第869回:思わぬサプライズもいっぱい! クルマ好きのための祭典「シン・モーターファンフェスタ2026」で“最旬ニューモデル”に触れる
2026.04.24 エディターから一言“未発売のホンダ”がズラリ
自動車の魅力を体感できるイベント「シン・モーターファンフェスタ2026」が2026年4月19日、富士スピードウェイにて開催された。春の訪れを告げる自動車イベントのひとつであるモーターファンフェスタも今年で10周年。コロナ禍の2020年と2021年は開催が中止となったものの、それ以外の年では継続され、多くのクルマ好きが楽しい時間を共有する場へと成長している。気持ちを新たにすべく「シン」と銘打たれた今回は、過去最多となる3万5828人が来場し、大いに盛り上がりをみせた。
恒例の人気企画である国内外のブランドの最新モデルに試乗できる「新車大試乗会」や新旧のレーシングカーなど多彩なクルマがホームストレートを飾る「スーパーグリッドウォーク」などに加え、サーキットコースイベントでは、新旧のレーシングカーによるデモランも充実。特にホンダを初のF1コンストラクターズチャンピオンに導いた「ウィリアムズ・ホンダFW11」のデモランでは、当時1000PS超えだったといわれる1.5リッターV6ターボエンジンの快音をとどろかせた。さらにトヨタ初の本格レーシングカーである「トヨタ7」の自然吸気5リッターV8搭載車のエンジン始動や1989年のF1日本グランプリのウィナー「ベネトンB189」の展示などは、モータースポーツファンにはたまらないものだったはずだ(参照:フォトギャラリー)。
それ以外にも見どころ満載な同イベントだが、個人的に注目したのが、自動車メーカー各社による展示。そこから得られた最新情報とともにお伝えしよう。ホンダは、5月下旬発売予定の新型スポーツEV「スーパーONE」の、プロトタイプと市販モデルを合わせて展示。4台もが展示された市販仕様には実際に乗り込むこともできた。多くの来場者が車内を入念にチェックしており、クルマ好きからの関心の高さが印象的だった。同車は、軽ではなく登録車となったことで、政府や自治体の補助金が手厚くなり、予想以上に手の届きやすい価格となるらしい。現時点では、一部メディアがプロトタイプに試乗しただけで情報も限られているが(参照:試乗リポート)、現地で話したクルマ大好きのホンダの広報担当者も既に注文済みとのことなので、その面白さと完成度には期待できそうだ。
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ファンの期待に応えるスズキ
スズキの目玉は“幻の新車”となっている「ジムニー ノマド」……かと思いきや、本丸は、なんと「スイフト オーナーズミーティング」にあった。
なんと同社は、新型「スイフト」のエアロキットを含む用品装着車を極秘展示。用品担当者によると、2023年発売の4代目モデルは標準グレードのみの設定で、期待される「スイフトスポーツ」どころか、2代目より設定されていたスポーティーグレード「RS」シリーズもないのが現状だ。もともと欧州仕込みの走りのよさが自慢のスイフトだけに、最新型は標準仕様でも従来のスポーティーグレードに負けない走りを自負するが、歴代モデルのファンからは、RSの設定を望む声は少なくないそう。そこで用品チームが企画したのが、エアロや「SUZUKI SPORT」ステッカーなどのドレスアップパーツ。ブラック仕上げのエアロパーツとのコーディネートを考えて、アルミホイールもブラック塗装品に変更している。性能重視のエアロパーツではなく、ドレスアップ用のものだが、その凛々(りり)しいたたずまいは好印象だった。
市販化については検討中だそうだが、「ファンからの声次第では販売したい」とのこと。現地での反応は上々だったようなので、今後に注目したい。また、スイフトスポーツの最終型となる「ZC33Sファイナルエディション」の用品装着車も展示。こちらは、新車の販売は終了しているが、用品の販売は継続されているため、そのプロモーションだそうだ。補修対応もあるため、販売終了後もできるだけ用品の供給はしていくとのことなので、スイスポオーナーは、今のうちに欲しい純正アクセサリーを購入しておくことをお勧めする。
トヨタとマツダも夢の膨らむ展示内容
トヨタはモータースポーツの聖地、富士スピードウェイに合わせて「GR」モデルのみを展示。そのなかには、未発売のモデル「GR KART」もあった。その名が示すように、モータースポーツ用カートをGRブランドで投入することを目指している。
その特徴は、ガソリンやエンジンオイルを入れたまま“縦置き保管”ができること。さらに、「ノア」や「ヴォクシー」などのファミリーミニバンに分解なしで搭載可能なこと。子どもから大人まで対応できる、ドライビングポジションの調整幅の大きさ。自己充電式リチウムバッテリー内蔵エンジンの採用などが挙げられる。メンテナンスのしやすさなども、しっかりと考慮されている。
最大の注目点はGRモデル最安値となる価格で、35万~39万円を目標としているそうだ。気軽に購入できる価格とはいえないが、これからモータースポーツに挑戦したい人にとっては、現実的な提案といえる。今秋の発売を予定しているとのことなので、家族で楽しむとともに、将来のF1ドライバーの育成にも貢献を!
マツダは、なんと新旧の「CX-5」を同時に展示した。新旧モデルに同時に触れられる機会は、今回が初ではないだろうか。新型は、海外仕様の左ハンドル車だったが、内外装のデザインなどビジュアルの違いを確認することができた。現行型の新規受注は、ガソリン車、ディーゼル車ともに終了し、残りは在庫販売のみ。すでにマツダディーラーには、新型の価格を含めた情報が伝わっているようなので、新型を検討中の人はディーラーに出向くことをお勧めしたい。恐らく5月中には正式発表されるだろう。
貴重な「スバルWRX STI Sport#」「BYDラッコ」に触れる
スバルは、5月17日まで購入希望者の抽選申し込みを受け付けているSTIコンプリートカー「WRX STI Sport#」のプロトタイプの試乗を来場者向けに実施するというサプライズ。同車は、600台限定というだけでなく、国内ではWRX初のMT車ということもあって、かなりの争奪戦が予測される。すでに倍率は、5倍超といううわさも……。開発関係者によれば、東京オートサロン2026では決定していなかった「バランスドエンジン」の採用によって、より軽快な吹け上がりを実現。走りの気持ちよさが増しているという。またSTIパーツの採用による性能向上だけでなく、STI専用である電子制御ダンパーも、独自の味つけとなっているところに注目してほしいとのこと。展示および試乗車として、「WRブルー」だけでなく、オプションカラーの「サンライズイエロー」をまとう車両も用意。特別感の増すイエローも魅力的だ。
BYDは、オーナーミーティング参加者限定のトークショーを実施。その話題の中心は、今夏登場予定の軽スーパーハイトワゴン「ラッコ」だ。そこで明かされたのは、国産軽スーパーハイトワゴンと同等の室内の広さや、全車両側電動スライドドアが標準化されること。そして、空調にはヒートポンプ式ではなく、電気ヒーターを採用しているとのことだった。価格や搭載スペース、衝突安全性能を考量した結果だそうだが、航続距離への影響は限定的という。さらに、発売されるグレードは3タイプで、公開中のプロトタイプは、最上位グレードとなる。その最上級グレードには、電動フロントシート、ハンズフリー電動スライドドア、ヒーター付きカップホルダー、本革調シートなども装備されているそうだ。航続距離や価格などの情報は、今後、順次公開されるというから、興味のある人は、公式サイトをこまめにチェックしてほしい。
モーターファンフェスタでは、メーカーの開発担当技術者などが説明員として来場していることもあり、最新モデルの生の情報を知ることができる。次回は、気になるクルマの未来を探りに出かけてみるのも面白いかもしれない。
(文と写真=大音安弘/編集=関 顕也)
◆関連記事(フォトギャラリー):シン・モーターファンフェスタ2026の会場から
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大音 安弘
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