メルセデス・ベンツC200アバンギャルド(後編)
2021.12.30 谷口信輝の新車試乗 フルモデルチェンジしたメルセデス・ベンツの基幹モデル「Cクラス」に、レーシングドライバー谷口信輝が試乗。4輪操舵システムが備わる足まわりや高効率ターボエンジンの印象について語る。「押さえて曲がる」が谷口流
以前からクルマの小回り性に強い関心を寄せている谷口信輝が、最近とくに重視している装備が4輪操舵システム、いわゆる4WSであることは前編でご紹介したとおり。今回、谷口に試乗してもらったメルセデス・ベンツC200アバンギャルドも、車両価格が600万円台であるにもかかわらず4WSをオプション装着できることがウリのひとつで、今回の試乗車にもメルセデスが「リアアクスルステアリング」と呼ぶ4WSが装備されていた。おかげで、その小回り性のよさに谷口はすっかりほれ込んでしまった様子だったが、同じ4WSを装着した『Sクラス』などとは、微妙に感触が異なるという。それをひとことで言えば、コーナーの進入で一度押しつぶしたはずのサスペンションスプリングやタイヤなどが、コーナーの途中で押し返してくるような反応を示すのだという。
「サスペンションスプリングやタイヤのように、荷重をかけたときに反力を発生するものに関しては、ターンインでそれを押しつぶしてからコーナーに進入していくのが僕のドライビングスタイルなんです」
谷口が言いたいのは、おそらくこういうことだろう。スプリングやタイヤをゴム風船に例えると、荷重をかけたときにそれらが膨らんだり縮んだりを繰り返すような状態だとすれば、コーナリング中にもボディーが上下して姿勢が落ち着かなくなる。そこで、ゴム風船が「もうこれ以上は縮めない」というところまで押しつぶした状態にできれば、ボディーが上下せずに安定した姿勢でコーナリングできることになる。そういう状態でコーナリングすればタイヤから安定したグリップを引き出せるうえ、なにか急な変化が起きたときにも素早く対応できるというのが、谷口のドライビングスタイルの根本にあるのだろう。だからこそ谷口は、今回、こんな話を聞かせてくれたのである。
「反力を発生するもののなかには、荷重をかけてもそれを押し返そうとするものがあります。そういうときは、押し返されないように荷重をかけ続けたり、少しずつ荷重を増していったりします」
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