ダイハツ・コペン アクティブトップ(5MT)【ブリーフテスト】
ダイハツ・コペン アクティブトップ(5MT) 2002.08.01 試乗記 ……158.22万円 総合評価……★★★★★ダイスキ!
さっぱり光明の見えない平成大不況のおり、ひょっこりリリースされたマイクロ"オアソビ”2シーター。財布のヒモが固くなった消費者が「軽」市場に流れ、広がる(予定の)マーケットにおけるニッチ商品……というよりは、1999年の東京モーターショーで展示されたショーカーが好評だったので、開発を進め、このたび「KOPEN」改め「COPEN」として登場した次第。
どっちが前かわからないファニーなスタイル。車両本体価格149.8万円也で、480.0万円からのメルセデスベンツSLKをオチョクル痛快さ。モーターひとつで複雑なアクティブトップを巧みに開閉させるナニワな工夫。走らせれば、ちゃんと“スポーツカーしてる”のがリッパ。
日本独自の軽規格内で、世界に例を見ない少量生産の電動ハードトップモデルを商品として成立させるあたり、ニッポンの自動車産業の底力を如実に表わす……てな解説はどこ吹く風。巻き込む風に髪をなぶらせて、リポーターとしての立場を忘れて「コペン、ダイスキ!」と言わしめる21世紀初頭のクーペときどきオープンカー。存在しているだけでエライ。
【ドライブフィール】運転すると?
(シリーズ概要)
2002年6月19日に発表された、ダイハツの2シーターオープンスポーツ。オリジナルは、1999年に開催された、第33回東京モーターショーに出品されたコンセプトカー「コペン」である。フロントに横置きされるエンジンは、0.66リッター直4DOHCターボ・インタークーラー付き(64ps/6000rpm、11.2kgm/3200rpm)。5段MTもしくはレバーの前後でシフトできる「スーパーアクティブシフト」付き4段ATを介して、前輪を駆動する。目玉は、軽自動車として「世界初採用」の電動格納式ハードトップを備えること。スイッチを押せば、約20秒で開閉が完了する。
(グレード概要)
グレードは、電動格納式ハードトップ付きの「アクティブトップ」仕様と、それをはぶいて30kg軽量化し、かわりに樹脂製の着脱式トップを備える「デタッチャブルトップ」仕様の2つ。後者は2002年9月に追加される予定。MT/AT間の装備の違いは、フロントLSDがMTモデルにのみオプション設定されることくらい。価格は、トランスミッション形式、仕様にかかわらず、149.8万円となる。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
スピードメーターを中央に配した3連メーターをもつオーソドクスなコクピット。3本スポークのステアリングホイールは、「チルト(上下)」「テレスコピック(前後)」が可能で、好みのドライビングポジションを取りやすい。フロントシールドを含め、コペンはすべてのガラスがUVカット仕様だ。ドアミラーは電動リモコン式。キーレスエントリー(電波式/アンサーバック機能付き)は標準で装備される。ちなみに、テスト車の2DINオーディオ(CD+MD+ラジオ)は、「ADDZEST(アゼスト)」のディーラーオプション(6万4200円)。標準モデルにオーディオ類の設定はない。
(前席)……★★★
「スポーツシート」と呼ばれる黒のファブリックシート。座り心地は平板で、見かけほどホールド性はよくない。コペンの乗り心地(後述)と合わせ、腰痛もちだと長時間ドライブはツラいかも。コーナリング時は、腰の横付近で上体を支えるタイプで、峠でタイヤを鳴らす程度のスポーツ走行はできる。セットオプションの「レザーパック」を選べば、赤いレザーシート(シートヒーター付き)とMOMO製本革ステアリングホイールが装着される。
(荷室)……★
ルーフを閉じた状態では、VDA法で210リッターの容量をほこり、「ゴルフバックが収納できるほどの余裕」が謳われる。クーペ状態では、ガンバリを評して★5ツ。だが一方、ルーフをおろすと、ラゲッジルームへは上下20cm余の開口部を通してアクセスすることになり、実用性は絶望的。「電動ルーフあってのクルマ」という性格を考えると、★評価はひとつに激減する。なお、コペンには、格納されるルーフがトランクルームに積まれていた荷物に干渉するのを防ぐため、薄いパーテションが装備される。それを規定の位置に装着しないと、電動ハートトップが機能しない。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
659cc直4ツインカムターボは、64psと11.2kgmを発生。スロットルを開けるたびに、「ヒーン、ヒーン」というタービン音が耳に飛び込む。「シャー」というギアノイズも無視し得ないレベルだが、まァ、いいじゃないですか、スポーツカーなんだから。レブリミットは8500rpm、ピークパワーの発生回転数は6000rpmだが、最大トルクを出す3200rpmを越え、4500rpmあたりまでが、実際に使用される回転域。たしかに8000rpm超まで回るが、高回転まで引っ張ってもあまり益がない。過給エンジンらしく(?)中低回転域でしっかり働くパワーソースだ。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
ミラのコンポーネンツを使ったフロアには、キャビンとエンジンルーム下に2つのX字型の補強材「ダブルクロスビーム」が入るが、ボディ剛性は決して高くない。突起物を越えるときなどブルブルと身を震わせ、「スカットルシェイク」なんて言葉が口をつく。ハーシュネス(突き上げ)も強めで、路面が荒れると、リアサスからの衝撃がオシリを襲う。速度を抑えて、軽やかに流そう。
ハンドリングは痛快。前マクファーソンストラット、後トーションビームというコンベンショナルな形式だが、スロットル操作がよく挙動に反映されるハッピーなハンドリング。軽快に“曲がり”をこなし、リアを滑らす。FFだけど。ちなみに、タイヤはサイドウォールの剛性を上げた専用品。コペンの走りは、全体に、限界は高くないが、クルマを手のうちに入れる楽しさがある。
(写真=印田明生)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2002年7月8日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2002年型
テスト車の走行距離:2140km
タイヤ:165/50R15 73V(ブリヂストン・ポテンザRE040)
オプション装備:オープニングカバー(2.0万円)+2DINオーディオ(6.422万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(7):高速道路(2):山岳路(1)
テスト距離:217.4km
使用燃料:25.4リッター
参考燃費:8.6km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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