サーブ 9-3 2.0tカブリオレ(4AT)【ブリーフテスト】
サーブ 9-3 2.0tカブリオレ(4AT) 2002.02.08 試乗記 ……495.0万円 総合評価……★★★★枝から落ちる寸前
サーブ9-3シリーズ。オリジンともいえる「2代目900シリーズ」のデビューが1993年だから、けっして新しいクルマではない。純粋にハードウェアだけを評価すれば、コストパフォーマンスに優れるわけではなく、特に速いわけでも、装備が豊富なわけでもない。しかし、それでは魅力に乏しいクルマなのかというとまったくその反対で、枝から落ちる寸前の柿のように、トロトロに中身が熟している。実用性を備えた4座席カブリオレで、あまり人が乗っていないものを探しているヒトは、ぜひいま乗るべきクルマだ。モデルチェンジされないうちに。
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【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「サーブ9-3」は、1993年デビューの2代目900の発展型として、98年に登場した。フロアパネルの基本は先代「オペル・ベクトラ」。日本に入るボディは、5ドアハッチとカブリオレの2種類。グレードは、エントリーモデルの「2.0t」、フォグランプや前席ヒーテッドシートが装備される「SE 2.0t」、スポーツグレードの「Aero 2.0TS」と、オープンモデルの「2.0t カブリオレ」の4種類がラインナップされる。
9-3のエンジンは、すべてターボチャージャーを備えた2リッター直4DOHC16バルブ。ターボチャージャーは低圧タイプと、スポーツグレード「Aero 2.0TS」にのみ搭載される高圧タイプの2種類。低圧タイプは、2001年から「エコパワーターボエンジン」が採用され、150ps/5500rpm、24.5kgm/1800rpm(旧型は154ps/5500rpm、22.3kgm/3600rpm)を発生し、「10・15モード燃費」が1.7km/リッター向上して、9.4km/リッターとなった。高圧タイプは205ps/5500rpm、25.5kgm/1900rpm(MT仕様は28.6kgm/2200rpm)を発生する。駆動方式はサーブ伝統のFWDだ。
2001年モデルでは、高圧ターボエンジンを搭載するスポーツグレード、「Aero 2.0TS」の外観をより個性的に仕立て、5段MT(特別発注)を選択できるようにしたことなどが特徴となっている。
(グレード概要)
「9-3 2.0tカブリオレ」は、電動開閉式の幌を備えるオープンモデル。冬の寒さが厳しいスウェーデンのクルマらしく、断熱効果を高めるため、幌はキャンバス地と防水ゴムの3層構造を持つ。パワートレインは2リッター直4DOHC16バルブインタークーラー付ターボに、4ATの組み合わせ。ブルーのソフトトップがプラス8.0万円でオプション設定される。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
前席左右間に位置するイグニッションに、サーブ流のインテリア設計を見る。夜間、ドライバーの集中力を維持するために、スイッチひとつで速度計を残してブラックアウトする「ナイトパネル」は、いかにも“元”飛行機メーカーらしい。手袋をしていても操作しやすいように設計された、大ぶりなスイッチ類とレタリングは好みがわかれるところ。ボルボ同様、おおむね「スカンジナビアンデザイン」と評価されるが、「間の抜けたデザイン」と感じるヒトがいないわけではない。
(前席)……★★★★
左右の角を落とした、独特の楕円形座面のシート。大きく、クッションもたっぷりあって、包み込まれるようで気持ちがいい。このクルマ独特の雰囲気は、このシートに座ったときから感じることができる。スポーツ系シートのタイト感とは対極にあるとも言えるが、クルマのキャラクター構築に大きく寄与している。
(後席)……★★★
4座のカブリオレだが、ボディ側壁が後ろへ行くにしたがって高くなるので、リアシートでの開放感はそれほど高くない。だが、安心感があるともいえる。風の巻き込みも強くなく、これはこれで快適。2人分のスペースは十分ある。
(荷室)……★★★
幌を折り畳むと、当然、ラゲッジルームの天地寸法は狭まってしまうが、幅と奥行きはほぼ維持されるので、意外に使い勝手はいい。床面最大幅133cm、奥行き70cm。外から想像するよりも、広い。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
熟成された2リッター4気筒ターボが素晴らしい。アイドリングから3000rpmぐらいまでは、トルクたっぷりでスムーズにクルマを加速させる。ターボといっても急激なトルク変動がなく、ドライバビリティに優れる。わずかのガスペダルの踏み込みにも忠実に反応する。レスポンスの良さは、ヘタな自然吸気エンジンを上まわる。4段ATはスムーズに変速する。ガスペダルの踏み込み量が微少の時に、エンジンブレーキの効きがやや弱いのが気になるところ。それだけが弱点。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
路面の状態がよいところでは、しっとりとした実に高級な乗り心地を示す。反対に、凹凸や舗装の継ぎ目ではバネ下がドタバタと上下動を繰り返しかつ振動がなかなか収まらない、安物の乗り心地に変わってしまう。それが残念。コーナリング時のロールは大きいが、ロールスピードがゆっくりなので怖さは感じない。よくネバる足だ。以前の9-3では、トルクステアが強い点が気になっていたが、最新型では自然なハンドリングに改善されていた。カブリオレなのに、身のこなしに軽々しさがないのが、9-3カブリオレの魅力のひとつだ。そこが気に入らない人には、何を言っても向かない。
(写真=高橋信宏)
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【テストデータ】
報告者:金子浩之
テスト日:2001年11月21日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:――
タイヤ:(前)195/60R15 88V/(後)同じ(いずれもMichelin Pilot CX)
オプション装備:なし
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(8)
テスト距離:――
使用燃料:――
参考燃費:――

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