ベントレー・ベンテイガ(4WD/8AT)
ラグジュアリーSUVここに極まる 2015.12.26 試乗記 ベントレー初のSUV「ベンテイガ」がいよいよ公道に降り立った。スピードとパワー、そしてラグジュアリー性において、他をしのぐべく開発された“世界最高峰のSUV”、その実力やいかに?グランピングがお似合い
“グラマラスなキャンピング”で、グランピング。2015年の日本のアウトドア関連メディアではグランピングが取り上げられることがとても多かった。
数年前に、僕もチュニジアで素晴らしいグランピングを経験したことがある。首都チュニスの空港から「フォルクスワーゲン・トゥアレグ」を運転してサハラ砂漠を横断した。
途中で2泊、砂漠の中のオアシスにあるテントに泊まった。テントといっても、ベッドルームにバスとトイレまで付いた50平方メートルぐらいの部屋で、なんとエアコンまで付いていた。ヘタなホテル顔負けの豪華さだ。
昼間は17世紀の遺跡を見に行ったり、砂漠の丘を上り下りしてスタックしたり、オアシスの泉で泳いだりした。
夜は、テントの前でバーベキュー。もちろん、準備や調理は専任スタッフがやってくれるから、僕らは地平線に沈む夕日を眺めながら食前酒を傾けて、さまざまな国々からの参加者たちとの会話を楽しんだ。
美味なる料理を楽しんだ後は、バーカウンターのある大きなテントに移って、会話の続きだ。途中で再び外に出て、星が降るような夜空を満喫することもできた。
本当にグラマラスなキャンプだった。参加者が行うのは楽しむことだけで、準備や後片付けなど面倒なことはすべてスタッフが行ってくれる。食事や宿泊、アクティビティーなどはすべて超一流の内容で、たいがいのホテルよりも心地良く、それでいて自然の中での楽しみは最大限に享受することができる。
「effortless」という形容詞が高級車の修飾に用いられることがあるけれども、グランピングこそまさにeffortlessなアウトドアアクティビティーだ。
そして、ベントレーが初めて生み出したSUV、ベンテイガに南スペインのマルベーリャで乗って、最初に思い浮かんだのはグランピングのことだった。地球上のどこであれ、グランピングに乗って行くのにふさわしいクルマはベンテイガが一番だと思ったからだ。
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外も内もベントレーそのもの
ベンテイガのルックスはご覧の画像の通り。丸型4灯のヘッドライトとメッシュのフロントグリル、前後フェンダーやエンジンフードのエッジなどのディテールは大胆さと繊細さを絶妙に組み合わせたもので、現行のベントレーと共通している。全長5141×全幅1998×全高1742mmという特大のサイズを感じさせず、引き締まって見える。
豪華で超上質な車内の様子も、ベントレーそのものだ。「金属に見えるものは金属、革に見えるものは革、木に見えるものは木を用いる。フェイクはない」と標榜(ひょうぼう)してきた通り。マルチファンクションモニターが大型化され、その周囲のスイッチ類もアップデートされている。
ダッシュボード中央部分に標準で装備されるブライトリング製クロックの代わりに、オプションで同じブライトリング製のトゥールビヨン機構を備えた機械式クロックを付けることもできる。その場合、車両価格の半分にあたる15万ユーロ(約2000万円!)もの追加料金が注文書に記載されてしまう。
「同じものが卓上用としても用意されていますから、セットでいかがでしょう?」
ジョークなのか本気なのか?
CEO兼チェアマンのヴォルフグガング・デュラハイマー氏はポルシェ時代から絶対に笑顔をメディアに見せなかったけれども、それは今でも変わらない。
静かで滑らかで、そして重厚
走りだして、最初に感じられるのは静粛性の高さだ。風切り音やタイヤノイズの方が気になるくらいだ。
もうひとつ驚かされるのは、路面からの大小さまざまなショックをほぼ完全に遮断していることだ。舗装のつなぎ目や段差、粗めの粒子のアスファルトなどを微(かす)かに認識することはできるけれども、それは一瞬で過ぎ去ってしまう。これほど静かで滑らかで快適なSUVには乗ったことがない。
608psと900Nm(91.8kgm)はだてではなく、右足の少しの踏み込みだけでベンテイガを軽々と加速させていく。重厚かつ滑らかに、静々と加速していく。荒々しさやたけだけしさのような振る舞いが一切ないのもまたベントレーそのものだ。
ベンテイガには「ベントレー・ダイナミック・ライド」という、SUVでは世界初の電動アクティブスタビライザーが組み込まれている。コーナリング時にロールを抑えて内側のタイヤの接地性を高めて、乗り心地とハンドリングを向上させるためのものだ。その効能は極めて自然で、ロールは感じさせるがロールスピードはよく制御され、姿勢変化による乗員の動きが最小限に抑えられている。コーナリング時にはボディーの大きさを感じさせない。
オフロードの走破性も上々
気になる悪路走破性能も上々だった。森の中のオフロードを10kmほど走り、急な傾斜や凹凸もクリアすることができた。ベンテイガはトルセンタイプのセンターデフで前後にトルクを配分しているだけなので、今回は体験しなかった岩場やぬかるみなどでは副変速機が必要となってくるだろう。
しかし、岩場やぬかるみを自分で走るようなドライビングは冒険の類いに入るようなものだから、グランピングで副変速機は必要ない。
「現行のトゥアレグや『カイエン』に副変速機がオプションで設定されているように、ベンテイガでもそれは可能だ」(開発担当取締役ラルフ・ピーシュ氏)
いずれにせよ、ベンテイガにはさまざまなモデルや装備などが今後、追加されていくようだ。ベンテイガは、ベントレーが開発目標に掲げた通りの「最もラグジュアリーで、最もハイパフォーマンスなSUV」として仕上がっていたことは間違いなく、超高級SUVという新しいセグメントを作り出した。ベンテイガに乗って、グランピングに出かけたい。
(文=金子浩久/写真=ベントレーモーターズ)
テスト車のデータ
ベントレー・ベンテイガ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=5141×1998×1742mm
ホイールベース:2992mm
車重:2422kg
駆動方式:4WD
エンジン:6リッターW12 DOHC 48バルブ ツインターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:608ps(447kW)/5250-6000rpm
最大トルク:91.8kgm(900Nm)/1250-4500rpm
タイヤ:(前)275/50R20/(後)275/50R20
燃費:12.8リッター/100km(約7.8km/リッター、EU複合モード)
価格:--円/テスト車=--円
オプション装備:--
テスト車の年式:2015年型
テスト開始時の走行距離:--km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:--km/リッター

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