BMW330iセダン(5AT)【ブリーフテスト】
BMW330iセダン(5AT) 2000.08.23 試乗記 ……605.5万円 総合評価……★★★★サラッとドライ
MTモデル導入(祝!)という話を別にすれば、資料読んでわかる範囲だと今回のニュースはパワートレイン関係でほぼ全部。エンジン排気量の拡大をはじめとする各種バージョンアップ、およびATのギア比見直し等々。まあ見どころ多数。
ただしオートマで、しかも旧328iのナマナマしい記憶なしにチョイ乗りした範囲ではそのへんの、つまり動力特性そのもの関係の変わりようは体感上大事件というほどでは別になかった。せいぜい「静かになったかな」という程度。
しかし、乗った感じ全体に関しては旧328iとはかなり様子が違った。軽快なエンジン音。軽い操作系。330iはサラッとドライな乗りアジのクルマに変身していた。従来型は見た目に似合わぬほどのズッシリ感が印象的だったので、これには少なからず驚いた。要するに最近はそういうのが流行りということである。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「E46型」と呼ばれる現行3シリーズは、1998年のジュネーブショーでデビュー。8年ぶりのフルモデルチェンジとなった。セダン、ワゴン、クーペ、そしてカブリオレと、ボディのバリエーションは豊富だ。
(グレード概要)
3シリーズの3リッターモデルは、2000年8月26日から国内販売が始まった。330iセダンは、従来の328iに代わるモデル。排気量拡大は、燃費向上とエミッション低減のため。装備面では、キセノンヘッドライトを標準装備、17インチアロイホイールを採用、メーターにクロームリングを追加したことなどが新しい。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネまわり+装備)……★★★
330iは、ミルテウッドパネルが標準仕様となる。黒、こげ茶、クリームのカラーコーディネイトがステキだ。メーターのまわりに、艶消しのクロームリングが追加された。
(前席)……★★★
革とファブリックのコンビネーションシート。乾いた肌触り。座面、背面とも張りが強く、くだけた姿勢を許さない。成功しても、まだまだヤル気のビジネスマンに。
(後席)……★★★
4.5m弱の全長に、長めのホイールベース(2725mm)で、室内空間を大きく取った3シリーズ。FRセダンゆえ、センタートンネルが室内を貫通するが、後席左右は実用的。やや寝気味の背もたれ、前端の角を丸めた座面で、広く感じさせる工夫をしている。
(荷室)……★★★
床面最大幅130cm、奥行き100cm、高さ48cmと、まずまずのラゲッジスペース。荷室に干渉しないよう、荷室外に2本のダンパーでリッドを支える贅沢なつくりだ。幅×奥行き×高さ=48×26×46cmの帽子ケースをなんとか立てて収納できた。後席は分割可倒式。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
ストローク5.4mm 延長。スクエア型からロングストローク型になったが、回した際の音や振動の感触が悪化した印象はなし。回ることを好む傾向はむしろ従来型以上ではないか。あと静かになった、というか低域のスゴみ音が減ったような気がする。これもまあよし。ただ、ハシッこくなったエンジンにATがイマイチついてこれてない感あり。単体で特にヒドいわけではたぶんないが、駆動のダイレクト感や細かい変速プログラムの煮詰めはさらに頑張っても罰はあたらない。MTのデキやほか全体のレベルの高さに較べてここだけ少々格落ち。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
たとえばハンドルの操作力が明らかに小さくなった。ラクチンさとインフォメーションとのバランス点を変えたわけだ。いわゆるコンフォート寄りのインターフェイスチューニングでクルマ全体の印象は少なからず変わった。サラッとカルく。205/50R17 ゆえのネガは特になし。むしろ205/55R16 のほうがモゴモゴしていた。シャシーの優秀さは、当然相変わらず。
(写真=高橋信宏)
【テストデータ】
報告者:森 慶太(総評とドライブフィール/ほかはweb CG)
テスト日:2000年8月10日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2000年型
テスト車の走行距離:-
タイヤ:(前前)205/50R17 93W(Goodyear Eagle NCT5)/(後)同じ
オプション装備:メタリックペイント(7.0万円)/電動ガラスサンルーフ(13.0万円)/ナビゲーションシステム(40.0万円)/リアローラーブラインド(3.5万円)/ハーマンカードンスピーカー(4.0万円)/ホワイトターンインジケーター(3.0万円)
テスト形態:ロードインプレション(プレス向け試乗会)
走行状態:市街地(5):山岳路(5)
走行距離:-
使用燃料:-
参考燃費:-
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森 慶太
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