第437回:ディーゼルエンジンの技術革新は続く
ダイムラーが約3900億円の投資を表明
2017.09.14
エディターから一言
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ここに来て欧州の自動車メーカーは一気に電動化へ傾き始めた感がある。今回のメルセデス・ベンツの展示も、もちろん電動車両が主役だ。しかし、ダイムラーのディーター・ツェッチェ会長はモーターショーの前夜祭にあたる“メディアナイト”で、ディーゼルエンジンの技術革新に今後、約3940億円を投じると発表。ディーゼルを“将来有望なパワートレイン”と位置付けた。
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ディーゼルエンジンに大型投資
世界中のメディアを対象にしたIAA恒例のメディアナイトがメルセデス・ベンツでも開かれた。メルセデス・ベンツのブースはIAAの会場入り口に近い建物にある。毎年、その建物の正面にはダイムラーグループ各社の最新モデルが並べられているが、今年は自動運転技術を搭載した大型路線バス「CityPilot」の展示がひときわ目を引いた。CityPilotは2016年のIAAハノーバー商用車ショーでお披露目されており、同じく自動運転技術を搭載した大型トラック「Highway Pilot」のアルゴリズムをバス用に最適化したシステムを搭載している。
メディアナイトはダイムラーのトップであるディーター・ツェッチェ会長の登壇から始まった。ツェッチェ氏はここで昨今のディーゼル問題や内燃機関から電動化へのシフトについて触れながら、未来のモビリティーについて今後は課題克服のため自動車メーカーという枠組みを超えた取り組みを行う必要性があると表明した。
ディーゼルエンジンに関しては、今後30億ユーロ(約3940億円)の投資を行ってさらなるクリーンで効率の良いエンジンとしていくと述べ、ガソリンエンジンに関しても技術革新を継続するとした。電動化については、2022年までにすべてのメルセデス・ベンツが販売する全モデルに対して電動パワートレインを導入するとして、その総数は50モデル以上になることが明かされた。さらに9月中にはダイムラーグループである三菱ふそうから電動小型トラック「eCanter」の市販版がニューヨークで発表されることも付け加えられている。これらについてツェッチェ氏は、「こうした積極的な経営は利益率10.2%が確保できているためで、研究開発費は2010年からすると65%アップにあたる。これを支えるのは2013年登場の『Sクラス』の好調な販売だ」と続けた。
また、ダイムラーとしては電動化、内燃機関、そして燃料電池の3本柱を将来有望なパワートレインとして捉えていることも発表された。これは、欧州における内燃機関を絶とうとする動きに対して一石を投じるものであると筆者には感じられた。
スマートの未来形を披露
未来のモビリティーに関しては、2016年のパリモーターショーで表明された「CASE」を具現したコンセプトモデル「スマート・ビジョンEQフォーツー」が発表されたのだが、その紹介方法がとてもユニーク。大勢の俳優がミュージカル調に歌いながら、未来のモビリティーとのかかわり方が示されたのだ。
ご覧のとおりキュートなスタイルで人気を博しそうだが、一般販売は行わず主にカーシェアリング用として開発。また、2015年に発表された自動運転技術を搭載したコンセプトカー「F015ラグジュアリー イン モーション コンセプト」をベースに自動化レベル5(完全自動運転)を搭載しながら、ボディーの大部分に液晶画面を採り入れ自車周囲の歩行者たちとコミュニケーションを図るという。
メディアナイト2番目の目玉として大々的に紹介されたのはF1のパワートレインをベースにしたコンセプトモデル「メルセデスAMGプロジェクトONE」だ。舞台の上まで自走してきた車両からはF1ドライバーのルイス・ハミルトン選手が笑顔で降りてきたことから、会場は大きな拍手に包まれた。
このほか、EQブランドのハッチバックモデルで現行「Aクラス」に相当する電動車両「コンセプトEQA」や、燃料電池車両「GLC F-CELL」が発表された。GLC F-CELLはプラグインハイブリッドモデルでもあり、9kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し50km分のバッテリーによる電動走行が行える。会場の技術者は「まずはフリート販売とするが、年間4ケタ台規模の供給は確保できている。日本にも販売可能だ」と語った。
(文と写真=西村直人<NAC>)

西村 直人
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