フォルクスワーゲン・ルポ コンフォートパッケージ(4AT)【ブリーフテスト】
フォルクスワーゲン・ルポ コンフォートパッケージ(4AT) 2001.08.28 試乗記 ……159.9万円 総合評価……★★★ちっちゃいフォルクスワーゲン
ざっくりいえば、このクルマは短いポロだ。それ以外のナニモノでもない。ポロと較べて、わかりやすいところでは「後席ヒザ前空間」と「荷室」が多少短いのが違いといえば違い。で、それらはベツに短所とも思えなかった。逆に、見た目や走りに関してはポロよりも好感が持てた。ちっちゃいフォルクスワーゲンをほしいと思う日本の人々の多くにとって、これは間違いなくポロよりもベターな選択である。ただし、日常ナニかと使い勝手のよい4ドアの選択肢はルポにはない。本国にもない。そこが、短所といえば言えないこともない。
なお余談だが、日産マーチ級およびそれ以下の小型車でホントーのホンモノのスゴさに触れたいという人には、私はフィアット・プントを薦める。あるいはルノー・ルーテシア。持ち味は互いに少なからず異なるが、いずれも“小さな巨人”と呼ぶのが大げさでない力作だ。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1998年にデビューした、フォルクスワーゲンのボトムレンジを担う3ドアハッチ。翌99年に登場した、1.2リッター3気筒ディーゼル搭載のいわゆる「3リッターカー」(100km/hを3リッターの燃料で走る)が話題になったが、2001年7月10日から日本に輸入されたのは、「1.4リッター直4+4AT」というコンベンショナルなモデル。149.9から159.9万円という戦略的なプライスで、メルセデスベンツからの「スマート」を迎撃する。
(グレード概要)
グレードは、ベーシックな「ルポ」(149.9万円)と、パワーウィンドウ、センターロック、オーディオ類を備えた「ルポ コンフォートパッケージ」(159.9万円)の2種類。ボディカラーは、「赤」「緑」「青」とビビッドな3色。赤のエクステリアには黒の、緑と青には、それぞれのペイントに合わせたファブリックシートが用意される。ネズミの絵柄付き。
【車内&室内空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
見る人が見れば1秒でわかる、これがホンダ・フィットのネタ元。造形といい表面の処理といいソックリ。なお、ホンダよりVWのほうが仕事はイイ。安いつくりをそれほどミジメには見せない巧妙さ。エモーショナルな側面を強調しつつ使い勝手方面へのシワ寄せも軽微。
(前席)……★★★
ルーテシアやプントほど座って嬉しいモノではないが、とりあえず正しい姿勢はちゃんと出る。いまとなってはかなり典型的なアップライト系で、かけ心地はいわゆるドイツ車らしい硬め基調。これはこれでイヤでない。
(後席)……★★
前席同様キチッとアップライトな着座姿勢で、かつ天井の高さも十分。そのためヒザ前空間がポロより少なめなのは気にならない。が、実質「ただつけただけ」のヘッドレストは減点対象としないワケにはいかない。見た目こそそれなりリッパ(たしかボーラ用と同じ)だが、クリックストップもないというのは……。
(荷室)……★★★
車体とホイールベースが短いぶん、正直にルポより短い。本国ドイツではこのクルマはシティカーという認識が支配的だそうで、要するにイジんなってデカくしようとはVWも特に考えていないのだろう。ま、それはそれで。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
エンジンはポロのと同じで、まあ特に可もなし不可もなし。ただ、私が乗った最新型ポロとはオートマが明らかに違った。トルコンのイヤな滑りも減ったようで、こちらのほうがより運転しやすくなった。ちなみに、本国からきていたエンジニアによると、シフトのプログラムを改良したそうである。日本仕様ポロの特に初期モデルあたりは、エンジンが最大トルク発生回転数を超えてもなおトルコンがズルズルしているようなイヤ味があったが、そういう心配はしなくていい。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
乗り心地はポロよりフラットで、また直進安定性もポロよりビシッとしていた。ホイールベースが短いぶん、ヘンな手心(チューニング)を加える余地が減ってかえってヨカッタ、ということか。軽いブレーキペダル踏力を得るために入れたデカいブレーキのせいで、日本仕様はタイヤもデカくなり、車重とのツジツマを合わせた結果、指定空気圧は1.8kgf/cm ²と低い。そのためハンドルの手応えは若干ベタついている。
(撮影=難波ケンジ)
【テストデータ】
報告者:森 慶太
テスト日:2001年7月12日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:--
タイヤ:(前)185/55R14 80H/(後)同じ(いずれもMichelin Energy)
オプション装備:--
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(10)
テスト距離:--
使用燃料:--
参考燃費:--

森 慶太
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