日産リーフNISMO(後編)

2018.10.25 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 足まわりやコーナリングの制御システムにまで手が入れられた、スポーティーなEV「日産リーフNISMO」。ワインディングロードでむちを入れたレーシングドライバー谷口信輝が、その走りの質を報告する。
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使うばかりで貯蓄は苦手?

谷口信輝が語る日産リーフNISMO。前編はe-Pedalの話題に終始したが、後編ではもう少し全方位的にリーフNISMOを評価してもらうことにしよう。

「パワー感はなかなかいいですよね。さすがに『テスラ・モデルS』のようなド迫力はありませんが、どんな車速域でもまずまず速いですよ」

そこまで語った谷口が次に指摘したのがエネルギー回生のことだった。
「僕って、スマホの充電がなくなるのがイヤで予備のバッテリーを持ち歩くくらいの心配性でしょ(笑)? そんな僕からすると、リーフの電池残量を示すメーターの数字がどんどん減っていくのが気になって、気になって……。しかも、坂を上っていくときに使った電力を下り坂で回生してくれるかなあと思ったらそれほどでもなくて、ちょっと意外でした」

谷口の指摘を受けて私も試してみたが、出発地点で37%を示していたバッテリー残量メーターはワインディングロードの坂を登り切ったところで32%まで減ったが、そこから坂を下ってもとの出発地点に戻ってきたときには33%までしか上がらなかった。谷口が語る。
「たぶん『プリウス』とかで試したら、結構、もとに近いレベルまで回生すると思うんですよね」

もっとも、通常のハイブリッドモデルであるプリウスのバッテリー容量はリーフに比べて圧倒的に小さく、それだけプリウスのほうが見かけ上の回生エネルギーが大きく思えることはあるかもしれない。ただし、リーフ以外の電気自動車で同じ坂道を走った際は、出発地点に戻ってきたときのバッテリー残量がもう少しスタート時に近かったような記憶がある。

「でしょ? なんか、貯蓄ヘタっていうか、回生ヘタっていう感じがしちゃいますよね」 
そういいたくなる谷口の気持ちもわからなくはない。

 
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