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最高出力は203PSで確定!? 2024年秋登場の「ホンダ・シビックRS」の姿が見えてきた

2024.02.01 デイリーコラム 工藤 貴宏
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ライトなスポーティーグレードの「RS」

東京オートサロン2024で、ホンダが突如発表した「シビックRSプロトタイプ」。公式には「6段MT専用グレード」「走りのみならず操る喜びに磨きをかけ」「この秋の発売に向けて開発を進めている」くらいしか明らかになっていませんが、いったいどんなクルマなのか興味津々なホンダファンも多いんじゃないでしょうか。

まず「RS」についておさらいしておくと、国内だと「フィット」や「N-ONE」などに用意されるスポーティーグレード。ちょっと前だと「ヴェゼル」とか「ジェイド」にもありました。ルーツは初代シビックに用意された、エンジン出力を上げつつサスを操縦安定性重視に仕立てたスポーティー仕様の「シビックRS」。ちなみに「RS」は「レーシング・スポーツ」の略ではなく「ロード・セイリング」とされています(オイルショックという当時の社会背景を受けてそう説明したという説あり)。

というわけで時を現代に戻してフィットRSを見てみると、RS専用として備わるアイテムはスポーティーな専用コーディネートの内外装に「SPORTモード」を用意するドライブモードスイッチ、減速セレクター(パドル)、そして専用サスペンションなど。パワートレインのメカ部分にまでは手を入れておらず、気軽なスポーティーグレードといったキャラクターになっています。

N-ONEになると他のグレードにはないMTを搭載するなどもうちょっと違いがありますが、いずれにせよバリバリのスポーツモデルではない仕立てといえそう。「『タイプR』や『タイプS』まではいかないけれど、スポーティーな仕立てが好きな人向けの仕様」といったところでしょうか。

東京オートサロン2024で世界初公開された「ホンダ・シビックRS」のプロトタイプモデル。2024年2月10日~12日開催の大阪オートメッセ2024にも展示される予定だ。
東京オートサロン2024で世界初公開された「ホンダ・シビックRS」のプロトタイプモデル。2024年2月10日~12日開催の大阪オートメッセ2024にも展示される予定だ。拡大
2022年10月に追加設定された「フィットRS」。現行型フィットでは初めてのスポーティーグレードだ。
2022年10月に追加設定された「フィットRS」。現行型フィットでは初めてのスポーティーグレードだ。拡大
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名前のイメージよりも変更点が多い?

そしてこの秋には、シビックにもそんなRSが追加されるということが確定。東京オートサロンのプレゼンテーションでは「世界初公開」と説明されたので「確かタイにもあったような……」と思って調べたら、タイで売っているシビックRSは4ドアセダンボディー(日本は5ドアのみ)かつガソリンエンジンではなく「e:HEV」(ハイブリッド)専用グレードでした。つまり名前こそシビックRSでタイ仕様も日本仕様も同じだけれど、ボディーだけでなくパワートレインも全然違うモデルってことです。

じゃあ日本のシビックRSがどんなクルマかといえば、漏れ伝わってくる言葉によると「タイプR未満、普通のシビック以上」とのこと。キレッキレじゃないけどいいあんばいに走りが楽しいスポーツグレードくらいの感じでしょうかね。

肝心な車両の概要に関しては現場で取材してもなかなかガードが堅くて情報を漏らしてくれないのですが、どうやらエンジンは1.5リッターターボっぽい雰囲気。そのうえで「運転する楽しさが増しています」とか「RSというネーミングのイメージよりも(通常モデルから)変更部分が多くて走行性能が上がっています」といったヒントが伝わってきました。

なかには「VTECターボに関してみなさんからご指摘いただいたウイークポイントを改善しているんじゃないでしょうかね? ダウンサイジングユニットですからねぇ」なんていうヒントも、意味深な笑みとともに……(笑)。

ウイークポイントってなんだ? と考えてみたら、低回転域のトルクが厚いダウンサイジングターボゆえにスポーティーに運転しようとすると高回転の刺激が少ないことや、アクセルオフ時の回転落ちがよくないことを思い出しました。というわけで、筆者としてはパワーアップとともにそのあたりを改善してくることを予測します。

「運転する楽しさが増しています」とされる「シビックRS」。「フィット」や「N-ONE」のRSよりも踏み込んだチューニングが期待できそうだ。
「運転する楽しさが増しています」とされる「シビックRS」。「フィット」や「N-ONE」のRSよりも踏み込んだチューニングが期待できそうだ。拡大
リアに貼られた「RS」のバッジ。フロントグリルにも同じものが備わっている。
リアに貼られた「RS」のバッジ。フロントグリルにも同じものが備わっている。拡大

RSの正体はアメリカ向けの「Si」か

そんなふうにイメージを膨らませていたら、大きなヒントを見つけましたよ。シビックRSと関係ありそうなクルマが海の向こうに存在するじゃないですか。アメリカで販売している「シビックSi」(セダン)です。

シビックSiも1.5リッターターボエンジンにMTを組み合わせるのですが、通常モデルとの違いを見ると、けっこう大きく手が入っていることにびっくり。アーム類のブッシュをシビック タイプRと同じ仕様にしたうえで専用サスペンションを装着し、ブレーキを大型化。シフトレバー取り付けブラケットをタイプRと同様としてフィールを改善した6段MT、応答時間が短いシビック タイプRのレブマッチングシステムを採用してシフトダウン時のエンジン回転を制御など、その変更範囲の広さだけでなく内容の細かさに驚き。というかタイプRから展開するアイテムが多いのも面白いですね。

気になるエンジンは、まず出力をノーマルの182PSから203PSまでアップ(6000rpmで発生)。しかも単にパワーアップしているだけではなく、最大トルクの発生回転域を上げることでパワーの伸びも6000rpmからレッドゾーン手前の6500rpmの間で盛り上がるようにチューニングしているのだとか。つまり高回転域の刺激が高まっているというわけなのです。

そのうえでフライホイールは(Siの従来モデルに比べて)約26%軽量化。フライホイールを軽くするということは……つまりアクセルオフ時の回転落ちがよくなるということですね。

アメリカで販売されている「シビックSi」。「セダン」にはSi、「ハッチバック」には「タイプR」とすみ分けがなされているようだ。
アメリカで販売されている「シビックSi」。「セダン」にはSi、「ハッチバック」には「タイプR」とすみ分けがなされているようだ。拡大
「シビックSi」の1.5リッター4気筒VTECターボエンジンは最高出力200hp(203PS)/6000rpmと192lb-ft(260N・m)/1800-5000rpmを発生する。
「シビックSi」の1.5リッター4気筒VTECターボエンジンは最高出力200hp(203PS)/6000rpmと192lb-ft(260N・m)/1800-5000rpmを発生する。拡大
「シビックSi」の変速機は6段MTのみの設定。スペック表には「with Rev Match Control」と記されている。
「シビックSi」の変速機は6段MTのみの設定。スペック表には「with Rev Match Control」と記されている。拡大

値段は400万円ちょっとくらい?

シビックRSにはパワーユニットをはじめとしてそんなシビックSiのメカニズムが横展開されるのではないか。それが筆者の見立てです。

だとすれば、「RSというネーミングのイメージよりも変更部分が多くて走行性能が上がっています」というヒントにも納得ですからね。

「普通のシビックでは物足りないけれど、タイプRではとがりすぎていて」という人がターゲットでしょう。

気になる価格はどのくらいか?

通常のシビックのガソリン車の価格は324万0600円から359万0400円。そしてシビック タイプRの価格が499万7300円。そんな上下関係から考えると“400万円プラスα”くらいでしょうかね。あくまで予想ですが。

間違いなく言えるのは、期待してよさそうだってことです。そして仮に、予想したようにSiと同様にかなり手が入った仕様で登場するのであれば「名前は『タイプS』でいいんじゃないの?」と思ったのはここだけの内緒にしておきましょう。

(文=工藤貴宏/写真=本田技研工業、webCG/編集=藤沢 勝)

「シビックSi」の足まわりは「タイプR」の知見を生かした専用セッティング。リミテッドスリップデフも標準装備だ。
「シビックSi」の足まわりは「タイプR」の知見を生かした専用セッティング。リミテッドスリップデフも標準装備だ。拡大
「シビックSi」は上下ともハニカムパターンのフロントグリルでスポーティーなイメージを強化している。
「シビックSi」は上下ともハニカムパターンのフロントグリルでスポーティーなイメージを強化している。拡大
「シビックRS」のプロトタイプも上下ともハニカムパターンのグリルを採用。バンパーは「シビックSi」とは異なる形状だ。
「シビックRS」のプロトタイプも上下ともハニカムパターンのグリルを採用。バンパーは「シビックSi」とは異なる形状だ。拡大
工藤 貴宏

工藤 貴宏

物心ついた頃からクルマ好きとなり、小学生の頃には自動車雑誌を読み始め、大学在学中に自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。その後、バイト先の編集部に就職したのち編集プロダクションを経て、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。別の言い方をすればプロのクルマ好きってとこでしょうか。現在の所有車両は「スズキ・ソリオ」「マツダCX-60」、そして「ホンダS660」。実用車からスポーツカーまで幅広く大好きです。

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