ターボ化されて断然乗りやすくなった
ポルシェ初のターボエンジン搭載モデルである「911ターボ」が発表されたのは1974年のこと。これはスポーツカーメーカーとしては異例に早いタイミングで、以来、ポルシェは911のフラッグシップモデルとして“ターボ”を綿々とラインナップしてきた。いっぽうで、911ターボ以外のモデルにはこれまた連綿と自然吸気エンジンを採用してきたのも紛れもない事実。そんなポルシェが、「カレラ/カレラ4」と「カレラS/カレラ4S」の“911カレラ系”にもついにターボエンジンを投入したのは2015年後半のこと。その第一印象はいかなるものだったのか? 911カレラSを操った直後の谷口信輝に語ってもらった。
「例えばクルマの剛性感とかコーナリングの印象とか、そういう基本的なフィーリングはこれまでの911と大きくは変わっていないと思います。でも、エンジンははっきりと違いますね。いままで911に積まれていた自然吸気エンジンは、やっぱり回転を上げてパワーを出す感じだった。だから、回せば回すほど気持ちよくなっていくけれど、本当の速さを一般公道で引き出すのは簡単じゃなくて、突き詰めたことをいえば、やっぱりサーキットを走ることでしかポルシェの神髄って体験できなかったような気がします」
しかし、ターボエンジンを積むタイプ991 IIの911カレラSは違っていたようだ。「いかにもターボらしく、ブーストでぐいぐいトルクを出している。回転数でいうと、2500rpmでブーストは効き始めていて、3000rpmではもうフルブーストって感じ。だから、そんなにギアチェンジしなくても元気に走ってくれるので、新型のほうが断然乗りやすいですね」
ただし、ターボを装着した恩恵で中低速域のトルクはぐんと分厚くなったものの、ターボエンジンに付きもののネガはあまり感じられなかったようだ。「たしかにトップエンドのフィーリングは、これまでとは微妙に違うかもしれないけれど、レブリミッターまではちゃんと加速する。もっとも、僕たちレーシングドライバーは、タコメーターとか見なくても、この辺がピークトルクだと感じたらすぐにシフトアップしちゃうので、レブリミッターまで使う機会はあんまりないんです。それでも上まで引っ張ったときに“へこたれる”ような印象は一切ありませんでしたね」
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