ローバー&MG フルラインナップ試乗会【試乗記(後編)】
ローバー&MG フルラインナップ試乗会(後編) 2003.12.02 試乗記 「ちょい乗り」試乗報告 日本への再上陸を果たしたブリティッシュブランド、ローバー&MG。アグレッシブな面構えの「MG ZT」と、コンベンショナルな足まわりになった同「TFシリーズ」に、『webCG』コンテンツエディターのアオキが乗った。 拡大 |
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(あまりに)エンスーなワル〜MG ZT & ZT-T
本国では2001年に登場し、2年遅れながら、このたびメデタク日本に紹介されることになったMGのニューサルーン。一見してわかるとおり、ローバー75のモーリス・ガレージ版。ローバー75を見慣れた目には少々奇異な感じだが、英国においては「ZR」(旧ローバー200シリーズ)「ZT」(旧ローバー400シリーズ)「ZT」と、MG顔のヒエラルキーがしっかり形成されている。メッシュグリルと、四角いアゴで、精悍さをアピールする。
MGローバーグループの厳しい台所事情のなか、随所に“スポーティ”をまぶして、精一杯ローバー車との差別化が図られたMGサルーン。ドアを開ければ、アルカンタラとレザーのコンビネーションシートがドライバーを迎えてくれる。サイドサポートの張り出したバケット調が、嬉し恥ずかし。位置決めが手動なのも、またスポーティ。
キーを捻って走りはじめる。締め上げられた足まわりと「225/45ZR18」の薄いミシュランタイヤがもたらす乗り心地は、そうとうハード。路面からステアリングへのフィードバックも、強め。「MG-B」(MG1100/1300?)に馴染んだ世代には、キツかろう。
わかりやすく上品なローバーモデルはともかく、いったい極東の島国において、MGサルーン/ワゴンの市場はあるのか?
たとえば、過去の栄光(と正統派ユーザー)をバッサリ切り捨てて、“スーパーニッチな”チューンドカーを目指すのはどうでしょう? 177psの2.5リッターV6は、ローバー75と変わらないけれど、なに、街のチューニングショップだって、エンジンのチューンナップより、エアロパーツ販売の方がメインになる時代。MG TZの、押し出しの利くフェイスを活かして、ワルを気取って……。
ワゴンボディの「ZT-T」なら、希少性が増して、なお可。レースカーに倣って車高をペタペタに落として乗ったら、一部の好き者から一目置かれること間違いなし……か? エンスーに過ぎる!?
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“心情的”以上〜MG TF160
FF(前輪駆動)モデル用ドライブトレインをリアに背負ったがゆえの、上下に厚いボディ。それを活かした、丸みを帯びた柔らかなスタイル。ミドシップながら、緊張感の薄い、穏やかなハンドリングと乗り心地。1995年にデビューしたMGFは、総じて円満なスポーツカーだった。よくも悪くも。
BMWのくびきを解かれたローバーMGグループは、「F」のモディファイを断行、2002年に「TF160」「TF135」として再リリースした。フロントを中心にリスタイリングを施し、足まわりのハイドラガスを捨て、コンベンショナルなコイルスプリングを採用したのが新しい。
プロジェクター式のヘッドランプとポリカーボネイト製ヘッドライトカバーを得て、シャープな顔つきとなった新生TFシリーズ。TF160は、かつての「1.8iVVC」にあたるモデル。可変バルブタイミング機構付き1.8リッター「K」型エンジンは、旧型より15ps高い160psのピークパワーを、しかも100rpm低い6900rpmで発生。最大トルクは17.7kgm/4700rpm。
4輪ダブルウィッシュボーンから、リアサスをマルチリンク化した足元には、以前よりひとまわり大きな前:後=「195/45ZR16」:「215/40ZR16」のタイヤを履く。コラムの位置が、中心からずいぶん下に位置するステアリングホイールを握って“ちょい乗り”した印象は、スポーツカーとして“グッと本格化した”。
アウトプットが増大したエンジンと、硬められたサスペンションで、ガンガン走れる。絶対的には速くないけれど、ステアリングホイールへの路面からのわかりやすいフォードバックと、少々ガンバリ過ぎちゃた(?)太いタイヤのおかげで、じゅうぶん「ヤッてる」気になる。”心情的“以上に。「MG」のオクタゴンマークが、またウレシイ。
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MGらしさ〜MG TF135
一方、オリジナル「MGF」のノホホンとしたドライブフィールを色濃く残しているのが、ベーシックグレード「TF135」。素の1.8リッター「K」ユニットは、最高出力の発生回転数が5500rpmから6750rpmに引き上げられ、16psアップの136psを得る。最大トルクは、2000rpm高い5000rpmで、数値は変わらぬ16.8kgm。
5スピードのトランスミッションは、TF160とファイナルを含めてギア比が同じだから、エンジンの出力差が素直に“速さ”に反映されるが、個人的には−−ウデの問題もあって−−TF135の方が「よほど好ましい」と感じた。30.0万円安いし。
控えめなタイヤの恩恵で、クルマの挙動と限界がわかりやすい。ハイドロサス版より足まわりからのインフォメーションが明確で、かつミドシップながらピリピリしないハンドリング。クルマ全体のバランスがいいのだろう。短い時間だったけれど、“天下の険”を走りまわって、大いに楽しんだ。
ほどほどの性能で、けれども街乗りから田舎道まで活発に走らせることができ身近なスポーツカー。TF135は、「いかにもMGらしいモデルだ!」と思った。
(文=webCGアオキ/写真=清水健太、高橋信宏(T)/2003年10月)
ローバー&MG フルラインナップ試乗会(前編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000014029.html

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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