第221回:「死亡・重傷事故ゼロ」の実現に手応えあり
ボルボのセーフティー担当エンジニアにインタビュー
2014.01.14
エディターから一言
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東京モーターショーでは、華麗なスタディーモデル「コンセプト クーペ」が目を引いたボルボ。一方で、同社製品の本質的な価値のひとつである安全性の向上にも、努力が注がれる。セーフティー担当エンジニアに、その現状を聞いた。
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安全性は格段に高まっている
――クルマの安全性能で、ここ2、3年で最も進歩したのはドコでしょうか?
「クルマの根本的な安全性が、乗員そして歩行者の保護において向上しました」
――具体的に効果が表れていますか?
「ご存じのように、ボルボは実際の事故データを収集しています。ひと昔前と比べると安全性は格段に高まっており、ボルボ車の進歩には誇りを持っています。事故による死亡、重傷リスクは、目に見えて減っています」
――最近では、「シティ・セーフティ」「ヒューマン・セーフティ」と、革新的な技術が搭載されました。
「衝突回避のためのデバイスですね。2008年にボルボは『シティ・セーフティ』を発表し、中低速域で働く自動ブレーキを実現しました。最初は『XC60』に標準装備し、いまではすべてのモデルに装備されています。ボルボでは、スウェーデンとアメリカにおける事故データを集めているのですが、統計上からも、衝突回避に非常に有効であることがわかっています」
ブツからないクルマをつくりたい
――「シティ・セーフティ」の導入により、事故の発生率はどのくらい改善されたのですか?
「100万件ほどの事故データを解析した結果、『シティ・セーフティ』を導入してから15~20%、衝突事故が減っています」
――それはすごい!
「次のステップとして、乗員以外の人を保護する『歩行者検知機能』の充実が挙げられます。まずは2012年に、『S60』に搭載されました。そのころは、まだ車外にいる人を検知して事故を回避する、という考えは一般的ではありませんでした。けれどもS60に搭載されたことで関心が高まりました。
いますぐクルマを買うわけではない。けれども、ボルボのクルマを見ることで、クルマの外にいる人たちの安全を考慮する大切さを理解する。そうした意識の変化を見るのは、大変うれしいことです」
――イバーソンさんは、2020年までに新型ボルボによる死亡・重傷事故をゼロにする「ビジョン2020」の中心人物とうかがいました。
「現在、ボルボは“安全性のリーダー”としての地位を持っています。それをどのようにして社内、社外に伝えていったらいいだろうか? 当初は社内の、特に安全関係のエンジニアやリサーチャーに対して、経営陣の考え方をクリアに伝えるために、このスローガンを作りました。さらに社外にも、ボルボの考え方を伝えるステートメントとして使うようになりました。
最終的には、ブツからない、あるいは死亡・重傷者を出さないクルマをつくりたい。非常に野心的な目標ですが、“安全”の第一線にいる者として、それを実現できる手応えを感じています」
(インタビューとまとめ=青木禎之<Office Henschel>/写真=DA、ボルボ)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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