第294回:BMW 335iクーペ試乗
これがコージの“キモチいいオブザイヤー”だ!(小沢コージ)
2006.12.12
小沢コージの勢いまかせ!
第294回:BMW 335iクーペ試乗これがコージの“キモチいいオブザイヤー”だ!
■BMWのよさが戻ってる!
いやはや久々にクルマに乗って単純にシビレてしまいました。コレいい! コレ欲しいと!
前からBMWのステアリングフィールって好きだったのね。コレばっかりは個人の感覚でいかんともしようがないんだけど、軽く、ダイレクトかつ、独特のプラスティックというかゴムを触ってるようなフリクションがキモチよくて、それからエンジンがキモチいい。
だけど正直、今の3シリーズになって、さらに例のハイテク吸気システムのバルブトロニック付きのエンジンになって、いまいちその味がぼやけていた感がありました。
まずステアリングフィールを邪魔してたのは例のアクティブステアリングね。車速によってステアリングギアレシオが10対1から20対1に可変するハイテクで、あれが入ってたせいなのか、それ以外も問題あったのか一部車両で今ひとつ味わいに感動がなかった。
それが戻ってる! 実は335iクーペは思いっきりアクティブステアリングが入ってるんだけど、全然気にならない。
それからエンジンよ。例のバルブトロニック付き直4にしろ直6にしろ決して悪いエンジンじゃなかったどころか、いいエンジンだった。良く回るし、精度高く、緻密で中身が十分詰まってる感じ。
ただ、なんとなく爽快感に欠けてたのよね。アクセルペダルに足をかけ、踏み込んでいくと、ふぅーっとエンジンの回転の伸びがその踏み込む勢いを飛び越えていく。流れにどんどん乗るというか、こう、サーフィンで波に乗った瞬間みたいなキモチよさが昔はあったのに、今はない。
■つくづくエンジンオタク
そしたらね。この新型3リッター直6ツインターボはそれが戻ってるのよ! 特にターボの効き方が絶妙で、ゆっくり踏み増していくと、あるところからエンジンにフニョーっと羽が生えたように軽ーく回っていく。キモチいいわーー!!
久々にBMWっていいなぁと思いました。しばらく忘れてた感覚。
と思ったらBMW開発陣もそう思ってたらしいのね。某広報さん曰く、このターボエンジンはバルブトロニック系エンジンとはまったく違う、クランクケースから新作の直噴系なんだって。
今後、ターボなしのエコ対応の直噴エンジンも出すらしく、どうやらそっちの方が官能性能的にはいいらしい。で、しばらくは効率のいいバルブトロニック系との二本立てで行くかもしれないんだと!
ふーん、つくづくエンジンオタク、ハンドリングオタクのBMWだわ!って感じ。ま、そこがいいんだけどね。
ついでにエクステリアデザインも、セダンよりエレガントでよし。唯一の問題はお値段。3シリーズで701万円はツライぜ! 普通5シリーズ考えちゃうよなぁ。
(文と写真=小沢コージ/2006年12月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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