BMW i3(前編)
2016.08.25 谷口信輝の新車試乗 SUPER GTや86/BRZ Raceなど、数々のモータースポーツシーンで活躍中のレーシングドライバー谷口信輝が、本音でクルマを語り尽くす! 今回の試乗車は当連載初の電気自動車(EV)である「BMW i3」。“駆けぬける歓び”の未来形を提案するプレミアムEVを、谷口はどう評価するのだろうか。ドラテク不要のクルマ!?
谷口信輝が運転するBMW i3は箱根のワインディングロードをかなりのペースで駆け上がっていく。そのことは、助手席に腰掛ける私の全身に強い横Gがかかっていることからも明らかだが、このとき谷口は意外な言葉を口にした。
「これ、タイヤがへっぽこですね」
まさに一刀両断、まるで救いようのない言葉だ。
「それにアシの設定が微妙というか、いろんな制御が入りまくっていますね」
たとえば、どんな制御が入っているのか?
「あのー、ブレーキをチョイチョイってつまむヤツですよ」
どうやら、イン側の後輪などに軽い制動力を与えてヨーモーメントを作り出すトルクベクタリングのことを指しているようだ。
「あとはパワー制御も結構入ってきますよね。だからクルマの運動性能は全部クルマの“管理”で決まっているっていう感じ。おかげで、ほら、ここもアクセル踏みっぱなしでいけちゃうでしょ。いま、バンプで底付きみたいになった拍子に(スタビリティーコントロールの作動を伝える)警告灯がピカピカ光りましたけど、結構、いろんな制御が介入してきて、でも結果的にそのままいけちゃいますよね。だから、あんまりドライビングテクニックとか要らない感じですね」
谷口の低いテンションにこちらまで意気消沈しそうになったが、i3は生産技術、ボディー構造、レイアウト、さらには操作系にいたるまで、BMWの次世代エコカーに対する考え方がギッシリと詰まったクルマ。だから、さっと運転席に乗り込んで走り始めただけの谷口にはまだ理解してもらえていないことがたくさんあるはず。試乗を終えたらその辺の説明をしっかりしようと、このとき私は心に決めた。
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