第16回:コージもしや「SLK」ゲット!?
上野社長直撃! メルセデスが今もゴルフを応援するワケ
2014.07.16
小沢コージの勢いまかせ!! リターンズ
石川選手の劇的逆転優勝に大コーフン!
久々にわが身のラッキーぶりを実感しましたわ。
先日初めて生観戦した、日本ゴルフツアーの「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」。優勝賞金4000万円を誇る日本でもトップクラスのトーナメントで、あの石川 遼クンから今注目の松山英樹選手、現在国内ランキングトップの小田孔明選手まで、そうそうたるメンバーが顔をそろえる大会なんだけど、そこでいきなり、遼クンの10アンダーでの大会初優勝を目撃してしまったのだ!
それも、最終ホールで1打差だった小田選手に追いついてのプレーオフ。遼クンは最終18番ホールを3回もヘビーローテーションしての劇的逆転優勝! アメリカでの武者修行からこちらはなかなか勝てずで、これがほぼ2年ぶりの優勝っていうから感慨深いよね。しかもプレーオフは3ホール全部がバーディーだったから、余計シビれたわ~。
それはさておき、なぜワタクシが北海道までゴルフ観戦に行ったのかって、それはメルセデス・ベンツ日本(以下MBJ)社長、上野金太郎さんの付き添いっていうか帯同だ。ここ何年か、特に上野体制になってからはゴルフに力を入れているとのこと。この大会でもスポンサーになっていて、上野さんは優勝者=遼クンに「SLKクラス」のカギをプレゼントしに行ったワケです。しかしホント、日本ゴルフ界最大のヒーローの復活に立ち会えたんだからラッキーよね。大会名誉会長のミスターは大はしゃぎで、セガサミーの里見 治社長も「スポンサー冥利(みょうり)に尽きる」って言ってたけど、まさにその通り。
ベンツオーナーはやっぱりゴルフがお好き
とはいえ、なぜに「クルマ」で「ゴルフ」なのか? 確かに自動車メーカーは昔からゴルフの大会を後援していて、トヨタは長らく名古屋の「中日クラウンズ」の、メルセデスは20年以上も「ダンロップフェニックス」のスポンサーをやっていた。しかし一部ではゴルフ離れも起きてて、レクサスがやっていた「ザ・チャンピオンシップ・バイ・レクサス」は2010年を最後になくなってしまった。
今回も上野社長に「ぶっちゃけ、ドイツ本社はこういうの(スポンサード)に理解示すんですか?」と聞いたら、「日本のゴルフ文化は独特なところもありますし、難しい部分はあります」とのこと。
しかし、あえて社長は自分の体制になってから、女子プロゴルフの「LPGAツアー」に「メルセデスランキング」を設けるなど、積極的にゴルフをバックアップしている。なぜなのか?
「一番の理由は、今のメルセデスのお客さまの7割がゴルフをやられるという事実。実際、今まで何回『トランクにゴルフバッグが入らない』と言われて本社を説得に行ったか(笑)。ゴルフバッグも何度送ったかわからないですよ。このサイズを何個入るようにしてくれ……とかね。
だから、僕が副社長になった時に本社から枠をもらってオーナーズ企画もやりましたし、LPGAの年間メルセデスランキングも作りました。ゴルフには好き嫌いはありますが、メルセデスを通じてゴルフを応援してもらおうと」
時代とともに変わるクルマビジネスのあり方
ゴルフ以外にも、上野体制になってからMBJはいろいろやってますよね。六本木のメルセデス・ベンツ コネクション(カフェやレストランなどの機能を備えたブランド発信拠点)とか。結構な賭けだなぁと思ってたんですが。
「実は僕は、モータースポーツ、ファッション、ゴルフを3本柱と考えていて、SUPER GTのGT300には出ているし、トライアスロンプログラムも開始してます。それはどういうことかというと、やっぱりクルマはライフスタイルを通してお声がけした方が理解されやすいんですよ。エンジンが何馬力とか、剛性が高いとか、エコロジーだとか、いくら数字を並べたところでなかなか届かない。それより『ゴルフ帰りの渋滞でラクですよ、気持ちいいですよ』と言った方が届くことがある」
それはいわゆる“ディーラーの壁”みたいなものですかね? どうしても、専門ディーラーなどのクルマだけを見に行く場所は敷居が高い。もっとユーザーに歩み寄らなければならんと。
「そうです。だから最近はスーパーのイオンモールにメルセデスのブースを設けたりしてますし、『GLAクラス』の『スーパーマリオ』だってそうです。いつまでも『メルセデスが高いのは当たり前! 技術も進んでるし』じゃダメなんですよ。古いセールスから新しいセールスに変えていかなければならない。もっといろいろやりますから見ててください(笑)」
うーむ。確かにGLAのマリオにしろ、「Aクラス」のアニメ戦略にしろ、いろいろ言う人はいるだろうし、特に昔ながらのクルマ好きに限って「意味わからない」と首をかしげるもよう。でも、確かに今のクルマビジネスは昔とは違うし、クルマそのものの存在感も変わってきている。販売も変わらなければいけないはずなのだ。
現実に2013年に5万3720台も売って年間販売記録を更新した上野ジャパン。実際、数字は付いてきている。きっとこれからもいろいろ言うヤツはいると思いますが、大胆なチャレンジとプランを期待してますわ。社長!
(文と写真=小沢コージ)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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