「有鉛ガソリンは何のため?」

2002.06.25 クルマ生活Q&A 松本 英雄 ガソリン・オイル
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「有鉛ガソリンは何のため?」

昔は鉛が入ったガソリンがあったと聞きます。何のために、鉛を入れていたので すか? ちなみにどのようなクルマが使っていたのですか?(東京都・TIさん)

お答えします。有鉛ガソリンに添加されていた鉛は「四エチル鉛」といって、オクタン価向上剤(アンチノック剤)とバルブまわりの潤滑剤の役目をしていました。

しかし有鉛ガソリンは、排ガスを浄化する触媒装置を劣化させるので、無鉛ガソリンが使われるようになりました。また有鉛ガソリンは燃焼した後に、鉛がピストンやバルブに堆積してエンジンの寿命を短くしたといいます。

実際、有鉛時代に使われたエンジンをOH(オーバーホール)する機会を得たときに、ピストンや排気バルブに、スラッジやカーボンとは違う、硬くて、ブラシでこすってもとれないモノが固着していたのを見ることができました。

30年ぐらい前までは有鉛ガソリン指定のクルマがつくられてました。そうしたクルマの持ち主は、10年ぐらい前までは、オーナー同士で有鉛ガソリンを求めて情報交換していたものです。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。