アウディQ3スポーツバック35 TFSI(FF/6MT)/Q3スポーツバック45 TFSIクワトロSトロニック(4WD/7AT)/Q3スポーツバック35 TDIクワトロ(4WD/6MT)
アシに自信あり 2019.09.24 試乗記 アウディのSUVラインナップに、ファストバックスタイルのCセグメントモデル「Q3スポーツバック」が登場。ドイツ・アイメルディンゲンでの試乗を通し、2020年半ばの日本導入が予想されるニューモデルの出来栄えを確かめた。隙を生じぬドイツ勢のSUV戦略
SUVカテゴリーの人気はとどまるところを知らず、アウディの例を挙げれば、全販売台数の36.4%、つまり3台に1台をSUVが占めているという。2018年のこの数字に対し、2014年の比率は22.4%だったというから、伸びっぷりを実感するには十分だろう。
もちろん、その伸びはさまざまな車種投入によって支えられてきた側面もある。プレミアムブランドでいえば大・中・小を並べるだけでは飽き足らず、その間にファストバックスタイルのモデルを差し込むに至っているのはご存じの通り。それを“クーペ”と称するのはちょっと無理があるが、求めるユーザーのマインドとしては、まさに一世を風靡(ふうび)したスペシャリティークーペに似たところがあるだろう。
Q3スポーツバックの趣旨もまさにそこにある。欧州では2018年秋にフルモデルチェンジを受けた「Q3」の派生車種と位置づけられるが、既に「Q2」や「Q8」といった“Q+偶数”の車名を持つファストバックSUVがある中で、なぜこのモデルが「Q4」を名乗らないかは明確な答えを得られなかった。その名はさらなる別モデルのために取ってあるという臆測もあるが、商品ばかりかパワートレインまでもが多岐にわたる現況で、アウディが苦悶(くもん)しつつさまざまなトライを重ねていることは間違いないだろう。
ベース車とは印象の異なるデザイン
Q3スポーツバックのボディーサイズは全長×全幅×全高=4500×1843×1567mm。ベースとなるQ3に対して、全長は16mm長く、全幅は6mm狭く、全高は18mm低い。実際に2台を見比べると、このささいな寸法差でここまで印象が異なるかというほど、そのたたずまいは鋭く流麗だ。「アウディ・クワトロ」のDNAを継承するフェンダーのブリスターや、Q2以降取り入れたボディーサイドのインバースなど、車体はテクスチャーがバキッと際立っている。サッシュドアを採用しながらQ8にほど近い緊張感を保っているのは、十八番でもある生産精度の高さがゆえだろう。
内装のデザインはQ3に準拠しているが、ダッシュボードトリムのオーナメントやドアアームレストにアルカンターラを貼り込むなど、華やかな演出も施されている。部品のはめ込みひとつにも表れる潔癖なまでの質感追求は相変わらずだ。液晶パネルを用いるメーターは多彩なグラフィックを擁しており、インフォテインメントとのシームレスな連携を可能としている。MMI(マルチメディアインターフェイス)はコネクティビティーにも重きをおいており、Amazon Alexaとの連携およびApple CarPlay、Android Autoとの接続など、ITサービスとの協調にも配慮したものとなっているが、日本仕様がどこまでのカバレッジで導入されるかは未定だ。
20インチの大径タイヤを履きこなす
搭載エンジンはガソリン2種類、ディーゼル2種類となる。こちらも日本仕様の詳細は未定だが、ほぼ確実に導入されると見込まれるのがガソリンの1.5リッター4気筒直噴ターボだ。これは気筒休止機構に加えて48Vのマイルドハイブリッドシステムを搭載するもので、ベルト駆動のオルタネータースターターを介して、加速時にはエンジン出力の補助、減速時にはブレーキエネルギーの回収などを行う。また、40~160km/hの範囲におけるエンジンを停止してのコースティングや、20km/h以下での走行中のアイドリングストップなど、そのモーターを生かしたさまざまな省燃費制御が施されている。ちなみに、ゼロ発進時には最大50N・m、加速時には最大9kWがモーターからアシストされ、6段MTの場合では0-100km/h加速が9.6秒、最高速が204km/hという動力性能に一役買う。日本仕様は恐らく7段Sトロニックが標準となるが、この動力性能に大差はないだろう。
試乗ではこのエンジンを積んだ「35 TFSI」だけでなく、これも日本への導入が検討されているだろう2リッターディーゼルの「35 TDIクワトロ」や、最もスポーティーなバージョンとなる2リッターターボの「45 TFSIクワトロ」も体験することができた。共通していえるのは、Q3スポーツバックはCセグメント系SUVとしては特筆に値する、度量の大きなフットワークを備えているということだ。装着タイヤは3グレードともにオプション装備の中でも最も大きい255/40R20のブリヂストン。ビジュアル重視のとてもCセグメントが履きこなせるものではないように見えたが、Q3スポーツバックはそのおおげさなバネ下を跳ね踊らすことなく、見事に快適な乗り心地を実現していた。
45 TFSIもぜひ日本に入れてほしい
注記すべきは標準のスポーツサスに加えて全車マグネティックライドダンパーを装着していたことだが、乗り心地の質はモノコックや支持部の剛性・精度に起因しているところが大きく、すべてがダンパーの功(こう)というわけではない。日本仕様は欧州ではオプション扱いとなるコンフォートサスの採用が検討されているというから、さらなる快適性の向上も期待できるだろう。
コーナーではロードホールディング性のよさもさることながら、素直な回頭性や応力に努めて比例的なロール量の推移など、アウディらしい正確で無駄のないフィードバックが際立っていた。クワトロはリアの駆動からくるアクセルオンでの落ち着いた所作が印象に残ったが、FFの35 TFSIも持ち前の軽さに対して後ろ脚の粘りの強さがうまくバランスし、旋回の姿勢はきれいに安定している。1.5リッターエンジンは低回転域ではモーターのアシスト感にありがたみを覚えるものの、それに頼れない高速域では車格に対してのパワーはさすがにそれなりといった感じ。かつ45 TFSIに比べれば若干ノイジーな印象だ。35 TDIはエミッション対策の影響もあってか、極低回転域のトルクに細さを感じるも、動力性能的には十分なアドバンテージを感じさせる。が、パワーもさておき回転フィールや音・振動などの面で一頭地抜けた上質さが感じられるのは45 TFSIだった。
Q3スポーツバックの日本発表は、欧州における認証スケジュールの遅れの影響もあり、2020年の半ばになる見通しだという。果たしてベストバランスはという問いに対する答えはなかなか難しいが、人や荷物を頻繁に載せる用途に応えるためにも、インポーターには2リッターモデルの導入を積極的に検討していただきたい。
(文=渡辺敏史/写真=アウディ/編集=堀田剛資)
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テスト車のデータ
アウディQ3スポーツバック35 TFSI
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4500×1843×1567mm
ホイールベース:2680mm
車重:1535kg(DIN)
駆動方式:FF
エンジン:1.5リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:6段MT
最高出力:150PS(110kW)/5000-6000rpm
最大トルク:250N・m(25.5kgf・m)/1500-3500rpm
タイヤ:(前)255/40R20 101Y/(後)255/40R20 101Y(ブリヂストン・ポテンザS005)
燃費:6.0-5.7リッター/100km(約16.7-17.5km/リッター、NEDC複合モード)
価格:--円/テスト車=--円
オプション装備:--
テスト車の年式:2019年型
テスト車の走行距離:--km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:--km/リッター
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アウディQ3スポーツバック45 TFSIクワトロSトロニック
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4500×1843×1567mm
ホイールベース:2680mm
車重:1700kg(DIN)
駆動方式:4WD
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:7段AT
最高出力:230PS(169kW)/5000-6200rpm
最大トルク:350N・m(35.7kgf・m)/1500-4300rpm
タイヤ:(前)255/40R20 101Y/(後)255/40R20 101Y(ブリヂストン・ポテンザS005)
燃費:7.7-7.3リッター/100km(約13.0-13.7km/リッター、NEDC複合モード)
価格:--円/テスト車=--円
オプション装備:--
テスト車の年式:2019年型
テスト車の走行距離:--km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:--km/リッター
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アウディQ3スポーツバック35 TDIクワトロ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4500×1843×1567mm
ホイールベース:2680mm
車重:1710kg(DIN)
駆動方式:4WD
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ
トランスミッション:6段MT
最高出力:150PS(110kW)/3500-4000rpm
最大トルク:340N・m(34.7kgf・m)/1750-3000rpm
タイヤ:(前)255/40R20 101Y/(後)255/40R20 101Y(ブリヂストン・ポテンザS005)
燃費:5.7-5.5リッター/100km(約17.5-18.2km/リッター、NEDC複合モード)
価格:--円/テスト車=--円
オプション装備:--
テスト車の年式:2019年型
テスト車の走行距離:--km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(軽油)
参考燃費:--km/リッター

渡辺 敏史
自動車評論家。中古車に新車、国産車に輸入車、チューニングカーから未来の乗り物まで、どんなボールも打ち返す縦横無尽の自動車ライター。二輪・四輪誌の編集に携わった後でフリーランスとして独立。海外の取材にも積極的で、今日も空港カレーに舌鼓を打ちつつ、世界中を飛び回る。
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