ポルシェ718ボクスター(後編)
2016.10.13 谷口信輝の新車試乗 SUPER GTや86/BRZ Raceなど、数々のモータースポーツシーンで活躍中のレーシングドライバー谷口信輝が、本音でクルマを語り尽くす! 今回も引き続き「ポルシェ718ボクスター」に試乗する。エンジンをフラット6の自然吸気からフラット4ターボに改めたミドシップポルシェを、谷口はどう評価するのだろうか?ポルシェのドライビングには“理解”が必要
「ちょっと不安感があるよね」
ポルシェの新しい718ボクスターのハンドリングについて、谷口は開口一番にそう語った。
「なんか、いつ裏切られるかわからない感じがするんですよ」
これまでであれば、リアエンジンの「911」よりもミッドシップの「ボクスター」や「ケイマン」のほうがスタビリティー重視の設定で、安心感が強いというのが定説だった。ところが谷口はコーナリングで718ボクスターにかすかな不安を覚えたという。
「たとえば限界点がこの辺にあって、それを越えるまでは絶対に大丈夫という安心感が伝わってこなかったんです」
どうして谷口はそう感じたのだろうか?
「フロントの動きに落ち着きがないからだと思う。たとえばフロントにカナードとかリップをつけてダウンフォースを増やすか、ラゲッジルームにバラストでも積んでフロント荷重を増やしたら、この微妙な不安感を解消できるかもしれませんね」
実は谷口は「マクラーレン570S」の回でも似たようなコメントを口にしていた。
「これはミッドシップの宿命だと思いますよ」と谷口。
この言葉を聞いて、以前、彼が「レイアウト的には、僕はフロントエンジンが好きなんです」と語っていたのを思い出した。裏を返せば、谷口はフロント荷重が薄くなりがちのミドシップが苦手なのだろう。
つまり、これは718ボクスターが良い悪いというよりも、谷口の好みを反映した言葉なのかもしれない。その証拠に、谷口は「これはオーナーになってなれれば、たぶん大丈夫なはず。やはりポルシェというリアにエンジンがあるクルマでは、人間の側が機械に寄り添っていかないといけない部分があるんだと思います」とも語ったのである。
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