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オーダーストップの「ジムニー ノマド」に代わる小型SUV選び

2025.02.19 デイリーコラム 工藤 貴宏
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4年分が4日で売れた

話題のモデルなのですから、「納車1年待ち」くらいにはなると思っていましたよ。

だけどだけど、ふたを開けてみたら5万台の注文を受けて、それは1200台という目標月販台数から計算すれば、4年弱に相当するバックオーダー。マジですか?

まさか正式発表からわずか4日で受注停止になってしまうなんて、それを予測できなかったワタクシも猛省いたします。

……ここまで説明しただけで、クルマ事情に明るい読者諸兄ならどの車種のことを言っているのか分かったんじゃないですか。そう、「スズキ・ジムニー」のロングボディー・5ドアバージョンである「ジムニー ノマド」(以下ノマド)のことです。それにしても、まさか4日でオーダーストップがかかるとは。こういうのを“瞬殺”っていうんですかね。

まあ、そもそも論でいえば1200台という毎月の日本向け販売設定台数が少なすぎるというわけですが、スズキだって「4年弱待ち」を放置しておくはずがないので日本向けの供給台数を増やしてくれると信じるしかありません。参考までに国内で生産しているジムニーはあまりの人気を受けて、生産体制の見直しを繰り返しました。今では当初の2倍以上にまで供給力を引き上げて対応。そんな過去があるので、ノマドもそうなってくれることに期待しましょう。

とはいえ、現時点ではオーダーストップ。買えないものは仕方がない。……というわけで、今回は「買えないノマドの代わりにどれを買えばいいか」というのを考えてみようじゃないですか。

2025年1月30日に国内導入が発表され、2月3日に受注停止が発表された「スズキ・ジムニー ノマド」。発売は4月3日の予定だ。
2025年1月30日に国内導入が発表され、2月3日に受注停止が発表された「スズキ・ジムニー ノマド」。発売は4月3日の予定だ。拡大
「早期に受注を再開できるよう、全社を挙げて取り組んでまいります」とのこと。頑張れスズキ!
「早期に受注を再開できるよう、全社を挙げて取り組んでまいります」とのこと。頑張れスズキ!拡大
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代わりになる国産クロカンモデルはあるか?

まずは、国内ブランドの本格オフローダーはどうでしょう? ジムニーといえばラダーフレームにコンベンショナルな4輪駆動システムを組み込んだ硬派なモデルですが、日本には同じくらい漢(おとこ)っぽいクロカン4WDがある。そう、トヨタの「ランドクルーザー“70”」です。

今どきの軟弱なSUVや豪華装備満載で超快適なクロスカントリーカーとは一味違う武骨さに、ランドクルーザー“70”でもどっぷりと浸れること間違いなし。ボディーサイズはかなり違うし、価格も265万1000円(MTモデル)のノマドに対してランドクルーザー“70”は480万円(AT)と2倍近いけれど、そこはもう飲むしかない。

……って、よく考えたらランドクルーザー“70”も供給量が少なく手に入らないクルマのひとつ。ノマドが買えないからこれを買うっていうのは……残念ながら無理っぽい。なのでこの案はボツだ。

となれば、次の候補は同じくトヨタの「ランドクルーザー“250”」か。ノマドに比べると車体はかなり大きいし、価格も520万とほぼ倍づけだし、残念ながら4WDシステムもジムニーやランドクルーザー“70”のように強靱(きょうじん)なパートタイム式ではなくトルセンLSDを組み合わせたフルタイム式。だけどそんなことを気にしても仕方ない。

こちらも“70”同様に社内で奪い合いとなり供給不足のディーゼルエンジンを搭載した仕様はなかなか手に入らない。けれど、ガソリンエンジン車なら半年くらいで手元に届くらしいので、ランドクルーザー“250”に乗ってノマドの受注が再開されるのを待つというプランはいかがだろうか。

「ジムニー ノマド」の代わりとなる筆頭はやはり「ランドクルーザー“70”」だ。ただし、納車までにだいぶ時間を要しそうなところはノマドと同じだ。
「ジムニー ノマド」の代わりとなる筆頭はやはり「ランドクルーザー“70”」だ。ただし、納車までにだいぶ時間を要しそうなところはノマドと同じだ。拡大
「ランドクルーザー“250”」も有力な一台。だいぶ大きくてだいぶ高価だが、ガソリンエンジン搭載モデルなら納期はそれほど長くないらしい(ディーゼルよりもだいぶ非力だが)。
「ランドクルーザー“250”」も有力な一台。だいぶ大きくてだいぶ高価だが、ガソリンエンジン搭載モデルなら納期はそれほど長くないらしい(ディーゼルよりもだいぶ非力だが)。拡大

見た目が似ているクルマはどうか

誰ですか、「もうちょっと見た目がノマドに似ているクルマがいい」なんて言っているのは。

では、輸入車でちょっとお高くなってはしまいますが「メルセデス・ベンツGクラス」はいかがでしょう? 手に入らないノマドの代わりに、Gクラスを買ってノマド風に変身させるドレスアップがこれからはやる兆しもあるとかないとか(たぶんない)。

そもそも「Gクラスだって手に入らないじゃないか」と言うかもしれませんが、さすがに4年も待っている間には納車される……んじゃないかな。お値段は1824万円からとちょっとだけ高いけど、心配はいりません。4年間乗っても値落ちは最小限だから大丈夫ですって。

鈍感な筆者でも、さすがにそろそろ伝わってきますよ。「そんなに大きくて高いクルマは現実的に無理」っていう声が。では「ジムニー シエラ」なんてどうでしょうかね。

いいじゃないですか、5ドアじゃなくて3ドアだって。ジムニーはジムニーなのだから。「こっちのほうが悪路走破性が高いんだぜ」とか「こっちはUターンが楽だぜ!」っていう上から目線でノマドを見る優越感だって味わえるし。

何を隠そう、シエラからノマドにオーダーがたくさん移行した影響で納車待ちも“史上(現行型デビュー以来)最も短い”という状況。買うなら今です!

見た目が似ているという点では「Gクラス」もいい。東京オートサロン等ではGクラス風にカスタマイズした「ジムニー」をよく見るが、今後の主流は「ノマド」風のGクラスだ。
見た目が似ているという点では「Gクラス」もいい。東京オートサロン等ではGクラス風にカスタマイズした「ジムニー」をよく見るが、今後の主流は「ノマド」風のGクラスだ。拡大
似ているという点ではこれ以上のクルマはない「ジムニー シエラ」。長らく1年待ちなどといわれていたが、「ノマド」登場のおかげで納車がだいぶ早くなったようだ。
似ているという点ではこれ以上のクルマはない「ジムニー シエラ」。長らく1年待ちなどといわれていたが、「ノマド」登場のおかげで納車がだいぶ早くなったようだ。拡大

それでもノマドがいいという人に

とはいえ「でもやっぱりオレはノマドが欲しいんだ!」という人も多くいることでしょう。実は、そんな人には数量限定ですが即納できる「ノマド」がオススメ。ノマドの大先輩であり、ジムニー ノマドの名前のルーツにもなっている「エスクード ノマド」です。

車体サイズは全長3975mm×全幅1635mmと偶然にも(?)ジムニー ノマドとほぼ同じ。エンジンだって1.6リッターの自然吸気で最高出力100PSと大体同じ。もうこれでええやん。街でジムニー ノマドを見ても「よう後輩!」って先輩面ができるし。

新車販売はもうとっくに終わっていて中古しか選べないけど、これなら4年待たなくても買えちゃう。webCGの中古車検索で調べてみたところ、2025年2月中旬現在は4台が選べて、値段は約130万円から150万円と新車よりずっと安い。……と思ったけど、冷静に考えてみると結構高いのね。

(文=工藤貴宏/写真=スズキ、トヨタ自動車、メルセデス・ベンツ/編集=藤沢 勝)

1990年9月に追加設定された5ドアの「スズキ・エスクード ノマド」。ただし、ノマドのサブネームはモデルライフ終盤になくなり、ただの「5ドア」になってしまった。
1990年9月に追加設定された5ドアの「スズキ・エスクード ノマド」。ただし、ノマドのサブネームはモデルライフ終盤になくなり、ただの「5ドア」になってしまった。拡大
工藤 貴宏

工藤 貴宏

物心ついた頃からクルマ好きとなり、小学生の頃には自動車雑誌を読み始め、大学在学中に自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。その後、バイト先の編集部に就職したのち編集プロダクションを経て、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。別の言い方をすればプロのクルマ好きってとこでしょうか。現在の所有車両は「スズキ・ソリオ」「マツダCX-60」、そして「ホンダS660」。実用車からスポーツカーまで幅広く大好きです。

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