ロータスが1960年代に企画した幻のレーシングマシンを現代の技術で新規開発 10台限定で発売

2023.08.21 自動車ニュース webCG 編集部
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ロータス・タイプ66
ロータス・タイプ66拡大

英ロータスは2023年8月18日、米カリフォルニア州モントレーで開催されたザ・クエイルモータースポーツギャザリングにおいて、少量生産車「タイプ66」を発表した。10台を限定生産し、100万ポンド(邦貨にして約1億8520万円)以上で販売する。

 
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今回発表されたロータス・タイプ66は、1960年代後半にCan-Am(カンナム)レースシリーズの参戦マシンとして設計された図面をもとに、最先端のレーシングテクノロジーとコンポーネントを用いて完成させた車両である。ロータスはタイプ66を、同社のアーカイブから再発見され再構築された“失われたロータスのトラックカー”と紹介。21世紀のパフォーマンスと安全性を追加したユニークなリバイバルプロジェクトで、「ドライバーを50年以上前のモータースポーツの舞台にタイムスリップさせる」と説明している。

タイプ66は同じ時代に設計され、最も成功したF1シャシーである「ロータス・タイプ72」と多くの革新的な特徴を共有。フロントウイング用のスペースを確保したサイドマウントラジエーターや、当時のルマン24時間レースに参戦した耐久マシンに似たリアセクションなどを特徴としたが、ドローイングやスケールモデルの製作にとどまり、実車は実戦デビューすることなくプロジェクトが終了した。

21世紀によみがえったタイプ66の開発で重要な役割を果たしたのは、クラシック・チーム・ロータスのマネージングディレクターであり、ロータスの創始者コーリン・チャップマン氏の息子であるクライブ・チャップマン氏。ロータスのデザインチームは、クライブ氏が所有していた資料をもとに、現代の知見を加え新しいタイプ66を開発した。

ロータスのデザインディレクター、ラッセル・カー氏が率いるチームは、最先端のコンピュータープログラムを駆使し、提供された4分の1スケールと10分の1スケールの図面をデジタル化。3Dレンダリングによるまったく新しい視点から、このクルマの開発に着手した。

オリジナルのスケッチはコーリン・チャップマン氏が手がけた初期のマシンデザインに忠実で、ドラッグを減らし、リアウイングへのエアフローを改善するコクピットエンクロージャーが特徴だったというが、1000時間以上の数値流体力学作業が費やされた結果、21世紀のタイプ66は時速150マイルで800kgを超えるダウンフォースを獲得。ドライバーの安全性と車両のパフォーマンスの両方を向上させ、ラップタイムを短縮するという。

シャシーは押し出し成型アルミニウムセクション、アルミニウムハニカムパネルなど、当時をほうふつさせる素材で構成。現代の安全基準に適合させたフルカーボンファイバーのボディーシェルには、近代化されたパッセンジャーコンパートメントが組み込まれている。シーケンシャルトランスミッションやアンチストールシステム、レース用ABSなどの搭載もトピックとなる。

フロントウイングは、車体前方を通りリアウイングの下に空気が流れるように設計され、フルスピードで車体総重量以上のダウンフォースを発生。空気の流れが車体を取り囲むのではなく車体の中を通り抜けるというコンセプトは、今日でもロータスの特徴的な要素であり、スポーツカーの「エミーラ」やSUVの「エレトレ」、ハイパーカーの「エヴァイヤ」にも見られる。

ハンドリングを最適化するためにミドマウントされたV8プッシュロッドエンジンは、特注のアルミニウム鍛造クランクやピストン、ロッドなどといった現代のコンポーネントによって構成され、850bhp/8800rpm以上の最高出力と746N・m/7400rpmの最大トルクが目標値としてアナウンスされている。そのパフォーマンスは現代のGT3マシンに匹敵するという。

(webCG)

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