第40回:郷に行って郷(のクルマ)に乗れ
2003.06.23 小沢コージの勢いまかせ!第40回:郷に行って郷(のクルマ)に乗れ
■フレンチオープンは「相撲」!
プジョー「206RC」の試乗会に行った帰りに、パリで遊んできました。見たのはいろいろで、特に面白かったのはフレンチオープン! そ、テニスのね。
あれって面白くって、ある意味「相撲」なのよ。一試合一試合は長いけどね。というのも実際に格調高い「ローラン・ギャロス」ってテニス場を見てもらいたいもんだけど、サッカー、野球なんかと違って「貴族」の匂いがするし、大会初日だったりすると、そこらじゅうで試合やってる。幕下、幕内、あらゆる試合の珠玉混合オンパレードって感じで。
俺はホテルの裏ルートで高い金払って、「COURT Ph. CHATRIER」っていわれるセンターコートのチケットを取ったんだけど、そこでは元世界チャンピオンのアンドレ・アガシや、現女子第一シードのセリーナ・ウィリアムズの試合のほか、シード選手の試合が一日4試合以上も行われてました。
それだけじゃない。まわりの第3コートや第11コートなんかでは、格下選手がこれまた一日中試合をやってる。そのコートへは入場券みたいなチケットがあれば入れるから、気が向いたら適当にみれる。ねっ、いろいろ見れて相撲気分でしょ?国技館行ったことないけど……。
でさ。知らなかったけど、結構日本の選手が出てんのよ。俺がセリーナ・ウィリアムズの試合を見てる時には、同時に杉山愛選手が第3コートあたりでシングルス戦ってたし、夕方は「OBATA」って名前の日本人女子選手みたいのが第7コートで戦ってました。サッカーワールドカップの日本戦を、アウェーで見るような感じで楽しかったです。負けちゃったけどね。
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■“街のカッコよさ”はすべてを隠す
それから、レンタカーで借りてたプジョー「406」のセダン。ヒッジョーに良かったです。ディーゼルエンジン搭載のマニュアル車なんだけど、とにかく乗り心地がイイ。クラッチも軽く、ステアリングも軽い上フィーリングよく、フランスで乗る分にはいいってわかりました。道の悪いパリで乗るとサイコー! 癒し系。
日本でみるとこの上もなくカッコ悪いオヤジグルマなんだけどね。パリで見ると不思議とカッコよく見える。っていうか気にならない。
ホント、人もクルマも「ホーム」(つまり生まれた場所ね)で見たり乗ったりしゃべったりするとよく分かる。リュック・ベッソン監督の映画『タクシー』なんか観てると、406セダンのオンパレード。日本人としては「なんで?」って感じするけど、現地に行くと納得。そんなこと気にしてないんだよね、フランス人。クルマに求めている「カッコ良さ」の基準が違う気がする。じゃなかったらルノー「メガーヌII」とか「アヴァンタイム」とかさ。あんなの生まれないよ。決まりきったカッコよさを追い求めてたらね。
なにより、街のカッコよさはすべてを隠すね。だからさ。「日本車のデザインはイマイチ」ってよくいわれるけど、なにより日本の街をカッコよくするのが大切なのかも。つまり、デザイナー育成するより、政治家を育成した方がいいと、ってムリか。アホばっかだし……。
(文=小沢コージ/2003年6月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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