ルノー・ルーテシア ルノースポール2.0(5MT)【試乗記】
伊達じゃない 2002.03.14 試乗記 ルノー・ルーテシア ルノースポール2.0(5MT) ……265.0万円 ビッグマイナーチェンジで、フロントマスクをはじめ、全体の50%以上が新しくなったというルノー「ルーテシア」。「ルノースポール2.0」は、169psの最高出力を誇るスポーツバージョンだ。2002年3月13日からの日本での発売前日、webCG記者が乗った。狙うはニッチ
2002年3月13日から、日本でもルノー「 ルーテシア(欧州名クリオ)」のスポーツバージョン「ルーテシア ルノースポール2.0」の発売が開始される。1100kgの3ドアボディに、ルノーのモータースポーツ部門「ルノースポール(RS)」製2リッター直4DOHC(169ps/6250rpm、20.4kgm/5400rpm)を搭載。最高速度220km/h、0-100km/hを7.2秒でこなすホットモデルだ。
1998年のデビュー以来、ルノーのベーシックモデルは世界中で、190万台以上が販売された。日本では意外と知られていないが、ルノーは1999年から3年連続、欧州で最もクルマ(含む商用車)を売ったメーカーなのだ。
いうまでもなく、クリオは同社のヒットモデル。2000年6月、成功を持続・拡大すべく、「全体の50%以上が新しくなった」(プレス資料)、いわゆるビッグマイナーチェンジを受けた。
ルノースポールに続き、4月中旬には1.4リッター直4を搭載する「ルーテシア1.4 RXT」(4AT)が加わる予定だ。
ルノージャポン社長ロベルト・パロタ氏によれば、RS2.0は快適性とスポーツ性を1つにしたクルマだという。「プジョー307」がライバルになるのではないか? との問いに、「プジョー307と迷う人はいないでしょう、スポーツマインドにおいてはRS2.0が勝る」と一蹴。さらに氏は「日本市場は、パーソナリティーがはっきりしたクルマに人気がある」とし、個性豊かなルノーのモデルを投入すると語った。当面、ニッチマーケット狙いでいくわけだ。具体的には、スライドドアを持つ2BOX「カングー」がまもなく導入される。
ルノー顔
ビッグマイナーチェンジを受けたルーテシア、ガラリと顔つきが変わった。ボンネット中央のモールドや、左右に分かれたグリルの真ん中に配される大きなエンブレムが、コンセプトカー「タリスマン」や、「サフラン」の後継となるフラッグシップ「ヴェルサティス」に通じる。フロントフェイスを“ルノー共通”とすることで、ブランドイメージを強化することが目的だ。
インテリアの意匠も一新。メーターナセルは2つの峰を持つカタチになった。装備面では、雨滴感知式オートワイパーと、光センサーによるオートライトを新たに採用、RS2.0に標準装備される。
ボディサイズは全長が40mm長くなり、全長×全幅×全高=3810×1670×1410mm。ホイールベースは2475mmで変わらず。エンジンはRS製2リッター直4DOHC16バルブで、169ps/6250rpmの最高出力と、20.4kgm/5400rpmの最大トルクを発生、これに5段MTが組み合わされる。ボディが強化されたことなどにより先代より40kg重量が増し、車重は1100kgとなった。サスペンションは、ブッシュ、ダンパー、スプリングともパワーアップにあわせて変更された。タイヤサイズが先代の195/50R15から、195/45R16とスポーティなものになったため、過度に乗り心地を犠牲にしないセッティングが施されたとのことだ。
キビキビと快適
実車を見たとき、“ルノー顔”という言葉に納得した。写真ではわかりずらいかもしれないが、ボンネット中央のモールドは、遠目でもわかるくらいクッキリしたもの。ルノースポールのグリルはいかにも獰猛に、黒いメッシュタイプだ。グリル真ん中に大きなルノーマークが光る。
黒を基調に、各所にシルバーのアクセントがつくインテリアは、シンプルで上品。ペダル類はアルミ製、ステアリングホイールリムに「RENAULT sport」のロゴが光る。シートはスウェード調の合成皮革「アルカンタラ」と、ブラックレザーのコンビネーションという贅沢なもの。クッションが硬めでいい座り心地。Aピラーは太くなくスカットルも低いから、視界良好。ルーフ前端が少し下がってからフロントウィンドウにつながるため、頭上にやや圧迫感がある。
後席は広くない。シートバックが立っており、しかも着座位置が高いから、頭を天井に擦る。かといって前席のヘッドレスト越しに前が見えるわけでもない。膝前の余裕もなく、足を組むのはツラい。とはいえ、安全面の配慮はいき届いている。3点式シートベルトが中央席にも用意され、また十分な長さのステーを持つ、ヘッドレストが頼もしい。
実はルノー、ヨーロッパでは安全なクルマをつくるメーカーとして名高い。EuroNCapの衝突試験で、ルーテシアは4つ星を達成した。エアバッグは、衝撃に応じて膨らみ方を2段階に調節する「アダプティブエアバッグ」。シートベルトは、プリテンショナー&フォースリミッター付き。安全装備にぬかりなし。
エンジンはとてもよかった。静かで振動も少なく、下から上まで滑らかに回る。低回転でも十分なトルクがあり、混雑した町中を流すのもラクチン。いざシフトダウンしてアクセルペダルを踏み込めば、1100kgのボディはみるみる加速する。高速道路の合流で試したところ、ローで約55km/h、セカンドで約92km/h(サードはやめときました)。さすが0-100km/h=7.2秒、伊達じゃありません。5速で100km/h巡航の場合、エンジンは3000回転程度だから、すぐに加速にうつろうという気配あり。とはいえ、ラジオを聞きながら隣の人と会話するのも苦にならない。
足まわりは乗り心地を重視しただけあって、道路の継ぎ目やデコボコでもバタついたりしない。ハンドルはしっとりとした、ちょっと重めの感触でイイ感じ。常に安定感があり、ステアリングを切り込めばボディが素直に反応し、街乗りでも結構楽しい。ちなみに、マイナーチェンジ後のルーテシアは、RS2.0以外の全モデルで電動パワーステアリングとなった。しかしRS2.0のみフィーリングを重視して、油圧パワステが採用された。
今回の試乗は街乗りと高速道路(首都高速で羽田から横浜まで)だったが、ホットハッチらしい走りのキビキビさと、適度な快適さをもつことが確認できた。これなら通勤や買い物などもなんなくこなすと思う。
(文=webCGオオサワ/写真=清水健太/2002年3月)

大澤 俊博
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