第5回:海の向こうで大活躍 ピックアップトラック
2013.09.25 世界のNISSAN、イッキ乗り!例えばアメリカの道で、まず目に付く“メジャーなモデル”はピックアップトラックだ。日本のライフスタイルからはやや縁遠いかもしれないが、海外では注目されている荷台付きの2台に乗ってみた。
日産NP200
■ルノー風味のサニトラ
カリフォルニアは相変わらずピックアップ天国だった。日産印もけっこう見かけた。でもこの「NP200」はちょっと毛色が違う。ブブゼラの響きも懐かしい南アフリカで作られる、あの「サニトラ(サニー・トラック)」の後継車であり、その実態はルノーの低価格ブランド、「ダチア・ロガン」の旧型にあったピックアップの双子車。
カラードバンパーや黒いフェンダーフレア、アルミホイールでイマドキの日産ピックアップっぽく見えるけれど、1.5リッターのディーゼルターボを回して走り始めたら、それは「カングー」や「エクスプレス」など貨客両用系ルノーの世界そのもの。2905㎜(!)のロングホイールベースとしっとり動く足のコンビに癒やされる。
現地価格は「マイクラ(マーチ)」と「ジューク」の中間。日本からピックアップが消えたのは空間効率重視の結果というが、それは働くクルマとしての判断であって、遊びグルマと考えれば安くてクールでマルチに使えて快適で、若者にはスポーツカーよりササルんじゃないだろうか? ということで「サニトラ」の名前で国内導入希望。
(文と写真=森口将之)
日産タイタン
■目指すは「GODZILLA」?
試乗コースはオフロード。
「Go! Go! Full throttle!」
インストラクターに言われてアクセルを踏み込むと、ピックアップトラック「タイタン」は、静止状態から極めて普通に加速する。「それがどうした?」と思われるでしょうが、このテスト車、実は9300ポンド(約4200kg)もある荷車を引っ張っているのだ。
力の源は、317hpと53.2kgmを発生する5.6リッターV8エンジン。そのままの状態で、曲がる・止まるも平和にこなす。石ころだらけの道なのに、乗り心地はとてもいい。ちゃんと後席もある。なるほど、これならアメリカやメキシコのユーザーも大満足というわけだ。
……と思いきや、そう甘くはないらしい。アメリカを中心とする年間200万台のピックアップトラック市場で、北米ビッグ3のシェアは95%。残り5%をトヨタと日産が分け合っているというのが現実なのだ。
全長×全幅×全高=6204×2019×1946mm、ホイールベース4050mm(ショート版は3550mm)という体格を見ても、日本ではちょっと縁遠い印象のタイタン。2012年の販売実績は2万5436台で、まだまだ伸び代はありそうだけれど……「アメリカのピックアップトラック市場に食い込むのは簡単じゃない。まだその性質を理解しきれてない面もありますしね」と関係者も苦笑い。メジャーリーグで、頑張れ、タイタン!
(文=webCG 関/写真=日産自動車、webCG)

森口 将之
モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。ヒストリックカーから自動運転車まで、さらにはモーターサイクルに自転車、公共交通、そして道路と、モビリティーにまつわる全般を分け隔てなく取材し、さまざまなメディアを通して発信する。グッドデザイン賞の審査委員を長年務めている関係もあり、デザインへの造詣も深い。プライベートではフランスおよびフランス車をこよなく愛しており、現在の所有車はルノーの「アヴァンタイム」と「トゥインゴ」。

関 顕也
webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。
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