完成度が高まったヴォクシー&ノアだけに越えようと思ったら大胆な作戦を取るしかない。
この仁義なき戦い。まだまだ続きそうですよ。
(文と写真=小沢コージ)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
-
第454回:ヤマダ電機にIKEAも顔負けのクルマ屋? ノルかソルかの新商法「ガリバーWOW!TOWN」 2012.8.27 中古車買い取りのガリバーが新ビジネス「WOW!TOWN」を開始。これは“クルマ選びのテーマパーク”だ!
-
第453回:今後のメルセデスはますますデザインに走る!? 「CLSシューティングブレーク」発表会&新型「Aクラス」欧州試乗! 2012.7.27 小沢コージが、最新のメルセデス・ベンツである「CLSシューティングブレーク」と新型「Aクラス」をチェック! その見どころは?
-
第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ 2012.6.22 自動車開発のカギを握る、テストドライブ。それが限られた道路環境で行われている日本の現状に、小沢コージが物申す!?
-
第451回:日本も学べる(?)中国自動車事情 新婚さん、“すてきなカーライフに”いらっしゃ〜い!? 2012.6.11 自動車熱が高まる中国には「新婚夫婦を対象にした自動車メディア」があるのだとか……? 現地で話を聞いてきた、小沢コージのリポート。
-
NEW
日産キックスX e-4ORCE(前編)
2026.10.18思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が新型「日産キックス」に試乗。デザインが新しいのはもちろんのこと、まさに下ろしたての最新のパワートレインを搭載。日産の大きな期待を背負ったコンパクトSUVである。箱根のワインディングロードでの印象を聞いた。 -
三菱eKクロスEV P(FWD)【試乗記】
2026.10.17試乗記三菱の軽乗用電気自動車(EV)「eKクロスEV」が、一部改良でデザインを刷新! 2022年発売の古参の一台は、台頭するライバルをどう迎え撃つのか? 最新モデルと比べても、キラリと光る魅力はあるのか? 軽EVのパイオニアが擁する一台の実力を確かめた。 -
写真で解説する「フィアット・グランデパンダ」
2026.10.16画像・写真ステランティスが「フィアットブランドの大きな柱のひとつとなる重要なモデル」と位置づける「グランデパンダ」が日本上陸。その具体的な見どころを、写真とともに解説する。 -
フィアット・グランデパンダ ハイブリッド ラプリマ(FF/6AT)【試乗記】
2026.10.16試乗記欧州を代表するコンパクトカーの一台である「フィアット・パンダ」が第4世代に進化。新たに「グランデパンダ」を名乗り、日本にやってきた。ずばり新型の見どころは車両の随所にちりばめられた初代モデルへのオマージュである。上位グレード「ラプリマ」の仕上がりをリポートする。 -
スズキの未来を徹底検証! 技術戦略説明会から“10年先のスズキの姿”を夢想する
2026.10.16デイリーコラム年間生産500万台で、Dセグメントまでカバーする巨大メーカーに!? スズキが発表した「10年先を見据えた技術戦略2026」を徹底検証。技術開発に製品開発、インドを核としたグローバル戦略などの中身を通して、「10年先のスズキの姿」を予想した。 -
賢い選択 ――キャデラック「LYRIQ」フラットプランのすゝめ――
2026.10.15投資家も太鼓判! 「キャデラック・リリック」×フラットプランという最適解<AD>クルマが変わり、時代も変われば“持ち方”だって変化する? お金のプロである投資家が、「キャデラック・リリック」の残価保証型リースを勧める理由とは? 夢の「2台持ち」をかなえる、最新電気自動車の賢い選び方を考えた。