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マツダ・ロードスターに乗る
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可変バルブタイミング機構の搭載
「ひとたび座ればピタリとわかる」のが、7月18日にマイナーチェンジを受けたマツダ・ロードスター。新型バケットシートが、ドライバーの肩と腰を、やんわりと抱いてくれる。
欧米と較べ売れ行きが伸びない国内市場のために、両の目頭にきついキャラクターラインが入れられ、ちょっぴり険のある顔つきになったニューロードスター。マツダのファミリーフェイスに合わせるため、バンパー下部のエアインテイクが五角形になったのはご愛敬。
最大のニュースは、1.8リッターツインカムユニットに連続可変バルブタイミング機構が搭載されたこと。最高出力は、ピークパワー発生回転数を500rpm引き上げ、従来比15psアップの160ps/7000rpm、最大トルクは、0.7kgm太い17.3kgmを、やはり500rpm高い5500rpmで発生する。
コーナリングの気持ちよさ!
専用の赤黒ステアリングホイール、赤いシートも艶やかな最上級スポーツグレード、RS-IIに乗ると、駐車場を動かすだけでも、よく調律された排気音がウレシイ。峠道に赴くと、かつてはレブリミット7500rpmを誇りながら、4000rpmも回すと音と振動で「もうけっこう」となった「BP-VE」ユニットが、6000rpmまではいともスムーズに回る。中低回転での出力が増したので、扱いやすく、けれどもノッペリとした退屈なエンジンにはなっていない。市販車もテスト車の通りなら、これはスバラシイ。
RS-IIは、ボディ各部に補強を施し、ねじり剛性約22%、曲げ剛性約16%の向上したという。反面、車重は40kg増の1070kg。今回の改変で、エンジンの可変吸気システムが外されたのは、コストダウンのためというより、重量増を抑えるためだったという。
エンジン以上に感心したのが足まわりで、205/45R16という一段上のタイヤを採用したが、みごとなセッティングゆえ、もてあますことがない。カーブに入ると、キューっと外側のタイヤに荷重がかかっていって、「気持ちイイ!」と、ハシャぐご主人様を乗せて、駿馬は駆け抜けていく。よく利くLSDも好ましい。
新しいロードスターは、ライトウェイトの持ち味をなくすことなく、グッとたくましくなった。自らが産み出したライバル車との、切磋琢磨の結果である。
価格は、RS-IIが、前のRSより11.2万円高い243.7万円。内装が地味なRSは、わずか1.3万円の値上がりに抑えられた。(web CG アオキ)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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