「三菱デリカミニ」はまだ遠い 今こそタフ系ユーズドカーのすすめ
2022.11.14 デイリーコラムはやりの“タフ”は過去にもある
今、時代は“タフな感じのモノ”へと向かっているのかもしれない。
2022年8月に発売された「スズキ・スペーシア ベース」のことを「おっ? タフな感じでカッコいいじゃん」なんて思っていたら、翌月には、こちらもタフなイメージの「タント ファンクロス」がダイハツから登場して話題となった。さらに直近では、同年11月4日に三菱がタフな新型軽「デリカミニ」の外観デザインを発表し、そのタフギアっぽいデザインにシビれまくる人間が続出している。
タフ(tough)とはすなわち「丈夫な、頑丈な」という意味を持つ英語だが、それを想起させるデザインがはやるというのは、昨今の若い男子諸君の一部があまりにも中性的になっていることへの反動のようなものか、はたまた戦争や巨大な自然災害などを目の当たりにしたわれわれの潜在意識が、知らず知らずのうちにそういったタフネスを希求させるのだろうか?
まぁそういった“分析”は高名で聡明(そうめい)なセンセイ方に任せるとして、筆者のごとき俗人はただ単にそれを買い、わが人生を堪能するのみである。ぶっちゃけすげえ欲しいぜ、三菱デリカミニ!
……と思ったわけだが、メーカーの資料をよく読むと、デリカミニの発売は2023年の初夏であるらしい。ってことはまだ半年以上先じゃないか! ていうか実質的には(たぶん)あと1年ぐらいは待たないと乗れないわけか!
タイム・イズ・マネーな現世にあって、無為な1年間を過ごすのは多大なる損失。しかも筆者のような中高年が、残された健康寿命内の貴重な時間を無駄にするわけにはいかない――ということで今回は、供給不足が続く昨今の新車と違って長い長い納車待ちをする必要がない、「中古のタフ系モデル」を検討してみることにしよう。
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再び輝く、ちょい古モデル
【日産エクストレイル(2代目)】
タフな感じのクルマといえば、まずはコレだろう。テレビCMなどで「TOUGH GEAR(タフギア)」と自ら連呼していたSUVの2代目である。2022年7月に登場した現行4代目も性能的には当然ながらかなりタフなわけだが、内外装デザインが洗練されすぎているような気もする。
その点、2代目のこちらは若干“いなたい”エクステリアデザインであり、そこが「逆にイイ!」と感じるのだ。戦場の最前線でいちいち髪型や着こなしを気にしている将兵はいないのと同様に、タフなクルマも、デザインは若干いなたいぐらいのほうが“最前線感”が漂うものだ。
さまざまなグレードが存在する2代目「エクストレイル」だが、タフ感が最も強いのはやはりディーゼルエンジン搭載グレードだろう。その中古車流通量はまずまず豊富で、走行5万kmぐらいの物件でも、総額180万円前後で普通に見つけることができる。
【トヨタFJクルーザー】
言わずと知れた「ランドクルーザー プラド」をベースとするラダーフレームシャシーに、ランドクルーザーFJ40型のイメージを引用したレトロっぽいボディーを架装した大型本格SUVである。かなりカッコいいと思うのだが、2018年1月に販売終了となってしまった。全長4635mm×全幅1905mm×全高1840mmというボディーサイズが、日本の道には合わなかったのだろうか?
だが今にしてみるとこのスリーサイズ、大してデカすぎはしない。全長は現行型の「スバル・レガシィ アウトバック」より短く、車幅はアルファ・ロメオの「ステルヴィオ」と同じだ。中古車の流通量も豊富で、価格は――ピンキリではあるものの、支払総額で290万円ぐらいをみておけば、まあまあいいモノが狙えそうである。
【ホンダ・エレメント】
……この時点で予定していた文字数を超過してしまったので、以下は手短にいこう。「ホンダ・エレメント」。2003年4月に発売された、北米のホンダが企画したクロスオーバーSUVである。Bピラーレスの観音開きドアが特徴だ。走りや安全装備はともかく、このデザインは2022年も終わろうという現在にあっても超絶魅力的。中古車価格は総額70万~260万円と幅広いが、総額150万円付近でまあまあ悪くないやつが買えそうな気配がある。
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150万円も出せれば……
【ホンダ・クロスロード】
2代目「ホンダ・ストリーム」の車台を流用してつくられた、3列7人乗りのクロスオーバーSUV。まぁ「タフな男」を目指す筆者としては3列目シートのことなど眼中にないのだが(狭いし)、この“どスクエア”なフォルムは、タフギアとしての資質が発露しまくっている。現代のセンスでもってタフなイメージにカスタマイズされた中古車は総額100万~170万円ぐらいで、ノーマル車が総額50万~100万円ぐらいというイメージだ。
【フォルクスワーゲン・クロスポロ(2代目)】
「FF車の最低地上高をちょっと上げて、SUVっぽいバンパーとかフェンダーとかを付けただけのコレの、どこが“タフギア”なんだ!」という批判も予想されるが、まぁいいではないか。自称タフな男(を目指している男)である筆者も、実際にクルマで走るのは9割方以上が舗装路なので、これでもいいっちゃいいのである。
そして最低地上高が(普通のハッチバックよりは)高く、邪魔にならないサイズのクルマというのは、普通のFFであっても意外とタフに使えるものだ。中古車価格は総額50万~160万円ぐらいだが、筆者だったら総額100万円前後のゾーンで探すだろう。
このほか「ダイハツ・ネイキッド」や、顔つきが電気シェーバーっぽくなる前の「三菱デリカD:5」(2007~2018年)なども気になるところではあるが、文字数は尽きてしまった。「機会があればまた後日」ということにさせていただく。では、御免!
(文=玉川ニコ/写真=三菱自動車、本田技研工業、日産自動車、トヨタ自動車、郡大二郎、webCG/編集=関 顕也)
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玉川 ニコ
自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。
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