トヨタ・エスティマG(FF/4AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・エスティマL G(FF/4AT) 2003.09.26 試乗記 ……366.2万円 総合評価……★★★★ 大型ミニバンのなかではトップクラスの販売台数を誇る「エスティマ」。2003年5月6日にマイナーチェンジが施され、内外装の小変更が行われた。自動車ジャーナリストの笹目二朗が、新しいエスティマを採点する。
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趣味はよい
「エスティマ」は、このクラスの異端児的なイメージがあったが、FF(前輪駆動)となった今では、登録台数のベストセラーを争うほど。それだけ「ミニバン」というカテゴリーが一般化したといえる。2代目エスティマは、乗り心地や操縦安定性、そして居住性、パッケージングといった評価項目全般の配点バランスがよく、平均点も高い。広々とした走る快適空間は、以前のライバルに見られた、FRワンボックスカー的なモノとは一線を画す。
デザイン的には、プジョーのネコ目を模したようなトンガッた顔付きが特徴だ。膨大な数のトヨタ車のなかでは、個性を主張することも必要。ギラギラしたメッキのお化け軍団より、趣味はよいといえる。ただ、トヨタ車の例に洩れず、足踏み式のサイドブレーキを採用している。この2度踏みリリース方式は不便だし不安もある。改善を望む。
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【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1990年5月にデビューした、7/8人乗りの大型ミニバン。現行型は2000年1月にフルモデルチェンジされた2世代目。駆動方式が、初代のミドシップRWDからFFに変更された。これにより、フロア高が低くなり乗降性が向上、また、より排気量の大きいエンジンを搭載することが可能になった。2001年6月15日に、ハイブリッドモデルが追加された。
2003年5月にマイナーチェンジし、内外装の化粧直しがなされた。「エスティマT」はトヨタ店、「エスティマL」はカローラ店から販売される。2.4リッター直4(160ps、22.5kgm)と3リッターV6(220ps、31.0kgm)の2種を用意し、それぞれにFF/4WDモデルがある。
「アエラス」グレードはエアロパーツを装着したモデル。
(グレード概要)
「G」は、エスティマの上級グレードとなり、3.0、2.4リッター両モデルをラインナップ。CD・MD一体AM/FMマルチ電子チューナー付ラジオ+6スピーカー、運転席パワーシート、本革巻き&木目調のステアリングホイール/シフトレバーが備わる。さらにフロント&リヤオートエアコンも標準装着される。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★
センターメーターは、計器類を遠くに見せる老眼者対策として支持できる。しかし、斜めのひさしはどうも落ちつかない。自分の目の進行方向と一致しないのはまだしも、こうなると車幅を読みつつ角を曲がるときとか、枠内にキチンと駐車させようとした場合に、基準になる垂直水平が感じにくい気がする。運転手の性格の問題かもしれないが…… 。
コラムシフトのインジケーターは見やすい。
(前席)……★★★★
サイズがたっぷりしており、表皮の感触もよく、シートとしての座り心地もいい。ランバーサポート調整機構は持たないが、このままでも不満はなかった。さすがに3ナンバーの室内幅は余裕があり、前後席間のウォークスルーもしやすい。コラムシフトのレバーも邪魔にならない位置にある。足踏式サイドブレーキはリリース方式に難がある、と思う。走行中に間違って踏むと危ないし、万が一、フットブレーキが使えなくなった場合、2度、3度と踏むことができないからだ。
(2列目)……★★★★
大幅なスライド量は驚異。この室内空間の大きさがエスティマ最大の魅力かもしれない。それをまともに享受できるのが中間シートだ。ひじかけ部分やカップホルダーなど、装備も至れりつくせり。回転対座にしても足元の空間は広い。スライドドアはオートクロージャー付きで、力が不足がちなお年寄りの操作でも、半ドアとは無縁だ。幅の限られた場所に止めても、ウォークスルーして後部ドアから出入りできるし、ドアをぶつける心配がないのもイイ。
(3列目)……★★★
3列目でもさすがにこのクラスとなると、空間的にもたっぷりしている。リクライニングが可能で、ゆったりと座れる。セカンドシートのヘッドレストを外し、バックレストを倒して3列目とつなげれば、簡易ベッド並のスペースも生まれる。運転席との会話がやや遠いのが、難といえば難。サードシートにもカップホルダーの備えあり。サイドウィンドウは開かない。ロードノイズなど騒音に関しては、中間シートより不利だが、喧しくはない。
(荷室)……★★
トランク部分は単独ではそれほど広くない。が、シートアレンジで広大な空間がつくり出せるし、サイズは限られるが、ある程度はシート下にも収納可能。意外にラゲッジスペースが不足することはないだろう。バンパー高のフロアボードの下にも小物入れがある。トノーカバーが中間レベルの棚などにも変化する、「ルノー・セニック」のようなハードボードがあるとさらに便利か。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
3リッターV6もラインナップされるが、テスト車の2.4でも十分なパワーがある。下から上まで比較的静かで滑らか。4ATながらスムーズでパワフルに加速する。コラムシフトは操作しやすいし、邪魔にならない。4速目のODはボタンでオン/オフするタイプで、トヨタ車に長年慣れ親しんだ人には問題ないが、国際的な標準からすれば旧式。シフトと別系統の操作ということになるので、統一単純化される方が望ましい。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
乗り心地は一言でいうと良好。これもトヨタ車に共通するが、路面からの入力が小さいときは、フラットでスムーズ。ところが、すこし大きくなるとブルブルした微振動が残り、高級感を削ぐ。速度的には100km/h以下ならすこぶる快適。操縦安定性も安心できるレベルにある。この手の重心高の高い車にありがちの、グラッと傾くロールもなく、ワインディングロードでも高い平均速度を保てる。乱れた挙動を安定させる「VSC」などの電気デバイスも完備しており、安心感あり。
(写真=清水健太)
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2003年6月4日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2003年型
テスト車の走行距離:1115km
タイヤ:(前)215/60R16(後)同じ
オプション装備:G-BOOK対応DVDボイスナビゲーション付ワイドマルチAVステーション(6.5型ワイドディスプレイ+DVD・MD一体AM/FMマルチ電子チューナー付ラジオ+TV+ビデオ端子+9スピーカー)+後席9型液晶ワイドディスプレイ(リモコン付)+ブラインドコーナーモニター(フロント直下モニター付)&音声ガイダンス機能付カラーバックガイドモニター(46.7万円)/ツインムーンルーフ(10.5万円)/音声案内クリアランスソナー(バックソナーレス)(4.0万円)/デュアルパワースライドドア(リモコン付)(12.0万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(4):高速道路(5):山岳路(1)
テスト距離:260.6km
使用燃料:34.2リッター
参考燃費:7.6km/リッター

笹目 二朗
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