トヨタ・プリウスA“ツーリングセレクション”(FF/CVT)/プリウスE(FF/CVT)
燃費だけのクルマにあらず 2016.01.22 試乗記 ハイブリッドカーの先駆けである「トヨタ・プリウス」が4代目にフルモデルチェンジ。シリーズ最高で40.8km/リッター(JC08モード)という燃費性能や、このクルマで初採用されたトヨタの次世代技術「TNGA」など、話題満載の新型の走りをリポートする。TNGAの潜在能力の高さを感じさせる
一部のグレードでとはいえ、ついに“大台”であるリッター40km台に燃費を乗せた、4代目となる新型プリウス。数値だけでなく、これからのトヨタのクルマづくりの未来を占う「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」の初採用車種であるなど、話題性も十分である。
正直に言えば、過去のどんなクルマでも日々の“実走”でカタログ数値通りの燃費なんて出せるわけがなく、いまやユーザーだってそんなことはわかっている。それでも数値を聞くだけで大きな期待を抱いてしまう。新型プリウス、事前予約があったとはいえ「1カ月で10万台の受注」とは売れすぎだろう。すでにグレードやオプションにもよるが納期にいろいろと影響が出てきている。もっとも、こうなることはトヨタだって絶対に織り込み済みでビジネスをしているはず。このプリウスの独走状態は、しばらく続くことだろう。
そんな数字の話はさておき、クルマはやはり乗ってナンボである。そしてこのクルマ、やはりしっかりできているのである。タイヤの空気圧は高く、見た目も膨れ上がった風船のような印象を受けるのだが、乗り心地、特にギャップを乗り越えた際のショックの入り方が良好なのには驚いた。静粛性も高く、トヨタのハイブリッドカーに共通するアクセルを大きく開いた際のうなるようなエンジン音が、かなり“足元のさらに奥”で聞こえるようになっている。筆者の胴長な体形も手伝って、新型の自慢のひとつである視界の良さも十分に体感できた。先進安全装備である「Toyota Safety Sense P」は上級グレードに標準装備。下位グレードでも8万6400円のメーカーオプションではあるが選ぶことができる。
気になる燃費に関しても、お世辞にもエコ運転がうまいとはいえない筆者でさえ、高速道路と一般道を思う存分走っての燃費はメーター読みで30km/リッターを超えた。“燃費スペシャル”の「E」での数値とはいえ、比較のために試乗した旧型が大体20~22km/リッターだったので、大きな進歩といえるだろう。高速走行時に、状況にもよるとはいえ車速100km/hの状態でもエンジンを停止して電気のみで走れるようになったことや、何よりも新たに採用されたリチウムイオン電池が燃費向上に大きく効いている。
さまざまな新機軸を取り入れた初物づくしのクルマでありながら、これだけしっかりとした走りや乗り心地を実現できていることに驚いた。正直、まだTNGAのポテンシャルについては理解しきれていない部分が多いのだが、その実力の片りんには触れることができた。この技術そのものに対する評価については「TNGA搭載2号車」に乗るまで楽しみにとっておくことにする。
(文=高山正寛/写真=写真=峰 昌宏)
【スペック】
プリウスA“ツーリングセレクション”
全長×全幅×全高=4540×1760×1470mm/ホイールベース=2700mm/車重=1370kg/駆動方式=FF/エンジン=1.8リッター直4 DOHC 16バルブ(98ps/5200rpm、14.5kgm/3600rpm)/モーター=交流同期電動機(72ps、16.6kgm)/トランスミッション=CVT/燃費=37.2km/リッター/価格=292万6800円
プリウスE
全長×全幅×全高=4540×1760×1470mm/ホイールベース=2700mm/車重=1310kg/駆動方式=FF/エンジン=1.8リッター直4 DOHC 16バルブ(98ps/5200rpm、14.5kgm/3600rpm)/モーター=交流同期電動機(72ps、16.6kgm)/トランスミッション=CVT/燃費=40.8km/リッター/価格=242万9018円
※写真はいずれもプリウスA“ツーリングセレクション”
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高山 正寛
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